西小山・リックス ひのや 荏原店



昨年HANAKO特集をやったとき、幾つかのお店に行けなくて心残りがしていました。たまたま平日に休めたので、燈台下暗しではありませんが、近くのお店に行ってみることにしました。最初はJR大井町駅から歩いて7−8分の池上通りに面したところにある小西屋酒店さんです。ここは強烈な個性をもつ極めてユニークなお店ですが、残念ながら私が立ち寄った時にはお店の人が留守だったのかドアが閉まっていて入れませんでした。ここは後日絶対に行きたいところです。そのうちにご紹介したいと思います。マスターとの一騎打ちが楽しみです。

もう一軒は、東急目蒲線の西小山にある『ひのや』さんです。普通酒屋さんは駅の前とはいわないまでも、商店街の中とか目抜き通りとかにお店を構えるもののですが、この『ひのや』さんは住宅街の真ん中にポツンとあります。西小山の駅からもあらかじめ地図を用意して行かないと絶対にたどり着けません。私もHANAKOの切り抜きを見ながら行ったのですが、途中で不安になり何度も止めようかと思ったほどです。

ようやくそれらしいお店を見つけたのはもう夕暮れ時でした。看板に『ワイン』の文字がなければただのコンビニとしか見えなかったでしょう。たとえ、お酒を売っていると分かっていても、実際にお店の中に入らなければこれほどの実力があることを認識するのは不可能です。住宅街の中にありながら、時間帯のせいもありますがそんなに賑わっている訳ではありません。お店の入り口付近はまるで普通のコンビニです。ところどころにワインが置いてあります。奥に進むと相当のワインが置いてあります。雑然と置いてありますが、ただのワインではありません。思わず手にとってみますと好奇心をくすぐるものがあふれています。

HANAKOには、地下にもワインセラーがあるとのことでしたので、その入り口を探したら見当たりません。おかしいな。。。と思ってお店のレジのおばさんに聞いたら、予約してありますか?とのこと。。。ワインセラーを見るのにナンデ予約???と思いましたが、暫く待って案内してもらえることになりました。なんと地下への入り口はお店の方専用のドアを通った事務室の床にありました。階段ではないのです。キンバリー鉱山か佐渡の金山かと思わせる扉も何もない檻に入って、案内して下さったお兄さんがスイッチを押すとギーコといってエレベータの檻がゆっくりと地下に降りていきます。ガコガコいって結構ビビリましたよ。

深さ2mの地下に降り立つと、そこはワインの箱が山積されたワインセラーとはほど遠い倉庫。。。かなり後悔の気持ちも出てきましたが、ここで止めてはワインのエバンジェリストの名がすたります。エレバーターのある小部屋にも若干のワインの箱が置いてありますが、その壁を50m四方くり貫いて隣の部屋があります。いくら私が細くないといっても立ったままではとても入れません。どうするかというと、ベルトコンベアのような器械がその四角い穴に渡されており、その上に板をおいてローラーの上を滑らせながら壁をすりぬけるのです。これはとてもスリリングな経験です。私はあちこち壁にぶつけながらようやっと隣の部屋に入れました。

ワインの箱の間の狭い通路を進んで、案内のお兄さんからいろいろとお話を聞きます。このお兄さんはとても若いのですが、ワインの知識は大変なものです。何よりもここに勤めているのでかなりテイスティングもされているようで、ワインの味の解説にも実感がこもっています。この部屋の隣にもうひとつ部屋があり、そこにもお宝ワインが山のように積み上げてありました。勿論その部屋に入るのにもまた腹ばいになってみっともない格好でセラー・サーフィンをしなければなりませんでしたが。。。私は散々案内してもらった挙げ句に1000円ワインを3本と2000円チョットのワインを一本しか買いません(買えません)でしたが、高級ワインに目がない方(常識ある方に限ります)は是非挑戦してみて下さい。ただし、お腹の出ている方はダイエットの後に、女性の方はジーパンで行かれることをお勧めします。。。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) カリフォルニア: GALLO SONOMA CABERNET SAUVIGNON (1994)

『ガロ・ソノマ』は、カリフォルニア州ソノマ地区に数あるワイナリーの中でも最大級の規模を誇っています。温暖な気候区域にあり、葡萄栽培に理想的な地形と土壌という好条件が揃っているソノマ地区は、世界でも最も優れたワイン生産地域のひとつになっています。このガロ・ソノマは、特に厳選された葡萄のみを使用しており、それはガロがワイン造りに使う葡萄の僅か2%にも満たない量です。このような細心の気配りと厳重な管理のもとで、一流のワインが造り出されるのです。このカベルネ・ソーヴィニヨンは、ブラック・ベリー、カシスやチョコレートのアロマと、フレーバーが特徴のフルボディのワインで、仕上げに爽快なスパイスがきかせてあります。奥行きのあるフルーティな味が特徴のこのカベルネ・ソーヴィニヨンは、和・洋・中華と、料理の種類は選びません。中でも、ビーフステーキ、ラム料理、すきやき、スパゲッティ・ミートソースなどのように味付けのしっかりした料理によく合います。

