福岡・岩田屋
久しぶりに九州に行こうと思いますが、お盆の時期なので切符がなかなか手に入りません。どうしましょう?時刻表をあちこち探しているうちに、以前利用した新宿発福岡行きの夜行バスが見つかりました。4−5年前に一度利用して、もう二度と乗るまいと思っていたのですが、背に腹は代えられません。2週間前でありながら、バスのチケットですらも希望の日が予約できない状況では仕方ありません。希望よりちょっと早めの日ですが、何とか往復のチケットが入手できました。所要時間は飛行機の8倍以上もかかりますがお値段は半分です。お得でしょう!
でも、バスの旅もなかなか捨てたものではありません。昔、会社の出張でありながら手持ちのお金がなく、仕方なしにニューヨークからワシントンまでグレイハウンド・バスを利用したことがありますが、アメリカのいろんな面が見れて滅多にお目にかかれない面白い経験ができました。ただ、昼間の旅と違って夜行バスの旅は疲れます。夏の暑い時期であれば尚更です。バスの運行は東京側は京王バス、福岡側は西鉄バスが担当しています。井の頭線の永福町駅に隣接して京王バスの車庫がありますが、後部に『HAKATA』という大きな文字の書いてあるバスがそれです。背がやけに高いのは、1階部分が荷物入れと洗面室になっているからです。これが深夜の中央高速道と名神自動車道、それに中国自動車道を通って新宿から福岡までを14時間で結んでいる訳です。
よく、旅に出ると普段小食の人が呆れる位食べまくるのをよく見かけますが、あれは旅という独特の雰囲気が人のテンションを高めるからなのでしょう。普段から大食いの人は尚更のことです。夜行列車の旅であれば、食堂で温かいお料理を、車内販売の冷たいビールで喉を潤すという手もありますが、夜行バスの旅では好きな時に食料ならびに冷たく冷えたビールを入手するのは困難です。バスは深夜に諏訪湖、早朝に下松の両サービスエリアに20分程停車しますが、とてもレストランでお食事をとる時間はありません。また、アルコールも売られていないので(と思いますが)、ホットドッグやジュースを買い込むのがせいぜいです。それも、23時には座席がカーテンで仕切られてしまいますので、後は冷房の風が届かない座席で寝るしかありません。
前回の旅でそんなことが分かっていましたので、今回はバスに乗る前にたらふく食べ、お腹一杯ビールを満たしておこうと思います。福岡行きのバスは、新宿駅西口にある京王バスセンターから出発します。ここは中央道方面への長距離バスの発着所でもあります。出発まで2時間ほどありますので、近くの飲み屋さんを探しましょう。旅の前に汗はかきたくありませんので、蒸し暑い地上を避け地下の飲食街を見てまわります。さすがに新宿だけあっていろんな食べ処・飲み処がありますね。中に1軒のイタリアン・レストランがありました。美味しそうな軽いおつまみとよく冷えたビールが私を手招きしています。吸い込まれるようにレストランの中に入りました。お勤め帰りでしょうか、はたまた待ち合わせでしょうか、そんなに広くもない店内はお客さんで一杯です。空いているテーブルに案内され、早速ビールを注文します。中ジョッキでしたが、冷たく冷えて美味しかったのか、喉が渇いていたのか、殆ど一口で飲み切ってしまいました。
単に飲むためだけならさっと飲んでさっと帰ればいいのですが、なにしろ出発までの2時間を潰さないといけません。中ジョッキではもちませんので、今度はピッチャーにします。ついでにおつまみを何種類か頼みます。ここのおつまみは種類が多く、一皿のお値段も手頃です。おまけに魚介類などイタリアンらしい味がしてなかなか美味しいですね。テーブルを埋め尽くす小皿とピッチャーでちょっといい気分になってきました。今度はワインにしましょう。メニューを見ますとフルボトルのイタリアワインが2000円もしません。居酒屋以下ですね。飲んでみましょう。よく冷えた白ワインはさっぱりとしていて、魚介類のおつまみに良く合います。スイスイ喉を通っていきますね。。。と飲み続けていたら白がなくなってしまいました。まだ時間がありますねぇ。。。無謀にも、更にフルボトルの赤ワインを頼みます。こちらもイタリアらしい軽い味です。さすがにちょっと飲み過ぎたようですねぇ。時間も丁度いいのでバスに乗り込みましょう!フラフラ。。。
