日本橋・千疋屋総本店





日本橋は江戸の昔から地方へ通じる主要幹線道路の起点になっているようですが、今では高速道路の下敷きになり、また橋の下を流れるのは何川か分かりませんが(一説では『日本橋川』というようです)殆どドブ川に近い状態で昔の清流(だったかどうか知りませんが)の面影もありません。でも、周辺には威光落ちたりとはいえ、金融関係の会社のビルがひしめいています。お昼時には美味しいランチを求めてこれらのオフィスから大勢の人達が通りに出てこられます。需要と供給の原理により食堂の数も多く、どんな好みの方でも満足させることができます。

威容を誇る三越本店の斜め前くらいに、付近の近代的なビルとはおよそ不釣り合いな小さな建物があります。何が不釣り合いかというと、外壁一面に蔦がからまっているのです。見るからに歴史を感じさせます。看板をみますと、『印度風カリーライス』と書いてあります。入り口のドアを開けてみます(このお店では入り口と出口が別々なのです)。店内には4人掛けのテーブル席が5−6個あるだけです。2階もあるようですが同じような感じだと思います。このお店ではメニューは一つだけです。つまり、お客さんは2人前以上食べない限り、何も言う必要がないのです。黙って座ればひとつしかないメニューのカリーがさっと出てきます。お水はテーブルに置かれたやかんから勝手に注げばいいのです。壁には店主のメッセージが書かれた紙が張り出されています。曰く、『50年以上にわたって単品のカリー一筋に励んでまいりました。健康的で美味しいカリーを作るために、本格的な香辛料をふんだんに使っています。云々』

最近のカレーは、インドやパキスタンから来られたコックさんが腕を振るう本場のインド風あるいはカシミール風カレーで、それはそれで美味しいのですがちょっと脂っこい感じがします。ここのカリーは伝統的な日本風カリーで、どちらかといえば胡椒主体の味がします。肉もそんなに脂身がなくわりとあっさり系です。メニューも単品なら、辛さの調節もしてくれません。でも大丈夫!辛いのです。。。最初のうちは大したことはないと感じますが、そのうちにじわじわ効いてきます。見るとテーブルのあちこちでメガネを外し、しきりにハンカチで顔を拭っています。辛さの苦手な方は殆ど数口でギブアップです。カレーの辛さを中和するにはマイルドなココナッツミルクが最適ですが、ここのお店では何故かパウダーチーズが置いてあります。これをカリーの上にパラパラ(ドバッとでもいいですが)振りかけて頂くと随分カリーの辛さが和らぐと共にコクと深みも出てきます。お店は古いしぃ、食器も月並みだしぃ、水はヤカンからセルフサービスで注がないといけないしぃ、お給仕のお姉さんもおばさんになりかけているしぃ、その上一皿1200円とちょっと高めだしぃ。。。といろいろあるのですが、何故かここのカリーの味は忘れられません。お客さんもひっきりなしに入って来るし、もう50年も通い詰めているのではないかと思うようなおじいさんもいて、やはりただのカリー屋さんではないようです。

カリーを食べてお腹が膨らんだらちょっとジュースでも飲みたい気分です。このお店と通りをはさんだ反対側に、果物の専門店として知られる『千疋屋』さんの総本店があります。ここの1階には新鮮な果物を使ったフルーツパーラーがあり、ちょっと贅沢でお洒落な時間が過ごせます。2階にはレストランも併設されているようです。千疋屋さんは果物しか扱っていないと思っていましたら、なんと自家用のワインも置いてあるのです。勿論フランスから輸入された高級ワインもあります。考えてみればワインは果物を原料にしているので、千疋屋さんがワインを扱っていても何も不思議はありません。



