カンヌ・CAVIAR HOUSE







ナポレオン街道はごく普通の道路です。勿論、ナポレオンの一行が通った頃は舗装も何もされていなかったのでしょうが、今ではよく手入れされたきれいな道路になっています。道路沿いの景色もなかなか良く、車は快適に走っていきます。30分位走ったでしょうか、道路が枝別れしたところでどう道を間違えたのか、車はどんどん坂を下っていきます。暫くそのまま走りますとグラースの町に入っていきました。グラースは香水の町として有名ですが、古い建物が多くなんとなく街全体がくすんで見えます。丘の途中に位置するためか、道路が曲がりくねっていて勾配も急です。折角ですので香水博物館に行こうかなと思いましたが、7時近くになっていましたので諦めました。

グラースを出ようとしましたら凄い渋滞に巻き込まれました。フランスにもラッシュアワーがあるんですね。巨大なロータリーは車の洪水と化し、なかなか中に入れません。無理に入るとクラクションの洗礼を受けます。やっとのことでカンヌへの道に入れました。グラースからカンヌまでは20ー30km位でしょうか。プロヴァンスと違って交通量も多く、車の運転にはかなり神経を使います。途中ムージャンという小さな町を通り過ぎます。『地球の歩き方』によりますと、この町にはロジェ・ヴェルジェという名シェフが腕をふるう有名なレストランと付属するワイン・カーヴがあるとのことですが、もはや立ち寄る気力は残っていません。やっとのことでカンヌの町中に入ります。町中は車の洪水です。標識を見ますと、『Le Cannet』と『Cannes』の2つがあります。海岸沿い一帯が本物のCANNES(カンヌ)の町で、その手前4−5km位のところに『Le Cannet』と呼ばれる町があります。あまりの車の多さに、本物のカンヌに行く道を通り越してしまいました。Uターンもできません。仕方なく、脇道に入って車を停めたら目の前に”救いの神”のHoliday−Innが見えます!本物のカンヌはもういいから今夜はここに泊まろうか。。。と弱気の虫が出てきます。

そうはさせじ。。。と強気の虫が叱咤します。気を取り直して再び車を旧市街の方に走らせます。かなり込み入った町ですね。狭いクネクネ曲がった市街地を進んでいたら目の前がパッと開け、海が見えてきました!コートダジュールの紺碧の海です!周りの風景も一変します。高級なお店やホテルが海岸沿いに林立しています。道路脇の歩道には沢山の人たちが、夕方のそぞろ歩きを楽しんでいます。そうなんです。もう夕方なんです。時計を見ますともう8時近くになっています。イケマセン。。。早く今夜のお宿を見つけnight。海岸沿いの道路は『クロワゼット大通り』というのだそうですが、ここがカンヌの目抜き通りのようです。海を望んだ一等地に巨大なホテルが林立しています。中でもカールトン・インターコンチネンタルは格調の高さで他を圧しています。まるで映画の中に出てくるシーンそのままです。そんなことを言っている場合ではありません。先ず、車を停めないと。。。と駐車スペースを見つけます。クロワゼット大通りは、真ん中に狭い緑地帯があって歩道も兼ねています。その両脇にはビッシリと車が駐車しています。なかなか空きスペースが見つかりませんね。端っこまで走ってまた引き返します。やっと小さなスペースを見つけました苦手な縦列駐車をなんとかこなして車を停めます。

どうせならちょっといいホテルに泊まろうと目の前にそびえるMartinezという名前のホテルに入ってみます。ここも超高級ホテルのようですね。フロントでお聞きしたら目の玉が飛び出るようなお値段!空き部屋はあるにはありましたがスゴスゴと退散です。さあーーーて困りましたね。もう暗くなりかけているし、夏のトップシーズンでもあることだし、こりゃ無理かな。。。と半ば諦めたところで(諦めてどうする!)、海岸から一つ裏通りに小さなホテルを見つけました。小奇麗なプチホテルのような感じです。何か直感的に引かれるものがあり、ダメモトでと思いながらフロントに入ります。狭いながらもきちんと整ったロビーです。受付にはオーナーらしいおばさんがいます。思い切って空き部屋を尋ねます。なんと空いているのです!お値段もとても手ごろで、早速お部屋を見せて頂くことになりました。つい、サロン・ド・プロヴァンスの悪夢が蘇ってきて、『あのーーー、クーラーはあるんでしょうか?』と聞いてみます。受付のおばさんはちょっとムッとしたようで、『モチですよ!』。例の自分で扉を閉めるスタイルの小さなエレベータに乗って3階までギーコと上っていきます。1フロアには4ー5部屋しかありません。ドアを開けてもらいますと、部屋の中はとても奇麗です。特にバスルームは広く、清潔で、おまけに広い窓までついています。ベッドルームの中も結構豪華です。ベッドカバーはプロヴァンス風の上等の布が使われています。



特筆すべきは、小さいながらもベランダが付いているのです。私の部屋は奥の角部屋だったので海は見えませんでしたが、展望はなかなかのものです。ベランダには小さなテーブルと椅子が置いてあり、朝食はここで食べられるとのこと。もう一も二もなくここに泊まることにしました。裏庭にはホテルの駐車場も完備していますし、もう至れり尽くせりです。それにしても、通りを一つ入っただけでお値段は1/4ながら、こんなに素敵なホテルが見つかるのですから人生諦めないことが肝心です。



