On Nut・7ELEVEN
初めて訪れた街を観光するには、最初に半日位のツアーに参加して、その街の雰囲気を掴むのが一番です。いきなりガイドブックを手に街中に出かけても何が何だか分からないうちに時間だけが過ぎてしまい、あまり効率的ではありません。半日のツアーなら全部は無理ですが、その街で有名な観光スポットの2−3ケ所は回れます。そのついでに街の雰囲気と距離感がある程度掴めるのです。これが自分で歩き回る時にとても役に立ちます。今回はバンコクに到着した翌朝、3時間程のツアーに参加しました。ツァーの内容はページ・サイズの関係で『ISETAN編』に含め後日ご紹介致します。また、このツアーから戻った午後にチャイナタウンあたりを歩き回ったのですが、この内容は『Tops編』でご紹介致します。
さて3日目になりました。今日は地球の歩き方を読んで興味を持った2ケ所を訪れます。最初はチャオプラヤ川の北西岸トンブリー地区にある『シリラート病院』です。別にバンコクで食べ過ぎてお腹が痛くなった訳ではありません。この病院の中には、『法医学博物館(シーウイー博物館)』と『解剖学博物館』があるのです。地球の歩き方には写真付きで紹介されていますが、何となく恐そうなそれでいて興味引かれる博物館です。地図で見ますとホテルからチャオプラヤ川を登ったところにその病院があります。距離的には大したことはありませんが、船で行く勇気はありません。ま、回り道しても大したことはないだろうと思いタクシーで行くことにします。事前の資料で、バンコクには法外な料金を要求するタクシー・ドライバーがいると散々脅かされていましたので、安全をみてホテルでタクシーを呼んでもらうことにしました。
ところがホテルの係員はシリラート病院の所在地を知らない様子。。。地図を広げてタイ語の表示を見せてもなかなか分からないようです。あちこち電話してようやっと場所の見当がついたのか、タクシー乗り場で待つように言われました。ほどなくちょっと高級そうな車が到着しました。運転手さんは珍しくも白い帽子を被っています。どうも期待していたボロッチイ街中のタクシーでなく、並みのハイヤーのような感じです。こういった車は行き先によって決められた料金を払えば、渋滞して時間がかかっても追加の料金の支払いは必要ありません。これに対して一般のタクシーは、屋根に『METER』の表示がしてあり、料金はメーターの通りに支払えばいいのですが、タクシーによってはお客さんを乗せてもメーターを倒さず、通常の料金の2−3倍を要求するドライバーも多くいるのだそうです(私も何回か経験しました)。
話は長くなりましたが、そのタクシーに乗る前にホテルの係員から前払いで600バーツを請求されました。600バーツ?2000円近くもします。タイの物価水準からすると無茶苦茶高くなーーーい?とは思いましたが、頼んだ以上仕方ありません。領収書をもらってタクシーに乗り込みます(領収書があると後でいろいろトラブルが起きても交渉できます)。それにしてもこの運転手さん、えらく愛想がいいですね。。。乗り込むや否や、『お客さーーーん、日本人?私も日本に行ったことがあるんですよ!いや、アメリカに行く途中で成田に立ち寄っただけなんですけどね。どう、博物館を見たあとでバンコク市内を見物しませんかァ?1時間で500バーツ払って下さればどこへでもご案内しますよ!』と誘いをかけることかけること。。。
あまりに手慣れた誘いにウンザリして、暫く沈黙を守ります。車は高速道路を少し走ってチャオプラヤ川の西岸に辿り着いたようです。急に周囲が賑やかになってきました。道路の両側には通りという通りにお店と露店がひしめき大変な喧燥です。暫く走って、運転手さんが『あれが病院ですよ』と指差しました。シリラート病院は白い外壁の巨大な建物で、古ぼけた家並みがつらなる周囲を圧するようにそびえています。車は通りから病院の中に入ります。ふと見ますと壁に日本語で『博物館』と書いてあります。期待に胸が高鳴ります。運転手さんが守衛さんに『博物館はどこですか?』と尋ねます。守衛さん、『今日は休館ですよぉ。。。』。ヒエーーーッ、勘弁してよぉ!確かに、4月13日ー15日はタイのお正月(ソンクラーン)にあたり、博物館は土・日はもともとお休みなので月曜日の今日は開いているものとばかり思っていたら、どうも今日も連休で休みのようです。。。
