上野毛・きむら屋酒店





東急大井町線の上野毛駅は環状八号線に面した小さな駅です。少し前までは改札口も自動ではなく、駅員さんがキップを切っていました。別に人里離れた場所に位置しているのではなく、むしろこのあたりは高級住宅地として知られているところです。引越し大好き人間の私も、さすがに上野毛には住んだことがないので朝夕どの位混雑するのかは分かりません。それはどうでもいいことですが、改札口から環八をぐるっと見渡しますと以前から気になっていた酒屋さんが見えます。何となく洋風っぽいのです。きっとワインも揃っているに違いありません。



歩道を渡って、左手に見える大きな回転寿司のお店の誘惑を振り切って目指す酒屋さんの前に来ますと。。。感動!お店の外に並べられた箱に入っているワインがなかなかの品ながら安いのです。目玉商品といえばそれまでですが、それにしても安いです。これだけでも普通のお買い物には十分間に合いますが、中に入ってまた感動!お店の奥の棚に寝かせられたワインの数々。一本一本にはちゃんとした説明書きが添えられていて、お店の方の情熱が伝わってくるようです。10本ばかし興味を引いたワインがあったのですが、全部買ったら重くてとても持ちきれません。とりあえず、2000年問題へのささやかな対策として4本を買い込みました。それにしても、2000年問題への対応のための備蓄用品にワインが含まれないのは何故なのでしょうかね?

ここのお店では馴染みのお客さん向けにミニミニ通信をやっておられるようです。自作(?)の挿し絵と共に、ワインや葡萄の解説が丁寧に書かれています。そのせいかお客さんもお店の方を信頼されている様子で、贈り物用のワインを選んで頂いているようです。地域に根付いた酒屋さんというところでしょうか。




私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) イタリア: BARONE CORNACCHIA MONTEPULCIANO D'ABRUZZO (1997)

『バローネ コルナッキア モンテプルチアーノ ダブルッツオ』は、しっかりとした濃い赤色で、力強さ、たくましさ、しなやかさ、なめらかさのあるミディアムボディの赤ワインです。『バローネ コルナッキア』は国内外で評価の高い生産者の名前、『モンテブルチアーノ』は使われている葡萄の品種、『アブルッツオ』は生産地の州の名前です。赤ワイン好きにとってはまさしく掘り出し物です。

このワインは、イタリア銘醸ワインに選ばれています。これは、『自家葡萄園元詰めのワイン』の意味で、生産者が葡萄栽培から醸造、瓶詰めまで丹精込めて行う、生産量も限られた手造りの逸品です。

あまり安いワインばかし買い込んだので、少しは値の張るものを。。。と思ってこのワインを選びました。でも、1300円もしないのですけど。。。

素晴らしいワインは人間の三感に訴えると言います(誰が言った?)。このワインも正にその通りです。コルクの栓を抜きますと、芳醇な醸造の香りがします。色は濃く泡立ちも豊かです(泡立ちとはスパークリングの泡と違って、グラスに注いだ時に液面に立つ泡のことです)。一口含みますと、豊かな味わいです。さすがに丹精込めて造られたワインだけのことはあります。ここまで感動できるのも葡萄の全てを活かした赤ワインだからこそ出来るのでしょう。



(赤) フランス: VIN DE PAYS D'OC CABERNET SAUVIGNON (1997)

『ヴァン・ド・ペイ・ドック カベルネ・ソーヴィニヨン』は、ワインの国際コンクールで数々のメダルを受賞したミディアムボディの赤ワインです。厳選された葡萄を使い、15%は米国産オーク材の新樽にて熟成させるなど、正にこだわりの逸品です。カシス、チェリー等を思わせる若干スモーキーさを伴なった心持ち良い複雑さと、上品で新鮮なフルーツのような奥深い味で、タンニンを含むソフトな仕上がりです。16℃位が飲み頃です。

このワインには、冠のデザインが入った金メダルの図柄のラベルが貼られています。金賞をとれば美味しいワインという訳ではないでしょうけど、まあ一つの目安にはなりますね。審査員になったつもりで賞味してみましょうほどに。

金メダルに値するかどうかは定かではありませんが、割としっかりとした味です。ミディアムボディから少しフルボディに近いタイプでしょうか?色も濃く泡立ちも濃厚なのですが、味はそれ程凝縮していないようです。軽いお肉料理と合わせると十分美味しく頂けます。デイリーワインとして宜しいのではないでしょうか。



(白) フランス: GENTILHOMME COTES DU RHONE (1998)

コート・デュ・ローヌの銘醸家であるOGIER社は、シャトーヌフ・デュ・パプ(法王の新城の意)に本拠地を置く伝統的ワイン生産者です。『太陽の暖かみを感じるワイン』、『豊かな酒質』、『完熟した果実味』とその素晴らしい個性を楽しませてくれます。フレッシュでフルーティな心地よい香りと柔らかく、穏やかな酸味がとてもバランスのよい辛口の白ワインです。少し冷やしてお飲み下さい。

1999年の私のハイライトは何といっても南仏プロヴァンス旅行です。中でもシャトーヌフ・デュ・パプゥは一番印象深かった場所で、もう30回位は吹聴したでしょうからもうそろそろ聞き飽きた方もおられると思います。でも、まだまだこんなもんじゃーーー終わりませんよぉ。。。

ごくフツーの白でした。でも寒い時期は殆ど赤を飲んでいるもので、久しぶりに飲んだ白、それもコート・デュ・ローヌの白ワインはとても新鮮に感じました。寒の入りをした後も、ふと訪れる寒さの緩む日におでんでもつつきながら白ワインを楽しむのもまた風流な趣があります。





(赤) フランス: JEAN DUPORT COTES-DU-RHONE ROUGE (1997)

『ジャン・デュポー コート・デュ・ローヌ』は、燦燦と照りつける南の太陽を一杯に浴びて生まれた南仏を代表する高級ワインです。ワインの中にも太陽の暖かさが感じられる香り豊かな個性派のフルボディで辛口の赤ワインです。

高級ワインの割には驚異的な安さでした。隠れた銘醸ワインなのか、それとも。。。

辛口とのことですが、飲んだ感じは軽やかでとてもサッパリしています。軽いワインには味そのものも軽くてちっとも美味しくないものがありますが、これなどは軽さと美味しさを兼ね備えています。こういう赤ワインは飽きがこないので、日常のワインとして何時までも楽しめます。これがコート・デュ・ローヌの赤ワインの特徴なのでしょう。













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