ちなみに、椅子に腰を下ろしますと、あのカールトン・インターコンチネンタル・ホテルの特長ある丸い塔が見えます。



ホテルの前にはベトナム料理のレストランがありましたが、途中で買い込んだワインも溜まってきたことだし、おつまみでも調達して今夜はホテルの部屋で豪華晩餐といきましょう。早速買い出しに出かけます。スーパーでもあればいいのですが、あいにく近所には見当たりません。仕方ないのでバー兼デリカテッセンのお店で、サラダとサンドイッチを買い込みます。帰り道、クロワゼット大通りをぶらぶら歩いていましたら、歩道に人だかりがしていました。観光客の多いカンヌのこと、あちこちでいろんなパフォーマンス(いわゆる大道芸)をやっています。ここでは、歩道に立てられた板の間から金色の布に纏われた人形が手と首を出しています。と思っていたら、急に人形が動き出しました。暫くするとまたピタリと止まります。日本でも時々見かける芸ですが、さすがに本場だけあってなかなかの迫力です。つい見とれてしまいます。



このあたり一帯は、パレ・デ・フェスティヴァル・エ・デ・コングレといって、カンヌ映画祭などでも会場として使われる建物が多く立ち並ぶカンヌのイベントの中心地です。ハリウッドなどでも見かけた映画スターや監督の手形が200枚近く歩道に敷かれています。でも、ちょっと夕暮れになってきたためか、誰の手形なのかよく分かりません。あとで調べてみたら、全体の手形の配置図が階段の脇に貼り出されてあったとのことです。事前に情報は仕入れておくものです。海岸沿いはカーニバルのような騒ぎですが、ホテル沿いは優雅なお食事を楽しむ人たちでどのレストランも満員の盛況です。何しろ歩道の直ぐ側にテーブルが置いてありますので、お皿の料理も一目瞭然です。やはり、お魚料理が多いようです。いけませんね、ジロジロ見ちゃあ。。。さっさと自分のディナーを頂きましょう。。。



お部屋でのディナーは超豪華でした。予め冷蔵庫で冷やしておいたエクスのロゼとナポレオン街道で買ったアヒルのパテ、それにチーズにサラミ、地元で仕入れたサラダにサンドイッチ、もう言うことありませんね。またしてもガツガツ・ゴクゴク状態です。でも、さすがに疲れきっていたのか、お食事の途中で眠り込んでしまいました。。。

翌朝になりました。さすがに、コート・ダジュールは南国です。強い日差しで気温は一気に上昇します。朝食を頂こうとお願いしたら、大きなお盆に山盛りのパンにジュースに果物にコーヒー。。。を部屋まで運んで下さいました。早速、ベランダのテーブルに置きます。強い日差しで鮮やかな色の果物・ジュースが一層美味しく見えます。昨夜の食べ残しのお料理と豪華な朝食を外の景色を眺めながら優雅に頂いていたら、あまりの暑さに頭がクラクラしてしまい、直ぐにお盆ごと冷房の効いた部屋の中に待避してしまいました。はたかた見ると優雅に見えますが、屋外でお食事するのもなかなか大変なようです。

超満腹になったら、そろそろホテルともお別れです。。。っと、カンヌを離れる前にちょとワインを探しましょう。カールトン・ホテルの直ぐ近くにキャビア・ハウスという高級ショップがありました。ウインドウ越しに店内を見ますと、巨大なケースにキャビアが入っています。時価数百万円はするでしょう。思わずドアを開けて中に入ってみます。奥の方にはワインも並んでいますね。どれも高級なものばかりです。その中で割と手ごろなボルドーの赤を見つけました。お店の方もお勧めです。折角ですから記念に買い込んでいきましょう。でも、キャビアにはさすがに手が出ませんでした。。。



最後にカンヌの海岸をもう一度見てみましょう。朝なのでまだ海水浴客は見受けられません。沖には何隻もの豪華客船が停泊しています。カンヌはお金持ちの人達の避暑地なのです。ちなみに、モナコは大富豪や王侯貴族の集う超高級リゾート、ニースは庶民の海水浴場。。。というのが私の印象です。



初めてのコート・ダジュールで一泊した後は、いよいよモナコに行きます。今日は丁度7月14日、フランスの独立記念日です。11時近くになりましたが、カンヌからモナコ迄は40km位しかなく、しかも高速道路で結ばれていますので時間はかかりません。今度は簡単にモナコへの高速道路に乗ることができました。いかにも南欧といった感じの茶色の家並みが立ち並ぶ丘を見上げながら車は一路モナコを目指します。。。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(シャンパン) フランス: LAURENT-PERRIER

説明はありません。

これは日本でもよく見かけるフランスの代表的なシャンパンです。ハーフサイズですが、結構なお値段ですね。帰った後でラベルを整理していましたら、あのニームの4つ星ホテルで飲んだシャンパンと同じでした。。。

このシャンパンは結局パリのホテルの部屋で飲んだのですが、結構辛口の味でした。高級になればなるほどワインの味って分からなくなりますよね。それにしても、ハーフのシャンパンはあっという間になくなってしまう。。。







(赤) フランス: GRAND HERMITAGE BORDEAUX (1996)

説明はありません。

よくよく値段をみたら、4千円近くするものでした。これもヒーヒー言いながら日本に持ち帰った中の1本ですが、ボルドーの本物の赤と思うとなかなか手がつけられません。どうしましょう???

飲みましょう!これこそ本物のボルドー。。。と思って勢いよく栓を開けたら、醤油蔵のような醸造所のような独特の匂いがします。グラスに注ぎますと、意外や意外色が薄いのです!ボルドーの逞しい濃いワインカラーを期待していたのに、ちょっと拍子抜けです。慎重に口に運びますと少し酸味のような味が感じとれます。空気に触れる時間が足りないのかと思い、30分程おきました。少しまろやかになりましたが、コクには変化しなかったようです。恐らく防腐剤は入っていないのではないかと思いますが、私の味覚ではそこまでは判別できません。本物を味わうのもなかなか難しいものです。











戻る