梅丘・中升商店
はーーーるよ来い、はーーーやく来い!2月に入るとさすがに寒い毎日が続きますね。でも、こういう日々にも確実に春の訪れを感じさせるものがあります。土筆(つくし):都会ではなかなか見れませんが、太陽に誘われて枯れた冬草の間からニョキと頭を出すところが何とも言えず可愛いですね。鰆(さわら):私にはサヨリの方が早春にピッタリしていると思うのですが、字体からするとやっぱり鰆ですかね。入学試験:これは思い出したくもないですねぇ。。。そして梅!春爛漫のむせ返る季節に咲き誇る豪華で華やかな桜に比べ、梅の花は早春の冷涼な頃から春を実感できる時期まで息長く咲き続けます。決して華やかではありませんが、か細く可憐な梅の花は人の心の中に春を呼び込みます。
ところで、東京の梅の名所といったら何処になるのでしょうかね?近所の家のお庭にも梅の木は見かけますが、せいぜい一本か二本です。都心ではなかなか梅林と言えるような規模のところは少ないようです。そんな中にあって、世田谷の『梅丘』は貴重な都心の梅の名所として知られています。小田急線の梅丘駅の直ぐ近くの羽根木公園の中に梅林がありますので、お散歩の感覚で行くことができます。特に毎年2月中旬から始まる『世田谷梅祭り』には大勢の梅見客が訪れます。
羽根木公園は梅丘駅の北口に広がる都会のオアシスです。周辺は世田谷の閑静な住宅地ですが、公園内にはスポーツ施設や図書館なども充実していますので、梅の季節に限らず何時も賑わっているようです。ところで、梅丘駅のホームには上下線の連絡通路がありません。新宿方面から下り電車を利用して来られる方は、一度南口の改札口を出て地下道を通り北口に抜けなければならないのです。でも、遠回りするメリットはあります。観梅とは云ってもお花見ですからお弁当位は持って行きたいですね。北口には殆どお店がありませんので、南口の商店街を利用してお弁当を調達します。旨い具合に、南口の斜め先にお寿司屋さんが見えます。羽根木公園と並んで梅丘の二大名物である『美登利寿司』です。本店は通りの先にあるらしいのですが、駅前には支店とテイクアウトのお店があります。お寿司屋さんの方はテレビのグルメ番組でもお馴染みのように、何時も行列の絶えることがありません。以前から興味がありましたので、どんなお店かな?と行列の間から覗いてみましたら、狭い店内にはお客さんが溢れています。サンプルの握りを見ましたら、結構ネタが大きく食べ応えがありそうです。ちょっと試してみたかったのですが、一時間は行列に並ばないと目指すお寿司にはありつけないようです。諦めて隣にあるお持ち帰り店の方を見ますと、こちらも7−8人位の行列ができています。折角ですが、美登利寿司のお寿司はまたの機会にしましょう。。。
お花見にはお弁当と共にお酒もつきものです。美登利寿司とは反対側に100m程歩きますと、バス停の先に酒屋さんが見えます。そんなに大きなお店ではないのですが、表には結構な本数のワインが木箱に入ってお客さんを待っています。驚いたことに、どんなに安いワインでもセロハンの袋に入っているのです。以前にも三軒ほど袋詰めのワインに拘っておられるお店をご紹介しましたが、袋代もかかるでしょうし、一本一本袋詰めする手間も結構なものと思います。それだけお客さんのことを思っておられるのでしょうね。こういうお店は品揃えも確かなのです。入ってみましょう。店内のワインも殆ど全て袋がかけられています。清潔でいいですね。手にとって眺めていたら、ご主人が『そのワインはこれこれこういう味なんですよ!』とアドバイスして下さいます。なかなかワインに詳しいようです。最近、単にワインを売るというだけでなく、ワインそのものに情熱を持った酒屋さんが増えてきたように思います。ワイン好きには嬉しいですね。
結局、お花見用のお酒を買うこともなく自家用にワインを一本だけ買い込んで羽根木公園に急ぎます。公園に通じる小道は観梅の人達で一杯です。祝日のせいか家族連れが多いようです。公園の入り口から丘の上に向かって小さな階段があり、両側に梅の木が沢山植えられています。未だ時期が早いせいか、つぼみの木も多いようです。それでも2−3分咲きの梅の木を熱心に写真に撮っている人達もいらっしゃいます。梅の木の下では敷物を広げてお弁当を食べている家族連れもチラホラ見えますね。でも、狭い場所の上に子供たちが周囲を走り回り、あたりはもうもうたる土煙りが立っています。おちおちお弁当なぞ食べられたものではありません。丘の上には地元商店街の方々が屋台を出されていますので、ちょっとした食べ物にはありつけます。概してこういった屋台の食べ物は高くつくのですが、ここでは庶民的なお値段で買うことができます。食べ物だけでなく、お土産品とかお花とかも売られています。お花屋さんのところには沢山の人だかりがしています。さすがに世田谷のこと、『ダンゴよりお花』ですかね。
