ニース・CAVES CAPRIOGLIO
モナコとニースは隣町みたいなものです。直線距離にしたら20kmもないでしょう。高速道路でもつながっているし、30分も走ったら着くだろうな。。。と、たかをくくっていたのですが、高速道路は山間を走っていますので、海岸沿いに位置するニースの中心地までは結構な距離を走ります。そんなこととは露知らず、鼻歌でも出かねない調子の良さで高速道路の出口に向かいます。4つほどゲートが並んだ料金所があります。ゲートの上には”5フラン”の硬貨の絵が何個も書いてあります。『要するに料金が5フランなんでしょ!』と硬貨を予め用意しておきます。スルスル、ピタリ。。。とは止まれませんでした。またしても、硬貨を入れる料金箱から距離ができてしまいます。えいやっと腕を伸ばし、料金箱の口に硬貨を押し込みます。ム・ム・ム、入りませんねぇ。。。それにしてもこの口はえらく広いですね。硬貨をいれるのにこんな広い口なんか必要ないだろうに。。。
後ろを見ますと、お兄さんの運転する車がピタリとついています。ちょっと焦ってきました。更に硬貨を押し込みます。やはりダメですねぇ。。。待てよ、とよくよく料金箱を見ますと、どうもこの機械はカード専用みたい。。。こりゃいかん!と今度は硬貨を取り出しにかかります。結構奥まで押し込んだので今度はなかなか出てきません。そのうちに、お兄さんの車の後ろに今度はおばさんの車が止まりました。さあ、大変です。いろいろと試しているうちに、痺れを切らしたのかお兄さんが車から降りてやってきました。事情を察したのか、針金のようなもので硬貨を抜き取りにかかりますがやはりうまくいきません。お兄さんは肩をすくめて戻っていきました。近くには係員もいないし、万事休すです。幸いにも午後の空いた時間帯だったためか、お兄さんとおばさんの他はこのレーンには車はいません。車から降りて『ここは故障だよ!』と手を振って(誰が壊した!)他のレーンに回るように合図します。二人ともあっさりと言うことを聞いてくれました。後ろが空いたところで、今度は自分の車を別のレーンに動かせて無事ゲートを通過しました。ヤレヤレです。ところが、あのレーンの信号は青のままです。このままではラッシュ時に大混乱になる!と係りの人を探そうとしたら、後から後から車が来て事務所の方まで近づくことができません。あっという間に車は料金所を出てしまいました。あれから何が起きたのか恐くてテレビも新聞も見れません。器物損壊の罪で逮捕される夢こそ見ませんが、これは秘密にせねば。。。と堅く心に誓いました。。。フランスの皆さん、ごめんなさーーーい。
車は段々と市街地に近づいていきます。おや、飛行機が飛んでいますね?と思ったら、ここがコート・ダジュールの観光の拠点であるニース空港でした。そんなに広くは感じませんでしたが、なかなか立派な空港です。道路沿いには、南国らしく椰子の木が立ち並んでいます。明日はここからパリへと飛び立ちます。空港を通り過ぎますと、間もなく長い海岸線に出ます。ここが有名な『プロムナード・デ・ザングレ通り』です。道路は海岸に沿っていて片側は紺碧の地中海、反対側には沢山のホテルが建ち並んでいます。カンヌと結構似ていますね。それにしても大変な交通量です。マゴマゴしていると後ろから怒鳴られます。今夜のホテルは日本で予約したメルキュール・ホテルです。簡単なパンフレットを渡されただけなのでどの辺に位置するのかちっとも分かりません。Uターンしてそれらしきホテルを見つけたのですが、迷っているうちに通り過ぎてしまいました。もう一度Uターンしようとしたら今度は左折禁止のオンパレードです。仕方なく右折して別の通りに入り左折できる道路を探します。街中は海岸通りより遥かに道はゴチャゴチャしています。やっとのことでホテル脇の道に入ることができました。ここのホテルには専用の駐車場がなく、ひとまず共同の駐車場に車を入れ、ワインでずっしりと重くなったバッグを持ってホテルのフロントまで足を引き摺っていきます。もう暑くて暑くて大変です。ホテルはいままでの中では一番つつましやかでしたが、宿泊する上では何も不自由はありません。