バスは21時に出発します。お盆の時期とあって、全部で4台に増車されています。14時間も高速道路を走り続ける訳ですから、バス自体もなかなか豪華です。高い階段を上ってバスの中に乗り込みますと、座席は両窓側と中央の3列になっています。夜間は寝る訳ですから座席は当然リクライニング・シートです。ちょっと前後に狭いことを覗けば、飛行機のエコノミー席よりは余程マシです。バスの中には洗面室と給茶機と電話が備わっています。従って、乗車前に心置きなくビールを飲めるという訳です。給茶機にはコーヒーも備わっていますが、こちらはどうも。。。景色を楽しめるような高速道路はあまり通らないので、車内には運転手席後ろと中ほどの給茶機の横にテレビが備え付けてあります。バスはいろんな方向に動きますから当然テレビ番組の映りは悪いです。頃合いを見計らってビデオが上映されるのですが、大して面白くありません。行きは全然見なかったのですが、帰りに『SPEED 2』がありました。映画を見逃していたのでラッキーと思ったら、前の席に頭の大きな落ち着かないお兄さんが座り、しょっちゅう目の位置を変えないといけません。あまりに見難らいので横の位置にあった給茶機の上のテレビを見詰めていたら首がおかしくなってしまいました。。。
お休みタイムに入る前に、バスは諏訪湖サービスエリアに停車しました。お手洗に行ったらもう時間がありません。ふと見つけた600円のチーズ入りの巨大な竹輪を買い込んでバスの中で食べたらあまりに量が多く、お腹が痛くなってきます。諏訪湖を出ますと、乗務員の方がカーテンで座席を仕切ります。席の前後左右がカーテンで仕切られますので当然空気の流れが遮られてしまいます。これから7時間は寝苦しい夜になります。シドニー・シェルダンの『The Chase』でマサオ少年がニュージャージーからロスアンジェルスまでトラックの荷台に潜んでいたようなものです(実際はインディアナで荷台から降ろされましたが)。単調なエンジン音と絶え間ない振動、それに空気のよどみでなかなか熟睡できません。それでも、タローおじさんの魔の手がないだけでも幸せと思いましょう。。。
翌朝7時位にカーテンが開けられますと、外は緑の野山が広がります。さあーーー、と歯磨きに行けないところが辛いところです。暫く走ってやっと山口県の下松サービス・エリアに到着です。バスを降りて洗面所に急ぎ、冷たい水で歯を磨き、顔を洗ったら少しはスッキリしました。カーテンがないと空調が再び効くようになり、外の景色と併せて気分も良くなります。福岡まではもうすぐです。
殆ど定刻に福岡の中心地である天神バスセンターに到着しました。ヘロヘロになってバスを降ります。ここで2時間後に再びバスに乗り、島原を目指します。その間サウナでも浴びれば気持ちがスッキリするのでしょうが、バスセンターの近辺は福岡でも指折りの繁華街でもあり、簡単には見つかりそうもありません。ぶらぶらと通りを歩いていましたら、さすがにここは九州だけあって暑い!涼を求めてデパートに入ったらやっぱりお酒売り場に足が向いてしまった。。。
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (白) 長崎: 長崎びわワイン
長崎のロマンが香るびわワイン
その気品あふれる姿と、芳潤な味と香りから果物の女王とまでいわれるビワ。特に『枇杷の里』長崎県三和町特産の『茂木ビワ』は、豊かな自然の中で真心込めて育てられた最高級のビワとして知られています。『長崎びわワイン』は、厳選された三和町のビワを原料として生まれた手作りの天然醸造ワインです。その優雅でまろやかな味をお楽しみ下さい。
長崎県 三和町 川原大池 『阿池姫』の伝説
今から千年も昔、川原の領主高満は、この地の楠の大樹で船を作った。ところが海に引き入れようとするが、びくとも動かない。そこで幼い頃からこの大楠をこよなく愛した美しき我が娘『阿池姫』を乗せたところ、船はたちどころに動き出した。しかし、そのとたん雷鳴が轟き、地は裂け、大暴風雨の果て一面一里四方の池となり、娘は船もろとも沈んでしまった。それが神秘とロマンに満ちた現在の川原大池であると語り伝えられている。
せっかく九州に来たので何か珍しいワインはないものかと探していたら、このワインが見つかりました。いままで、ブルーベリーとかキウイとか、果てはライチとか、葡萄以外のいろんな果実のワインを飲んできましたが、果実本来の美味しさを活かしたワインは少なかったようです。枇杷は長崎の特産品ですが、さあ如何でしょうか?
飲んだ感じは梅酒に似ていますねぇ。。。やはり、枇杷のあの風味をワインに封じ込めるのは難しいのでしょうか?
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