武蔵小山・大田屋



東急目蒲線は読んで字の如く、目黒と蒲田を結ぶ路線です。東京でも深南部の住宅地を走っているため、沿線には庶民的な暮らしが見えます。このあたりには昔からの商店街が多く残っていて、今でも地域の人達とのつながりを大切にして賑わっています。中でも武蔵小山駅前から伸びる『PALM:パルム』商店街はアーケード式の屋根を最初に取り入れたところとして知られています。一つ一つのお店は小さいものの、ありとあらゆる種類のお店が軒をつらねています。本当に歩いているだけで楽しくなってくるところです。駅前には手軽に食べられるたい焼き(?)などが売ってあり高校生のお兄さん達が帰宅前の腹ごしらえをしています。駅の反対側には進学校として知られた小山台高校があり、昼間は校庭からスポーツの歓声が聞こえます。お腹も空くわけです。駅前の路地裏には情緒豊かな飲み屋さんが沢山軒をつらねていて、夜ともなると今度はお父さん達で賑わっているようです。単にお買い物だけでなく、食べる処も飲む処も充実しているところが武蔵小山商店街の良いところではないでしょうか。

商店街の中ほどに小さいですがビール・日本酒・ワインで溢れている酒屋さんがあります。一応ディスカウント店のようなのですが、さすがにこのあたりに住む人のレベルに合わせてか、中の上あたりのワインを中心にならべられています。お店の方はかなりワインに詳しいらしく、ワインの解説も非常に丁寧に書かれています。ちょっと奮発していいワインを買ってみようという時には是非入ってみて下さい。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) フランス: COTEAUX DU LANGUEDOC (1996)

このワインは、生産者が葡萄栽培から醸造・瓶詰めまで丹精こめて行い、生産量も限られた手造りの逸品です。地中海沿岸の伝統品種を用いた深い赤色、豊かな香りがあり力強いしっかりとした構成の赤ワインです。数年は熟成する力があります。16℃位で頂くとよいでしょう。赤身肉やチーズに合います。生産者は、ラングドック・ルーション地域にある『シャトー・サン・ジェルマン(CHATEAU SAINT GERMAIN)』という自家葡萄園元詰のワインを造っているところです。。使われている葡萄の品種は、シラー/サンソー/グルナッシュです。メディアムボディの味をお楽しみ下さい。

大田屋さんで最もお勧めのワインだそうです。『お勧め』というのは勿論お値段の割にはという意味でしょう。いわゆる店頭モノのワインでしたが、『自家葡萄園元詰』というところが気にいりました。NHK教育テレビの土曜日夜8時からの『未来潮流』で『モノづくりの未来』というタイトルの番組を見ていましたら、最近の電子製品製造工場ではいわゆるベルトコンベアー式の生産方法でなく、一人の作業者が製品組み立ての全てを担当するという方法が普及し出してきたのだそうです。前にもスエーデンにあるボルボの自動車工場でやはり同じような生産方法を試行しているということを聞いたことがあります。ベルトコンベアー方式は、人間の持っているさまざまな能力を極限まで抑えて型にはまったやり方だけを最大限に使おうという発想だそうです。これに対して、一人で全ての工程をこなすことは工程の全てに目が行き届くことになり、人間の持つ臨機応変の対応能力を活かすと共に、製品に対して自分が作ったのだというモノ作りの喜びが得られるため、生産性は向上し逆に不良品は激減しているそうです。

これは驚きました!このお値段でフランスワインの良さをここまで備えているとは!実に柔らかで奥行きの深い味です。この『柔らか』という表現は飲んでみないと体感できないでしょう。買い込んでからひと月寝かせてあったのですが、その間に更に熟成が進んだという感じです。このワインには何もおつまみは必要ありません。私は最近はやりの『キムチ焼きウドン』と一緒に頂きましたが、キムチの刺激的な味わいとワインの柔らかい渋味がちょうどマッチして絶妙な美味しさでした。室温でも冷やしてでも結構です。ワイン好きのお友達に紹介しても絶対に恥はかきません。それにしても、さすがに武蔵小山ですね。ワインのレベルの高さには脱帽です。











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