ガロ・ソノマのワインは最近かなりポピュラーになっていますが、この特製のカベルネは、日本でもめったに入手できないため、とても希少価値があるとのことです。2000円は少し超えますが、それだけの値打ちはあります。これはちゃんとしたお食事と一緒に頂きたいものです。

後記: 。。。といったのですが、最近近所のスーパーに山積みされているのを発見して複雑な気持ちになりました。。。

このワインは飲む前からとても期待していました。案内して下さったお兄さんの話によると、ガロのワイナリーはカリフォルニアでも有数の規模を誇っていますが、あまりこだわりを持った銘柄は造っていませんでした。ところが、あまりに世俗的なワインばかり造っていたので世間の評判が芳しくなく、ついにこだわればガロでもここまで出来るんだということを示すために、特別のワインを世に問うことになったそうです。その一連の銘柄のひとつがこのワインです。更に一つ上のランクの銘柄は数年前にワインコンクールの賞を総なめにしたとか。。。で、その結果なのですが、グラスに注いだ状態では非常に濃い色をしていましたが、飲んでみるととても上品で爽やかな味をしています。多少、辛さとストレートさが気になりますが、割とスイスイ飲めます。これは誕生の時から大事に育てられてきた、高貴な血筋をもつ血統書付き赤ワインといっていいでしょう。尚、お値段はかなり張りますが、この上位の銘柄もチャレンジしてみたいものです。





(赤) チリ: CHATEAU LOS BOLDOS CABERNET SAUVIGNON (1997)

CHATEAU LOS BOLDOS


Established more than 150 years ago, the vineyard is located at the foot of the Andes near Requinca and is one of the oldest in Chile. Planted with Bordeaux' noblest grape vanetals from original french rootstocks (Chile is the only country in the world never to have been affected by phylloxera), and treated by ecological methods, Chateau Los Boldos are biological wines. With the ideal climate of its valley, its fertile soils combined with traditional winegrowing practices and meticulous manual cultivation, Chateau Los Boldos is distinguished by its delicate fragance and rich quality. Chateau Los Boldos is a member of the G.E. Massenez family, produces of the famous Alsace Eaux-de-vie and cremes de fruits.

このワインのラベルを見た瞬間、私の大好きな『LOS VASCOS』の再来ではないかと思いました。解説にも似たようなことが書いてあります。私はこのワインが絶対の当たりだと思うのですが。。。ちなみに、お店のマスターがこのワインを飲んであまりの美味しさに何箱か注文されたそうですが、結局2箱しか割り当てられなかったということです。それほど価値のあるワインということでしょう。ひょっとして、『LOS VASCOS』を追い越すかもね。。。

ロスバスコスとは全く違った味です。コクとか渋味はあまり感じられず、辛めのわりとすっきりした赤の味です。美味しさの基準を何に置くかによって様々に評価は異なるのでしょうけど、上品さを基準に置けばこれはかなり高い点をとるでしょう。千円チョットのお値段でしたが、少なくともその倍の価値はあると思います。ところで、『LOS』とはどういう意味なのでしょうね。



(赤) チリ: SELECTION RESERVE CONO SUR CABERNET SAUVIGNON (1997)

『セレクションリザーブ・コノスル・カベルネソーヴィニヨン』は、数々のワインショーでメダルを獲得しているチリのスーパープレミアムワインです。オーク樽で熟成した深い香りとコクをお楽しみ下さい。タイプは辛口(フルボディ)です。

『RAPEL VALLEY』の産のようです。コノスル・ワイン自体は珍しくありませんが、これに『SELECTION RESERVE』が付されると一気に希少価値が生まれます。これは掘り出し物かも。。。

このワインは、とても若いにもかかわらず、カベルネソーヴィニヨンらしい深いコクが感じられました。さすがに『ひのや』さんのお目利きは確かなものです。これは千円ワインとしては絶対のお買い得だと思います。



(赤) ドイツ: PFALZ DORNFELDER ROTWEIN TROCKEN (1997)

特に解説はありません。

ドイツの赤ワインはまだまだ珍しい存在なのですが、このお店には何種類か置いてあるとのことです。お兄さんが、とっておきのドイツの赤があると見せてくれたのは確かに素晴らしいワインでしたがちょっと手が届きませんでした。代わりにこのワインを買ったのですが、それでもいい味だそうです。私の経験では、ドイツの赤にはかなり当たり外れがあるのですが、これは当たりでしょうか、それとも。。。

当たりーーーい!これも千円ほどのお値段でしたが、その3倍の値札がついても納得できる美味しさです。今まで飲んだドイツの赤は何だったんだろう?と一気にドイツの赤に対する価値基準が変わりました。非常に澄み切った味で、甘さなぞどこにもありません。飲めば飲むほど味が冴え渡り、最後の一滴をグラスに注ぐ頃には至福の時を迎えていました。これなら更に上位の赤も買っておくんだったぁ。。。











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