あーーーあ、600バーツも払って無駄足かァと一気に気落ちしてしまいます。でも、そうとばかりも言っていられません。時間が勿体無いので次の目的地に移動しなければなりません。また運転手さんと交渉です。バンコクには、最近『Skytrain』という交通システムが完成し、超渋滞する道路よりも早く移動できるとの評判です。BTSと呼ばれるのだそうですが、とりあえずこの鉄道の最寄り駅まで送ってもらおうと思います。私はてっきり地下鉄のことだと思い込んでいたのですが、何度”SUBWAY”と言っても通じません。SKYTRAINの路線図を見せてようやっと駅の場所が分かったようです。今度は料金の交渉に入ります。『どうせホテルまで戻るのだからサービスで乗せてよ!』と言いますと、『とんでもなあーーーい!500バーツだもんね!』。『そこを何とか。。。』。『ダメダメ!』。『一番近い駅でいいからさァ』。『じゃ、300バーツ!』。私もダメもとで最後の一声『そんなら200バーツで手を打ちましょう!』。シドニー・シェルダンの『ゲームの達人』で、ジミー・マグレガー青年がケープタウンからクリップリフトへダイヤモンドを探しに行く時に乗った”Dutch Express”との交渉のようです。私もジミーの言葉を真似て『It’s a deal!』と言ったのですが、運転手さんの冷たい『300バーツ。。。』の一言であえなく敗退。。。。『ゲームの敗者』、私の負けです。
タクシーは街中を随分と走って広ーーーい道路の真ん中を高架で走っているSkytrainのとある駅に到着しました(後で地図を調べたら『Chong Nonsi』という駅だったようです)。Skytrainの駅はどこも道路の真ん中に作られています。乗客は歩道から延びた階段を上がって改札口に辿り着く訳です。暑い中、ふーふー言いながら切符売り場に行きますと、乗車券は全て自動販売機に硬貨を入れて購入するようになっています。今日の2つ目の訪問地は、世界最大のレストランと言われる『Royal Dragon』です。場所は良くわかりませんが、通りの名前から『Phra Khanong』という駅の近くらしいということが分かりました。料金表を見てみますと、40バーツと表示されています。日本円で120円位ですから、日本の感覚からすると随分安いようですが、現地の方にとっては乗合バスの何十倍という料金なので決して安くはないでしょう。そのせいか駅の中はガランとして、あんまりお客さんは見えません。私のお財布には生憎と必要な硬貨の持ち合わせがありませんので駅員さんのいる窓口で両替してもらいます。100バーツ紙幣を差し出しますとジャラジャラと硬貨を渡してくれます。それをさっきの自動切符販売機に入れますとチケットが出てきます。あれ?40バーツ分の硬貨を入れたら手元にお金が残っていません。後の60バーツは?と窓口を見ますと、駅員さんがお札を振り回して何か叫んでいます。要するに私がお釣をもらい忘れただけだったのです。
ちなみに切符は下車する時に自動的に回収されますのでこのチケットは記念に買い込んだものです。
恥をかいたついでに、窓口の駅員さんに目的地までの行き方を尋ねます。『あーーーだ、こーーーだ』と言われましたがよく理解できません。まァ、何とかなるか。。。とホームに上がっていきます。どういう訳か駅員さん風の方が一緒に上ってきます。ホームで暫く待っていますと、ブルーの色も鮮やかな新型車両がホームに入ってきました。意外と短い編成の電車です。あれ、さっきの駅員さんも乗り込んできました。用事で出かけられるのでしょうか?
