横須賀・調味商事



横須賀の街を歩いていますと、屈強な外人さんと防衛大の学生さんらしい制服を着た若い男の子が目につきます。『横須賀ストーリー』的な感じはどこにもありませんが、何となくメキシカンな異国情緒があります。横須賀中央駅から海の方に向かって暫く歩くと、国道16号線に出会います。このあたりはまだそれほど交通量は激しくないようです。ここを左に折れてなおも進みますと市役所とか警察署が立ち並んでいます。どこか垢抜けた立派な通りです。16号線が少しカーブするところで今度は右に入って海岸の方に進みます。途中で小さな道を入りますとすぐに三笠公園に出会います。とてもお掃除が行届いていてきれいです。ここから猿島行きの小さな船がでています。猿島は三笠公園から直ぐのところに見える小さな島です。なんでも東京湾で唯一の自然島らしいです。広々とした港内には何隻かの貨物船が停泊しています。このあたりには海水浴場も多く、当然の事ながら船着き場でも海底がはっきり見えるほど海はきれいです。殆ど透き通っているといってもいいでしょう。温かい日など泳ぎたくなってしまうような、そんな素晴らしいところです。

広場に隣接して、昔の軍艦が保存されています。『記念艦 三笠』です。明治時代にイギリスで建造されたそうですが、全長が132mもあるそうでよくこんなものを造ったものだと感心します。近くで見ますと砲弾とか大砲の模型があってなかなか面白そうです。でもよくよく見ると入場料が500円と書いてあります。そんなに見る価値はあるのかなとは思ったのですが、折角来たのだからと大玉500円を取り出して入場券を購入しました。なにせ、退役したのが大正15年といいますから、現役時代そのままの姿とは言えないでしょうけど、そこは腐っても軍艦のこと、主砲などは今の時代からみても大変な迫力です。三笠は、ご存知のようにあの東郷平八郎司令長官がロシアのバルチック艦隊を日本海で迎え撃ち、『皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ』のZ旗を掲げ戦った歴史的な記念艦です。

内部は思った以上に広く、またさまざまな品々が展示されています。丁寧に見ていったらとても時間がたりません。また、大型テレビによる詳しい解説もありますので、艦の生い立ちとか日本海海戦の様子とか当時の日本の状況がよく分かります。戦争の善し悪しはさておいても、近くに来られた折りには是非立ち寄って頂きたいものです。

行けない方のためにパンフレットをご紹介しましょう。

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記念艦 三笠の由来

三笠は日露戦争中、東郷平八郎大将が指揮する連合艦隊の旗艦で、明治38年5月27日の日本海海戦において、ロシアの遠征艦隊38隻を全滅する偉功をたてて日本の独立と安全を確保し、その後日本が隆昌する基礎を作った記念すべき当時の最新鋭の戦艦です。日本海々戦の勝利はアジア諸民族の自覚と独立を誘い、世界史の転換期を作ったといわれますが、この大事業をなしとげた日本民族の誇りを長く後世に伝えるため、大正15年三笠は記念艦としてこの地に据えられました。世界の三大記念艦としては、三笠のほかに英国のビクトリー、米国のコンスティチューションがあります。

ちなみに、ビクトリー号はイギリスのポーツマス軍港に保存されています。確かネルソン提督が指揮をして、トラファルガー海戦でスペインに大勝利した記念の艦です。内部はなかなか興味深い展示で一杯です。三笠とは時代が違うのですが、どちらも自国に大勝利をもたらした栄光の艦として訪れる人達も多いようです。外から見ると威風堂々の国威の象徴のようですが、内部には砲弾の炸裂によって爆死した多くの乗組員の記録が残っていて、当時の貧しい社会の中で残された家族がその後どのような生活を送ったのかを想像すると辛いものがあります。



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南方はるかに、北上するロシアの大艦隊を発見した東郷司令長官は『皇国ノ興廃コノ一戦ニアリ、各員一層奮励努力セヨ』の信号(Z旗)を掲げ、皇太子殿下より拝領の長剣『一文字吉房』を左手に、肉迫、撃滅を期して最上艦橋に立った。この絵は東城鉦太郎の値名大作です。

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写真は缶室上部の煙路などを改造した中央の展示場です。ここには、日露両国海軍艦艇の各種記念品及びと東郷司令長官以下参戦将士の遺品、手記、勲章など多数を展示してあり、先人の偉業をしのぶことができます。また舷側の通路及び副砲ケースメートには、写真・絵画・その他の資料が展示してあり、日露戦争の実相を平易に解説してあります。

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帰りにもう一本の道を歩いていると、小さなお店があります。ビールなどに混じって、三浦メロンワインとか三笠ワインとかがあります。看板には『調和商事』と書いてありますが、食料品卸の会社のようです。お店はとても小さく、2−3坪くらいしかありません。ワインといっても地場ものが少しあるだけです。でも、折角三笠を見学したのですから、ここはひとつ記念に買っていきましょう。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(白) 日本: 記念艦 みかさ

セミヨン種と甲州種のワインを主体にしています。新鮮でフルーティな香りです。ややコクのある飲み口をしています。魚貝料理や鳥肉料理などに合います。ほのかな甘口をしており、5℃ー7℃が飲み頃です。

『Sapporo Wine Polaire(ポレール)』というシリーズものらしいです。それに『記念艦 みかさ』のラベルをつけたようです。どうでもいいことですが、『記念する』とか『記念碑』とか『記念日』とかの意味でよく『Memorial(メモリアル)』という言葉を使いますが、この『メモリアル』という言葉は『亡くなった人を追悼する』という意味が含まれるときに使われるそうです。『優勝記念』とか『卒業記念』とか、人の死に関係ない場合は『Memorable(メモラブル)』という言葉を使うのが正しいということをイギリスの方から聞いたことがあります。日本ではあまり『メモラブル』という言葉は聞きませんが、本当のところはどうなのでしょうか?

意外にというか、全く期待していなかったのですが、これは美味しいです。晩秋のこの時期にでもこれだけの味ですから、夏の暑い盛りに飲んだらとても美味しく頂けると思いますよ。











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