たこ焼を一皿食べたら早々に退散します。丁度この日に恵比寿ガーデンプレイスで『国産ナチュラルチーズフェア』が開催されていて、あの田崎真也さんのトークショーが予定されていたのです。テレビではお馴染みですが、本物の田崎さんを見るのは始めてです。ちょっとバブリーな『ザ・ガーデンホール』2階の大広間には、国産チーズメーカーが20社以上も出展していて盛況のようです。どのコーナーでもチーズが試食できます。量は少ないのですが、何しろ種類が多いので結構お腹が一杯になります。チーズだけでは物足りないので、併設のコーナーでグラスワインをゲットします。ワインは勿論有料ですが、チーズは幾らでも手に入るのでおつまみには事欠きません。会場内に作られたキッチンスタジオの前の椅子に腰を掛け、田崎さんの出番までワインを飲んだりチーズをつまんだり。。。
やがて時間になり田崎さんが演壇に上がられます。ソムリエ服をビシッと決めて、テーブルにワインを並べて試飲しながらお話しをされるのかと思っていましたら、残念ながらお話だけでした。でも、さすがに講演には慣れておられるようで、まる一時間の間機関銃のように間断なくお話が続き聴衆を飽きさせることがありません。お話の内容は、ワインやチーズは勿論ですが、ご自身のワインの修行話も織り交ぜながら、お勧めの常識人にはミスマッチと思えるようなレシピの数々も披露されました。会場には女性の方が多く、熱心にメモを取っておられました。きっとあの後で実際にレシピを試され、満足された方もそうでなかった方もいらっしゃるのではないかと気になります。。。
チーズの後には和食が欲しくなります。今夜はチャンコ鍋でも頂きましょうか?チャンコといえばお相撲さん、お相撲さんといえば両国国技館ですね。両国の周辺にはチャンコ屋さんが多いのですが、中でも人気力士『寺尾』のお兄さんが経営されるお店は有名です。名前が知られているだけでなく、お料理も美味しいので予約しないとなかなか入れません。両国駅から歩くと10分ほどかかりますし、場所も分かりにくいのでワンメーターで行けるタクシーが便利です。どうしても歩いて行きたい方は、両国駅の東口改札口を出て高架下の小道を錦糸町寄りに進み、巨大な江戸東京博物館を左手に見ながら清澄通りを北に進み、横網一丁目(ヨコアミであってヨコズナではない)の交差点を右折し、二葉小を左折すると直ぐ先に見えます。
表には『相撲茶屋 寺尾』の巨大な暖簾がかかり、店内も寺尾一色です。写真から飾り物に至るまでテラオ・テラオの大合唱です。でも、家族連れのお客さんが多いためか、店内の雰囲気は普通の居酒屋のような感じがします。寺尾の名物料理がチャンコ鍋であるのは勿論ですが、作り方には味噌仕立てと醤油ベースの2種類あって、出来れば醤油汁の方を頂きたいものです。大きな鉄鍋にたっぷりと入った汁は真っ黒でとても辛そうですが、実際はそのままでも飲めるほどマイルドです。ここに大きな擂り鉢に入った具を入れていきます。鶏のすり身は塊で入っていますのでお客さん自身が団子状に丸める必要があります。量は多いのですが、以外とあっさりした味なので幾らでも食べられます。最後にうどんすきにして締めくくります。時々寺尾関も見えるそうですから、運が良ければ一緒にお食事できるかもしれませんよ!
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (白) ニュージーランド: CORBANS ESTATE CHARDONNAY (1998)
- 『コーバンズ エステート シャルドネ』と言います。最初は気づかなかったのですが、日本語表示のラベルの下にオリジナルの説明文を見つけました。苦労して剥ぎ取ったら次の説明が書いてありました。
An elegant and approachable range of wines to complement your lifestyle. A ripe fruit driven Chardonnay displaying rich melon and citrus flavours with oak maturation adding a creamy toasty finish. Enjoy slightly chilled on its own or pair with flavoursome white meat, seafood and pasta dishes. May be cellared for up to 3 years. [Refer http://www.corbans.co.nz]
店内にはいろんなタイプのワインが並んでいたのですが、普通のお店では結構お値段の張るニュージーランド産のワインがここではとてもリーゾナブルでした。出来れば、赤・白セットで買いたかったのですが、ちょっと立ち寄るところがあって一本だけにしました。そろそろ春の兆しが感じられる今日この頃ですが、そうなるとお刺し身に白ワイン。。。なかんずくサヨリにシャルドネなんか恋しくなります。あぁ、春よ来い!サヨリよ来い!ワインも来い!梅の一輪でも添えて風情を愛でつつワインを楽しみたいものです。
余計なイヤ味のない、とっても素直な白です。僅かにキューイのような果実の甘さと酸味が感じられますが、殆どプレーンと云ってもいい位です。ニュージーランドの白は特徴のないことが特徴のようです。やはり、寒暖の差が小さい気候のせいでしょうか、ワインにも荒々しさが感じられません。上品な味を好まれる方にはお勧めだと思います。
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