両国・西彦



日本で、いや世界で最大の飲み屋さんといったらどこでしょうか?私なら国技館と答えます。今まで大相撲の本場所を見たこともなければ、国技館の中に入ったこともありませんでした。ましてや、チケットを入手することさえ困難な桝席でお酒を飲みながら人気力士の相撲を見るなどという幸運に恵まれたのも初めてです。順を追ってご紹介しましょう。

国技館はJR両国駅の北口にあります。歩いても1分とかかりません。本場所中は相撲見物の人達で駅構内は溢れんばかりです。有名力士のノボリがはためく中、ワクワクしながら入場口に並びます。桝席のチケットはかなり高額なものですが、待遇は料金に見合ったもので、お釣がくるほどです(後で聞いた話ですが、飲みもの代などは後日スポンサーに請求がいくようになっているそうです。してみると、今回のスポンサーは今ごろ真っ青になっていらっしゃるかも。。。知らぬこととはいえ、ゴメンナサイ!)。時間帯によっては、人気力士の場所入りを見ることができます。ここで観戦前の気分の高揚をはかることができます。ロビーに入りますと、丁度ブラジル(?)からはるばる修学旅行(?)で来たらしい20−30人の子供たちの一団が、相撲協会の理事長(誰だったかな?)と以前にテレビでよく見た相撲解説者の方を囲んで記念撮影をしていました。引退してもそこは元力士のこと、土俵の上と同じように押してもビクともしない姿勢(ソンキョといいましたっけ?)で写真に収まっていました。

桝席と一般席はここから扱いが異なります。一般席のお客さんはそのまま座席に行くのですが、桝席のお客さんは『お茶屋さん』と呼ばれる独特のサービスを受けます。チケットに書いてある番号のお茶屋さんに行って席まで案内してもらうのです。お茶屋さんは一軒一軒別々の組織らしく、指定された番号のお店でしかサービスは受けられません。お給仕さん(正式には何と呼ばれるのか知りませんが)は全て袴に草履のユニホームです。若い方もいらっしゃれば、年季の入ったお爺さんもいます。お茶屋さんの店先には大きな紙袋が山のように積み上げられています。中にはお弁当とおつまみ、それにお酒が入っています。ハンパな量ではありません。これを一人一袋もらえるのです(帰りにはこれとは別に湯飲み茶碗とか掛け時計などもお土産にもらえます)。午後の遅い時間に入ってはとても消化しきれません。もっとも朝8時の開門と同時に入ったら帰りは救急車のお世話になるでしょうけど。。。

お酒には、本物の瓶入りビール、お酒、ウイスキーがあり、ナント飲み放題です!頼めばいくらでも持ってきてくれます。あまり歓迎はされませんが、お土産用に頂くこともできます。どれも国技館のマーク入りですからこれは貴重なものです。そんな訳で赤ちゃん連れのファミリーも大勢いらっしゃるのですが、館内はアルコールの匂いと煙草の煙が充満しています。お弁当はこれまた本物の笹を使った押し寿司で、おつまみには青豆、焼き鳥、柿の種、スルメ、鱈チーズなどなど、顎と歯が丈夫な方なら嬉しいものばかりです。



これはサントリー特製のリザーブです。



これは青豆ですが、ちょっと塩気がきいていてビールに合います。



柿の種ビーナツも熱戦を観戦しているとアッというまにポリポリと食べ尽くしてしまいます。


大相撲は普段テレビのウインドウでしか見ないので気がつかなかったのですが、自分の目でみると土俵のまわりの様子がよく分かります。あと、相撲が終わった後の土俵の整備なども興味あるところです。ただ一つ見れなかったのは座布団が宙を舞う光景でしたが。。。願わくはワインもお酒の中に扱って頂けたら嬉しいですね(ちなみに飲食物の持ち込みは厳禁です)。とにかく、一生に一度は是非見て頂きたいのが大相撲です。