ドアが開いて中に入りますと座席はガランとしています。乗客は身なりの良い人達ばかりです。やはり庶民の足としては未だ贅沢な乗り物なのでしょう。3つ目の駅で電車を乗り換えます。ホームに降りて、どの電車かな?とキョロキョロしていましたら、さっきの駅員さん風の人がやってきて、ついて来なさいと合図します。階段をおりて下のホームに行きますと丁度電車が停まっています。あれに乗りなさいと再び合図します。よくよく考えたら、私が余りにも不安そうな様子をしていたので心配してわざわざ付いて来て下さったようです。信じられないような親切心ですが、これも未だ乗客が少ないから出来ることでしょう。駅員さんに感謝して目的地へ向かう電車に乗り込みます。
本当は車内はもっと明るいのですけど、何せカメラがもう寿命なもので。。。
乗り換え駅(Siam)が丁度バンコクの中心地だったようで、電車の大きな窓ガラスを通して沿線の高層ビルが良く見えます。バンコクは想像していたよりも遥かに大都会です。特色あるデザインの超高層ビルがあちこちに林立していて、香港ほどではありませんが間違いなく東南アジアの大都市のひとつと思います。南国のせいか、東京と違って濃い緑がビルを優しく包んでいるのが見えます。要するに殺風景な都会ではないのです。こうやって見ますと、都会に緑が如何に重要な役割を果たすかよく分かります。
20分ほどで『Phra Khanong』駅に到着します。あまり自信はなかったので、改札口を出る前に駅員さんに『Royal Dragon』の最寄り駅を聞いてみます。すると、ここの駅で下車するのではなく、終点の『On Nut』が最寄り駅だとのこと。危なかったですね。またホームに引き返して次の駅を目指します。『On Nut』で降りて改札口のところに立っていた警備員さんに『Royal Dragon』への道順を尋ねます(タイでは重要施設・高級ショップなどに必ず軍タイ風の警備員さんがいます)。この警備員さん、世界的に有名な『Royal Dragon』を知らないようです。え?困った警備員さんはカウンターの中にいる恰幅の良い駅員さんに尋ねます。駅員さんはわざわざ改札口まで出てきて、地球の歩き方を何回もチェックしましたが、やはり場所が分からない様子です。え?今度はグルメ通な感じの女性の駅員さんが駆り出されます。地球の歩き方をひっくり返してケンケンガクガク、もう大変な騒ぎです。ようやっとレストランの名前と場所が一致したようです。『何番のバスに乗ってぇ。。。』。私が『バスは乗りたくなーーーい』と言いますと、紙にタイ語で住所を書いてくれました。警備員の方が『俺について来い』とおっしゃるので階段下まで降りていったら、客待ちをしていたタクシーの運ちゃんに紙を渡して、私をレストランまで乗せていってくれるよう頼んでくれました。やれやれと思ってタクシーに乗り込んだら、この運ちゃん結構恐い。メーターも倒さず、『100バーツだよ』とのたまう。まっ、いいかァと諦めてO.K.の返事をしたら、そこから猛烈なスピードで飛ばすこと飛ばすこと。。。結構へんぴな道路に入り込んで挙げ句の果てには高架の道路をUターン。。。どこ行くの、恐いよぉ。。。
この案内図があったら大騒ぎにならずに済んだものを。。。
どうやら私の取り越し苦労だったようで、タクシーは無事レストランの前に到着。やれやれと思ってお財布を見たら100バーツ紙幣がないっ!小銭をかき集めて80バーツまでは何とか揃えたがどうしても足りない。『80バーツにまけてよぉ。。。』と懇願したのですが返事なし。仕方なく500バーツ紙幣で払ったらそのまま受け取ってお釣を出す様子もない。思いきって、『お釣りを。。。』と言ったらしぶしぶレストランの受付の女性に両替を頼んでやっと400バーツを返してくれました。
レストランの玄関です。ここに受付の女性が待機しています。通りからこの玄関までは広い庭になっていて往復するだけでも大変なのですが、帰りのタクシーを頼むと、この受付の女性が通りまで出て呼び込んでくれます。
さて、この『Royal Dragon』は以前に日本のテレビ番組でも紹介されたことのあるレストランです。何でも、座席数は全部で5000席もあり、常設のレストランでは世界最大規模だとか。。。大きいだけならそれだけの話で終わってしまいますが、あまりに敷地が広いためお料理を普通に運んでいたら、アツアツのお料理も席に届くまでに冷めてしまいます。そこで、料理の種類によって何ケ所にも分けられているレストランの厨房と各部屋の間を、紫色の上着を着たローラースケートをはいた若者が走り回って届けるシステムになっているのです。私がテレビで観た時は、周囲が暗かったためか、レストラン全体がひとつの大きな屋根の下にまとまっているような印象を受けましたが、今回お昼時に行ったら何のことはない、大きな池を取り囲むように大小様々な建物が配置されていて、ローラースケートをはいた若者はその間を結ぶ廊下を走り回っていたのです。最も平日の昼間だったせいか、最初私の他にはお客さんが誰もいなかったので走り回ることもなかったようですが。
レストランの見取り図です。中国の宮殿に似ています。建物全部がレストランといってもいいでしょう。真ん中が池になっていて、橋が巡らしてあります。ところどころに小さな広場があり、オープン・テラスのようになっているところもあります。スコールが降ったら超悲惨ですが。。。