とりあえず、早いうちに車を返却しようとフロントの方にレンタカー会社の場所を聞いたら何とホテルの裏手にあるとのこと。もう街中の運転はしたくないと思っていたので、これは天の助けです。HISさん、ありがとう!面白いことにレンタカーの返却場所は営業所ではなく、共同駐車場なのです。何処に停めたかを紙に書いて渡せばいいのです。手続きしている間に、隣のグルメそうなおばさんにニースのお勧めのレストランを教えてもらいます。結構気さくな方で、地図に場所を書き込みながらプロヴァンス料理の名店を教えてくれました。今夜はそこで南仏の旅を打ち上げましょう!ホテルに戻る前に『プロムナード・デ・ザングレ』を散歩します。海岸線は至る所海水浴場です。老若男女、沢山の海水浴のお客さんがいます。カンヌと違って沖合いには大きな船は停泊していません。何処までも続く青い海と青い空が地平線の彼方で交わっています。
手前の方はおじさんです。念のため。。。
それにしても暑いですね。ビールで喉を潤しましょう。道路沿いのバーに飛び込みます。せっかくならと、通りに面したオープン席に座ります。冷たく冷えたビールを飲みながら椅子にゆったりと腰掛けるとニースの住民になったような気になります。そうだ、ホテルに戻って先ほどのレストランを予約しnight。
ホテルの方にお骨折り頂いたのですが、結局プロヴァンス料理の名店はその夜は予約で一杯とのこと。。。残念ですが諦めましょう。その代わり、フランス政府観光局発行のパンフレットに掲載されていたチーズ屋さんに行くことにしました。お店は旧市街にあるようです。ニースの朝市は有名ですが、野菜や果物やお花の露店が建ち並ぶサレヤ広場一帯は夕方ともなると一大”食い処・飲み処”に変身します。チーズ屋さんはそのサレヤ広場から入り組んだ狭い通りを入ったところにあります。まわりは人通りも少なく、お世辞にも奇麗とは言えない建物が並んでいます。夜だったら観光客がここいらを歩くのはちょっと勇気が要るでしょう。夜7時でも真昼のような明るさの夏の旅であればこそのメリットです。『BAUD&MILLET』の看板が見えてきました。
左から見たお店の入り口です。右から見たお店の入り口です。
どっちから見ても同じですねぇ。。。
一階は酒屋さんのようでもあるし、そうでないようにも見えます。ドアを開けて中に入りますと、沢山のワインが雑然と置かれています。どれにも値札がついてありますのできっと売り物なのでしょう。パンフレットの解説によりますと、このお店は第二次世界大戦の折り、ニースの人々の避難場所として掘られた地下壕をそのまま利用しているそうです。面白そうですね。地下に降りていきます。
薄暗い階段を降りて地下室に入りますと、驚くべき光景に出会います。部屋の奥にはガラス戸で区切ったチーズ室があるのです。200種類は並べてあるでしょうか?木の棚には大小取り混ぜて珍しい種類のチーズで一杯です。そのチーズ室の外側には5−6個のテーブルが置いてありますが、未だ誰も座っていません。中央はちょっと狭まっていて、壁際にパンとパン切り用のカッターがあります。その奥はグループ用らしき席が設けられています。ここではコース料理など頂くのでしょう。さて、お店のマスターがメニューを抱えてやってきました。何でも105フラン出せば、チーズが食べ放題になるとか。。。『食べ放題!』の言葉に弱い私はすぐさまこれに決めました。
ワインは?というと、一階のワイン置き場から気に入ったワインを勝手にとってくればいいのです。私が選んだのはボルドーの赤で、重厚な味と素晴らしい風味を持っていました。お値段は100フラン程度でお店の中では安い方でしたが、これはとにかく最高に美味しかったです。もっとも、パンとロックフォールの組み合わせの妙も大いに貢献していますが。。。ちなみに、最初は何種類かチーズを試してみたのですが、なかなか癖があって、最後にはロックフォールばかりとっていました。チーズにパンにワイン。。。最高の組み合わせですね。これがあったら他には何も要りません。幸せな一時でしたぁ。。。
ガラス戸で仕切られたチーズ室です。中にはチーズ作りの道具も飾ってあり、なかなかいい雰囲気です。チーズをむき出しのまま棚に置いている訳ですから、温度も湿度もちゃんと管理されています。一番奥の棚にはフランス産の最上のブルーチーズである『ロックフォール』も置いてあります。何しろ、食べ放題なのですからナイフでガヴァと切り取ってお皿にのせます。
奥のグループ用の部屋です。手前の籠にはパンがぎっしり詰まっています。このパンは普通のフランスパンよりは柔らかく、ちょっとパサバサした感じですが、これがブルーチーズとは最高に合うのです。パンがなくなったら、カッターでチョキチョキと切って籠にとればいいのです。もっとも、そんなにパンを食べる人はいないでしょうけど(私以外は)。。。
ここはできれば秘密にしておきたいところですねぇ。