両国の街に出てみましょう。国技館の隣には、国技館をも圧倒するような巨大な東京都の江戸東京博物館があります。まさに現代のピラミッドです。何時か行ってみたいとは思っているのですが、未だ機会がありません。駅の北口はそういう訳で国技館と江戸東京博物館で占められていて、ビアホールなどを除けばあまりお店は見当たりません。南口に行ってみましょう。こちらには飲食店が沢山並んでいます。場所柄、やはりちゃんこのお店が多いようです。ただ、ラーメンとか餃子のお店もあります。要するに『食の街』なのです。両国駅の南口は、ホームの両端に出口があります。東側の出口を出ると小さな路地があり、道は狭くても『横綱通り』といいます。両側に飲食店が立ち並んでいます。これと交差する形で幾つかの路地があり、ここにも有名なちゃんこ屋さんがお店を出しています。ここいらのお店を選ぶのが通の方のようです。もっとも本場所中など、ちゃんと予約を入れておかないとちゃんこにはありつけません。

『横綱通り』を抜けると大きな道路に出ます。京葉道路(国道14号線)です。昔は東京と千葉を結ぶ産業道路だったようですが、今では首都高速7号線にその座を譲っています。京葉道路の両側にはそんなに沢山はありませんが、スナックとかジーンズとか八百屋さんとかいろんなお店があります。丁度、本所警察署の向かいのあたりに小さな酒屋さんがあります。両国だから日本酒しかないだろうと思っていたのですが、品数からいったらワインが多いようです。普通の酒屋さんなら棚にきちんとボトルを並べて、その上に説明書きのひとつも置いてあるのですが、ここはなにかしら雑然としています。勿論、『ラトゥール』とか『100年前のマデラ酒』など、高価なワインはガラス戸付きのケースに入れてあるのですが、普通のワインは雑然と並んでいます。まとまった本数のあるワインは、お店の息子さんが作られたという丁寧なラベルを付けた木箱に入っています。大正12年創業の古いながらも、ごちゃごちゃとしていて面白いリカーショップです。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) ブルガリア: DOMAINE BOYAR ROYAL RESERVE CABERNET SAUVIGNON (1994)

『ドメーヌ・ボイヤール ロイヤル・リザーブ カベルネ・ソービニヨン』は、1946年からスペインへ亡命していたブルガリア王シメオン2世(Czar Simeon U)が1996年にブルガリアに一時帰国したのを記念してドメーヌ・ボイヤール社が特別に栽培したカベルネ・ソービニヨン種の選りすぐった葡萄だけから造られたブルガリア最高峰のワインです。熟した果実の香りをもち、熟成によるやわらかなブーケとなめらかなタンニンを併せ持つワインです。

ブルガリアのワインは結構お手軽な値段なのですが、これはそんなに安くはありません。といっても私の上限をちょっと超えるくらいですが。。。お店の方によるとなかなか美味しいらしいです。

ブルガリアの高級ワインということで、よっぽどコクもあり深い味わいかなと思ったら、意外と乾いた軽い味でした。ボルドーの高いワインにも似たような感じの味がありましたが、ちょっと初心者には難し過ぎたようです。それにしても、ブルガリアにも王様がいらしたのですね。この記念すべきワインを飲まれたのでしょうか?



(赤) フランス: VIN DE PAYS DES PYRENEES ORIENTALES CATALAN RES

『ヴァン・ド・ペイ・ド・ピレネー・オリエンタル カタラン』は、フランス最南端ピレネー山脈の麓、ルーションの畑で穫れる完熟した葡萄カリニャン種とグレナッシュ・ノアール種を使用しました。4−5日間かけて発酵させ凝縮された愛すべき新鮮味と果実味そして口の中での軽やかさが特徴の非常に飲みやすい赤ワインに仕上がっています。ライトボディで軽めの肉料理に合います。

これはいかにもお手頃なデイリー・ワインのようです。フランスの伝統的なワインに比べたら、新興グループといってもいいかもしれません。

まあ、普通の赤ワインといえるでしょう。余計な味はしない代わりに特別なフレーバーもありません。割と冷やして飲まれた方がいいようです。デイリーのお食事によく合うと思います。











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