敷地の奥には中国風の塔が建っていますが、これはレストランとしては使われていないようです。夜になるとライトアップされるのか、なかなか雰囲気があります。
さて、玄関脇の大部屋に案内されて行きますと、お昼時というのにお客さんは誰もいません。ウエイトレスさんが10人ばかし手持ちぶさた風に佇んでいます。私がテーブルにつくと4−5人のウエイトレスさんがどっと集まってきます。メニューには中華風のお料理が写真付きで満載されていて分かりやすいですね。とりあえずビールを注文します。メニューを何回もひっくり返して、食べやすそうな点心を5皿注文します。ここに来るまでに結構エネルギーを使ったのですが、ホテルの朝食がバイキング・スタイルだったもので何時ものように食べ過ぎて今はあまりお腹が空いていません。何しろ係りのお姉さんが2−3人、私のテーブルの真ん前に立っていますので落ち着いてビールも飲めません。暫くするとローラースケートをはいた男の子がお料理を抱えて外の廊下をスーーーイスイと走ってきます。おっ、これはシャッターチャンス!とばかりカメラを構えます。と、と、と、男の子は部屋の入り口でウエイトレスさんにお料理を渡すと、またスーーーイスイと引き返して行きます。お・よ・よ。。。ガッカリしてカメラをしまおうとすると、リーダー格のお姉さんが男の子を呼び返して写真を撮らせてくれました。回りからは失笑の声が。。。
この男の子は照れているのか拗ねているのか。。。
点心は日本で食べるよりも少し脂っこくお腹に溜まります。ビールがないと結構辛いです。ちなみに、このレストランのビールは、シンハビールでした。
この写真には点心皿が3つしかありませんが、私が頂いたのは次の5皿です(各30バーツでした)。
- Shrimps−Stuffed Chinese Pastry
- Crab−Stuffed Chinese Pastry
- Sweet Mushroom Stuffed with Shrimps
- Shelfish Cooked in Red Gravy
- Chinese Vegetable Pastry
もうお腹はパンパンでしたが、点心だけでは帰れません。別腹のカレーを注文します。お肉系の具はとても入らなかったので、海老入り野菜のカレーにしました。いろんな野菜が入っていて、ご飯にスープをかけて食べたらそんなに辛くもなく美味しかったですね。ただ、具はお豆以外殆ど全部残してしまいましたが。。。
お腹一杯になりました。大きくなったお腹をさすりながら帰途につきます。帰りのタクシーの運転手さんは、行きとは一転して律義な方でした。ちゃんとメーターを倒し、安心して乗っていられます。駅までのメーターは51バーツでしたが、あまりに気持ちの良い運転手さんだったので100バーツを渡しました。結局同じかな?せっかくここまで来たのだからと酒屋さんを探します。駅の横には広大な敷地に『Lotus』という名前の巨大なスーパーマーケットが建設中でした。今年の6月にオープンするとかで、残念ながら未だお買い物はできません。その先に日本でもお馴染みのセブンイレブンの看板が見えます。小さなコンビニですが、もしかしてワインが置いてあるかもしれません。入ってみますと、ちょっとしたお酒はありましたがワインは置いてないようです。しょうがないので棚に並べてあったジュースっぽい飲み物と冷え冷えのペットボトルのお水を買いました。袋に入れてもらって駅まで戻ります。改札口を入ってちょっと袋を持ち替えた瞬間に。。。バリン!ハッと足元を見ますと、床にはさっき買い込んだばかりのジュースっぽいワインのボトルが粉々になっています。おまけにズボンにもしぶきがかかったりして。。。ヒエーーーッ、と思いましたがそのままでは立ち去れません。生憎ゴミ袋もないし、さっきの買い物袋は見事に穴が開いているし(何か、水気のあるものを入れると破けるみたい。それじゃ買い物袋の意味がないよぉ。。。)、困り果てていたら、先程散々手こずらせた駅員さんが出てきてビニール袋を下さいました。きっと『世話の焼ける日本人だ。。。』とでも思われたことでしょう。私は急いでラベルのついた破片だけを拾い集めましたが、残りは駅員さんが片付けて下さるとのこと、もう恥ずかしくてそそくさとホームに上がっていきました。『ラベルのついた破片の入った袋も捨てますから。。。』とはおっしゃっていただいたのですけど、それじゃ記念のラベルがなくなるからとムニャムニャ言いながら。。。
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (白) タイ: COOLER CLUB ROSE
- Refreshing fine white wine and mixed fruit juice & flavours.
これはワインと言うよりも、発砲フルーツ酒とでも言った方がいいかもしれません。300cc入りのボトルに入っていて、アルコール度は5%しかありませんから、喉が渇いた時にジュース代わりに飲んでもいいでしょう。大抵のコンビニに置いてあり、お値段は一本60円位です。機会がありましたら是非試してみて下さい。
そういう訳で、このワインは『On Nut』駅の床に飲まれてしまいましたァ。。。
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