大満足でお店を出ましたらさすがに少し暗くなってきました。サレヤ広場は少し賑わいが減ってきていたものの、まだまだ沢山の人がお食事を楽しんでいます。もうお腹はパンでパンパンですが、プロヴァンスのお魚料理を未だ食べていませんでしたね。ちょっと寄っていきましょう。代表的なお魚料理は、サラダにいろんな魚介類をのせた何とかサラダというのだそうですが、チーズとワインの濃厚な味の後に、サッパリしたサラダとビールはなかなか合います。もうお腹の中はいろんな食べ物・飲み物でごちゃごちゃの状態です。
ちょっと腹ごなしに夜の海岸を散歩しましょう。夜の『プロムナード・デ・ザングレ通り』はなかなか風情があります。沢山の観光客が夜のそぞろ歩きを楽しんでいます。結構安全です。
朝になりました。ニースの朝市を見に行きましょう!旧市街は昨夜行ったのでスイスイと歩けます。でも、最初にお魚市に行こうとしたら道に迷ってしまいました。ぐるぐる歩いているうちに、酒屋さんがみつかりました。なかなか立派な酒屋さんですねぇ。ちょっと寄ってみましょう。お店の中はワインで一杯です。結構安いワインが並んでいます。カウンターの後ろには巨大なタンクが何個も並んでいて、ここで量り売りをしているようです。またしても、1リットル当たり8フランです。
そのうちに、おじさんが機関銃のような道具を持って来て、ワインを満たしたボトルにコルク栓を打ち込んでいきます。あっという間に栓打ち完了です。あまりの手際の良さに写真を撮らせて。。。とお願いしたら、結構お茶目な方で、ちゃんとポーズをとってくれました。
たまたま、量り売りのワインを買っていたおじいさんにお魚市の場所を聞くと帰り道だから連れていってあげるとのこと。ラッキー!入り組んだ道を少し歩いたところにお魚市がありました。マルセイユのお魚市と比べると規模ははるかに小さいですが、いろんな種類のお魚があって見るだけでも楽しいですね。
今度は野菜と果物とお花、その他の市が開かれているサレヤ広場に行きましょう。ここも大変な賑わいです。ちょいと果物を買っていきます。歩きながら食べましたが、新鮮で美味しいですね。ここでは、食べ物の他にもハーブとか雑貨も売られています。ニースに住んだら毎朝が楽しみですね。いや、昼も夜も。。。
朝市を楽しんだ後はいよいよ南仏の旅もおしまいです。ホテルからタクシーでニース空港まで行きます。オヤ、このタクシーはベンツ。。。ニース空港に早く着き過ぎたのでお昼を頂くことにします。いろいろとレストランを探したら、1階のセルフサービスのレストランにお庭がついているのが見つかりました。燦燦とした南仏の陽光を浴びながらリッチなランチを頂きましょう!勿論、小さいながらも白ワインも。。。ここのレストランは最高です。空港の敷地内にありながら、緑の芝生と真っ赤なテーブル、そしてカラフルなパラソルと、実に色鮮やかです。何を食べても美味しい筈です。
さて、たらふく食べたらパリへの飛行機のチェックインをします。でも、あまりにワインを詰め込んでいたので、バッグが重量オーバーになってしまいました。。。
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (赤) フランス: CHEVALIER PRESTIGE COTES DE PROVENCE (1998)
- 説明はありません。
18フランのプロヴァンスのロゼ・ワインでしたが、例の酒屋さんで買ったものです。
これが意外と美味しかったですね。冷や麦と一緒にお昼に頂いたらサッパリしてとてもよく合いました。
- (赤) フランス: DOMAINE GRANGE BRULEE BORDEAUX SUPERIUR (1996)
- 説明は多分なかったと思います。
チーズ屋さんで飲んだワインです。見るからにボルドーといった感じの重厚な赤でした。
これは、ブルーチーズとパンの貢献度を差し引いても最高の赤です。今回の旅行で飲んだ中では一番の当たりといっていいでしょう。
お店にラベルレコーダーを持ち込んでとりました。奇麗でしょう?
- (白) フランス: CELLIER DES DAUPHINS COTES DU RHONE (1998)
- 説明は多分なかったと思います。
ニース空港でランチと一緒に頂いた白です。
量は少なかったのですが、カッと照りつける南国の陽射しの下で飲むと超美味しいっ!
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