綱島・お酒のアトリエ 吉祥





酒屋さんは駅の近くにあるとは限りません。最近見かけるお酒の大きなディスカウント・チェーン店などは、一度に沢山のお酒を持って帰れるようにということでしょうか、競って駐車場付きの巨大なお店を人里離れた山の中に。。。とまではいきませんが、駅から遠く離れた場所に出店しています。ワインをガバチョと沢山買う人はそんなにいないでしょうが、ビール党の方は量的にもっと飲む筈ですから車で行ける酒屋さんは便利でしょうね。こういう酒屋さんには特色ある面白いお店が多いのですが、普段あまり見かけないものでその存在を知る機会が殆どありません。この吉祥さんは、昨年暮れの『激安・旨安年末年始の週刊現代ワイン100本』特集に紹介され、興味はあったのですが東横線の綱島駅から更にバスに乗らなければ行けないような場所にあるので行くのは躊躇していました。ところが世の中はインターネットの時代。週刊現代に掲載されたアドレスをチェックしてみましたら、昔よくバスで通ったあたりにお店があるではありませんか!何か運命の糸に結び付けられているような気がします。これは行かねばなりますまい。

丁度3連休の間のヒマな日曜日だし、ちょっと寒そうですがお散歩がてら行ってみようと急に思い立って(いつもそうなのですけど)いそいそとお出かけの支度をします。日曜日の朝はこれを見ないと落ち着かないという『熱々イタリアーナ』を見た後電車に飛び乗ります。綱島駅についたのは丁度お昼過ぎです。吉祥さんへ行くバスは結構本数がありますが、昔の記憶では歩いても大した距離ではありません。でもバスで行きましょう。朝夕は超渋滞する道ですが、さすがに日曜日のお昼時はガラガラです。あっという間にお店のあるバス停に着きました。何だか昔の風景とは随分変っていますね。山々の木々が薄くなり、代わりに立派な住宅が建っています。見晴らしはいいのでしょうけど、住むのはどんなものでしょうね。吉祥さんのお店はバス停から目と鼻の先に見えます。いわゆるディスカウント店の雰囲気とは違って、お洒落な酒屋さんに広い駐車場が付属したような感じです。お店の中に入ってみましょう。

お店は4つのスペースに分かれていて、入り口を入った手前がワイン関係のグッズやおつまみ類を揃えた部屋、その右奥に細長いウイスキーやリキュール類をならべた小部屋、真ん中はワイナリーから直接買い付けた本物志向のワイン売り場、そして一番奥には『しまや』さんも驚く日本酒のコレクションが並んでいます。ワインも結構な品々ですが、日本酒も大した品揃えです。大吟醸のオンパレードです。こういう超高級地酒にはまり込んだら大変です。ささと戻ってじっくりとワインの棚を見てみます。このお店のご主人はフランスを中心に海外のシャトーから直接ワインを買い付けておられるようで、とにかくワインに関する知識が豊富です。知識だけでなく、テイスティングも相当こなしているみたいで、どのワインにもそれなりの解説が付けてあります。田舎の酒屋さんと謙遜されていますが、なかなかどうして凄い実力派の酒屋さんです。フランスの本物の地ワインを飲みたかったら吉祥さんへお出で頂くのが一番だと思いますよ。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) フランス: DOMAINE ST MARTIN DE LA GARRIQUE CUVEE RESERVEE (1997)

私達、クオリティーストアが買い付けた拘りのワイン


『ドメーヌ・サンマルタン・ド・ラ・ガリッグ キュベ・レゼルヴ』は、名醸造家ザバリアさんお勧めの自信作です。カベルネとメルロ主体のやわらかでやや辛口ですがコクのある赤ワインです。イギリスの専門紙で月間ワイン大賞を受賞しました。

奥の棚のワインはかなり高級な品々が多かったので、比較的お手頃な真ん中の箱入りワインをチェックしてみました。このワインは特に『コク』が強調されていましたし、イギリスの専門紙で評価されたとのことですので悪くはないようです。結構掘り出し物かもね。

このワインが専門家に評価されたというのは何となく分かる気がします。辛口かどうかは意見の分かれるところでしょうけど、まろやかでコクのある通好みの味といえます。派手さはありませんが、飲むほどに深紅色の液体を通して生産者の熱い思いが伝わってきます。こういう知られざる名ワインは地道にワイナリーを探し回りながら見つけ出すしかないですね。



(赤) フランス: CABERNET SAUVIGNON VIN DE PAYS D'OC (1998)

シャトーから直接買い付けられたのでしょうか、何も解説はありません。

吉祥さんでは、辛口の白、甘口の白、赤ワインの各部門で月間のランキングを発表しておられるようです。このワインは、赤ワイン部門で月間ランキング1位になったと書いてありました。そんなに高くはなかったのですが、お勧めのワインには違いありません。どんなものか試してみましょう。

グラスに注ぎますと、澄み切ったとても美しい深紅色をしています。冬晴れの太陽にかざしますと(コラコラ、昼間っから飲んだりして。。。)、その輝きが一層増します。口に含みますと、豊かなコクと共に梅とか桃に似たほのかな香りがするのです。でも、懐かしい香りなのですが何の果実だか思い出せません。こういった優雅なワインはスイスイと飲むには勿体無さ過ぎます。繊細な味を楽しみつつ、ちょっとしたおご馳走と一緒に頂きたいものです。ところで、これもフランスのワイナリーを回って集められたワインのひとつでしょうか?そんなに高くはなかったのですが、さすがに確かなセレクションです。それにしても、このようなワインを売り上げ第一位にするとは、吉祥さんのお客さんも大した実力の持ち主ですね。











戻る