千疋屋が自信をもってセレクトした特別醸造ワインは、蔵王連峰のふもと山形県上山市に、日本のワイナリーとしては希な15ヘクタールの自家葡萄園を所有するタケダワイナリーに、千疋屋が特別に葡萄の栽培・醸造を依頼し、ワインに最適なヨーロッパ系葡萄品種の完熟果実のみを原料として作られたオリジナルワインです。有機農法によりヨーロッパ系葡萄に最適な土壌に改良された葡萄園では、リースリング、シャルドネ、カベルネ・ソービニヨン、メルロ等、高級ワイン用品種として最適な葡萄をすべて手摘みによって収穫し、本場フランスのシャトーにて研修を積んだセラーマスター(醸造責任者)が伝統的醸造技術を導入して、日本でも有数な本格的なワイン造りを行っています。日本の豊かな土壌で育まれ、丁寧に栽培された完熟葡萄のみによって造られた千疋屋ならではのオリジナルワイン(千疋屋葡萄酒倶楽部)は、西洋料理はもとより、家庭料理、特に和食などにもとても自然に溶け込めます。

自家ブランドの他に、フランス直輸入のワインもあります。ちょっと高かったので今回は見送りましたが、なかなかのものです。

シャトー ミエ (CHATEAU MILLET)


フランス・ボルドー地方グラーブ地域のほぼ中心に位置するシャトー・ミエは、1882年に建築家レオ・ドルイヤン(Leo Drouyn)によって建てられた美しいシャトーです。シャトーを取り囲む葡萄園は、ガロンヌ河に面し、総面積48ヘクタールの畑から年間300樽のボルドーグランクリュクラスのワインを産出します。芳香豊かで洗練された味をもつシャトー・ミエのロゼやブラン(白)は酸味が比較的少なく、ソースの有無にかかわらず魚料理に合います。よく冷やして(約8℃で)お飲み下さい。芳香があり、きめの細かさと豊かなコクを兼ね備えたアルコール度の高いシャトー・ミエのルージュ(紅)は約17℃で飲むのが最も美味しく、ほどよく焼いた赤身の肉によく合います。シャトー・ミエはクイーン・エリザベス2世号(Q.E.U)御用達ワインで船内メインダイニングでもお飲み頂けます。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(白) フランス: CHARDONNAY VIN DE PAYS D'OC (1996)

直輸入らしく、何も解説はありません。

ガロンヌ河に面した葡萄園でしょうか、とても鮮やかなラベルの絵です。でも、せっかくならシャトー・ミエを買うんでしたね。。。

上品でおとなしい味でした。赤から白へ移り変わる季節の節目にちょうどいいワインです。そろそろ衣替えならぬワイン替えの時期にきたようです。



(赤) スロベニア: AVIA MERLOT PRIMORSKI REGION (1998)

This fine red wine is an excellent complement to meat dishes of all kinds. It is rich in flavor yet soft and smooth intexture. This fine quality wine is produced in cooperation with the wineries of Agroind Vipava, KZ Brda and Vinakoper.

アヴィア・メルローは、果実味と酸味の調和のとれた味わいです。やや冷やしてお飲み下さい。













(赤) ルーマニア: BLACK PEAK MERLOT (1998)

DEALU MARE - BREAZA ESTATE
DRY RED WINE


This wine displays a most beautiful, intense and lively red colour; is a dry, full bodied wine, with a good structure and velvery texture. Serve at room temperature with red meat, game and walnuts.

ルーマニアはワイン造りの長い伝統を持ち、土壌にも恵まれ、社会主義体制の崩壊後、急速にクオリティを高めています。ルーマニア最高の立地であるデヤルル・マレ(大きな丘の意味)はカルパチア山脈の南東の丘陵地帯で、黒海からの東風を受け気候に恵まれた美しい地区です。ブラックピークは、そのデヤルル・マレ産の葡萄を使い、自然で素直な奥深いポテンシャルを感じさせるワインです。メルロー1998は、ミディアムボディの赤ワインで、フレッシュな果実味があり、メルロー的な甘さが感じられる味わいです。



















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