小淵沢・自動販売機



小淵沢は、新宿から中央線の特急で2時間余りの山梨県北西部にある小さな町です。駅前には食堂とかお土産物屋さんのお店が何軒か並んでいるものの、町中は至ってのんびりしています。ちょっと歩くと畑や林が散在し、周囲は山頂に雪を頂いた南アルプスの山々に囲まれています。でも、駅前にはこういった雰囲気と不釣り合いな若い女性の姿が見られます(昔そうだった方もいらっしゃいますが)。小淵沢は小梅線の始発駅でもあり、その沿線には若い女性に人気の清里や多くのリゾート施設があるからなのでしょうか。



小淵沢は、乗馬の里としても知られています。NHKの大河ドラマで合戦シーンなどがあると、大抵出演者リストの中に『協力:小淵沢町の皆さん』というタイトルが見られます。戦国の昔、甲斐の武田信玄率いる騎馬軍団が周囲の国々を席捲しましたが、今でもこの辺りには乗馬用の馬が多く飼われているそうです。そういう訳で乗馬を楽しむために小淵沢を訪れる方もまた多いようです。

駅前には観光客向けの小さな食堂が何軒かあります。小梅線からの乗り換えとかリゾート施設のバスで送られて中央線の特急電車を待つ観光客にとっては、狭い駅の待合室で立ち食いのお蕎麦や『元気甲斐』のお弁当を食べるよりも、小皿ではあってもモツ煮込みをつつきながらビールの一杯でも飲んで時間を潰す方が余程いいのでしょう。そんな食堂の中に、山里にはおよそ似つかわしくない『入船』という看板を掲げたお店があります。一階がお蕎麦屋さんで二階が喫茶店になっています。何ということもない小さなお店なのですが、駅の真ん前に位置しているためか、結構お客さんの出入りがあります。



さすがに寒い土地柄のせいもあってか、入り口のガラス戸は2重になっています。ただ、その間隔が極めて狭いために、人が出入りすると両方とも同時に開いてしまうので、あんまり効果はありません。その上、入り口の近くに席を取りますと、お店のおばさんがお客さんを呼び込むためにしょっちゅう出入りし、その度に外の冷たい風が吹き込んできて冷たいビールがますます冷たく感じられます。それはそうとして、お店の一方の壁には賞状が溢れています。飲食店に調理師の免状とか保健所の証明書とかが飾ってあるのは当然ですが、何故かこのお店には食堂とは関係のない珠算の認定証とか競技会の賞状とかも飾ってあります。余程賞状が好きなのか、子煩悩なご家族なのでしょう。

もう一方の壁には、これまた有名人の寄せ書きが隙間のない程貼られています。大河ドラマの撮影に訪れたのかテレビ関係者の方が多いようです。何でも『徳川三代』の撮影のために、この近くに大規模な館のセットが建てられたとかで、どうせなら電車待ちの観光客に解放すれば面白い名所になるかもしれませんね。

おっと、ワインの紹介をしないと。。。例によって、小淵沢の酒屋さんを探して駅前を歩いてみます。小さな酒屋さんはあるにはあるのですが、日曜日のせいかお店は閉まっています。駅のまわりをグルーーーッと回ってみたのですが、開いている酒屋さんは見当たりません。残念ながら諦めましょうか。。。と思った時に道端にお酒の自動販売機が見つかりました。山梨なら自動販売機にワインがあっても不思議ではない!と思ってよくよく見たら、やはりありましたねぇ。何でも小渕沢の地元のワインだとか!買わなくっちゃ!早速お値段をチェックしたら1350円なり。千円札と硬貨を入れてボタンを押したのですが、なかなか出てきません。ヒエーーーッと思いつつ、あちこちボタンを押しまくって諦めかかった頃、ドスンと音がしてワインが出てきました。難産の子は大物になると言いますが、さてこのワインはどんな味がするのでしょうか?



私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) 山梨: こぶちさわワイン 高原の乙女

このワインは、赤ワイン用原料として最高の評価のある欧州系醸造品種カベルネソービニヨンを主体に醸造したオリジナルワインです。原料の持つアロマと熟成による豊かなブーケを持ち、繊細な旨みと優雅な香味が楽しめます。自然の恵みと時間の編み上げた味わいが時の偉大さを感じさせてくれる、そんなワインです。美味しくお飲み頂くために、軽く冷やして下さい。また、直射日光を避け、横にしてコルクを浸し保存下さい。

なかなかロマンチックな名前なのですが、中味はしっかりしているようです。久しぶりの甲州ワイン!楽しみです。

正直言ってあんまり期待してはいなかったのですが、ヨーロッパ系の本格的な赤ワインにも負けない位の豊かなコクがありました。今ほどワインにお金を使わなかった頃は、よく紙パックに入った1.8リットル入りの国産ワインを飲んでいましたが(輸入ワインも混じってはいたようですが)、その頃の甘口で薄かった赤ワインの味とは大違いです。こういうワインが日本でも造られるようになったとは素晴らしいことですね。











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