トレド・PARADOR ”CONDE DE ORGAZ”
オルガス伯爵のパラドール





アビラに別れを告げ、今夜の宿であるトレドに向かいます。N403に戻りますと、再び単調なドライブが始まります。所々で小さな町に出会いますが、大半は黄色い枯草で覆われた大平原が続きます。高速道路だと、ついサービスエリアに寄りたくなりますが、N403にはそんな施設もないし、疲れた体にムチ打って先を急ぎます。という訳で、待望のトレドの町がはるか前方に見えるまで150kmを走り抜く間一度も止まることはありませんでした。トレドの町と云っても町全体が中世の建物という訳ではなく、タホ川が大きく蛇行する南側一体にカテドラルやアルカサルなどの建物があるのです。今ルートを見直してみますに、私は西側からタホ川を渡ってトレド市の北側の新市街に入ったようです。本当は市内に入らず南側に迂回して直接パラドールに行きたかったのですが、初めての土地ではそう事はうまく運びません。案の定、市内を回っているうちに方向感覚まで失ってしまいました。仕方ありません。また通行人をつかまえて道を聞くしかありません。地球の歩き方に載っている頼りない地図を見せてパラドールの場所を教えてもらいます。『あすこの信号を左に曲がって。。。』位しか分かりません。仕方ありません。行くしかないでしょう。。。

分かれ道を適当に走ったら綺麗な公園に出ました。公園の先には大きな病院があります。日曜日のせいか、公園のあちこちには家族連れが木陰のテーブルについて談笑しています。車椅子に乗ってお散歩している患者さんもいますね。10人位のグループのテーブルにお邪魔し、パラドールへの道を聞きます。途端に何人かが地図をひっくり返してあーーーだ・こーーーだ・そーーーだ・やーーーだと猛烈な勢いで話し出します。分かる訳がありません。もう人に頼るのは止めて自分で探すことにします。あの病院の名前は忘れましたが、位置関係からするとどうも『タベーラ病院』ではなかったかと思うのです。地球の歩き方によりますと、病院とは云ってもそこには美術館が併設されていて、エル・グレコの『キリストの洗礼』やティントレット(誰?)、リベーラなどの作品が鑑賞できるのだそうです。そうだとしたら無理してでも見るんでしたね。。。

市内を無茶苦茶に走っているうちに幸運にもタホ川にかかる橋に辿り着きました。旧市街の高い塔を眺めながらパラドールの位置関係を想像して車を進めます。この辺りだろうと見当をつけて一気に坂道を登ります。丘の上には古城の後らしい城壁が見えます。でも近づいてみますと軍事基地のようです。慌てて道を戻り、別の道に進みます。どうやらタホ川を見下ろす坂道を進んでいるようです。これはいいかも。。。と思いながら坂道を登っていきますと、分かれ道に『パラドール』と書かれた看板があります。あっ、見つけた!と狂喜してその道に入ろうとしたら一方通行の標識が見えます。すると、ここは出口かぁ。。。と、今度は入り口を探します。暫く走りますと再び『パラドール』の看板が見えます。今度こそ間違いないだろうと慎重に車を進めますと、坂道を登ったところに小さなロータリーがあってパラドールの矢印が見えます。よしよし。。。と矢印に従ったつもりでしたが、今度は下り坂になります。おっかしいなぁ。。。と思っているうちに車は先ほどの一方通行の出口に来ていました。また道を間違えたようです。気を取り直して再び先ほどの入り口から坂道を登っていきます。丁度目の前にはタクシーが走っています。あれについて行ったら大丈夫かもとピッタリ後ろをついていったら、タクシーはさっきのロータリーで別の出口に出ました。出口があまりに小さいので私が見落としていたようです。そのまま坂道を登って、石造りの古めかしいパラドールの駐車場に着いたのは6時近くになっていました。



トレドはタホ川の急峻な崖に三方が囲まれた天与の要害で、さらにイベリア半島のほぼ中心に位置することから、ローマ時代には既に城壁が築かれました。先ずはトレドの歴史を見てみましょう。5世紀頃、渡来した西ゴート族はここを首都と定めました。しかし、711年にイスラム軍が侵攻した際には簡単に放棄しました。イスラム王朝のアブデラーマン1世はコルドバに都を置きましたが、それと並んでトレドも重要な町でした。その後、中央の力が弱くなり、群雄割拠の時代に突入し、1012年に独立したイスラムの一侯国の首都となりました。しかし、イスラム側の内部分裂を利用して、レオン・カスティージャ王・アルフォンソ6世が再征服を果たし、1087年にレオンから都をこの地に移しました。アルフォンソ7世はトレドで戴冠式を行い、1世紀後のアルフォンソ10世賢明王の時代にユダヤ人の学者を集め、学校を興し、イスラム、ユダヤ、そしてキリストの三者が融合した平和な生活がこの地で営まれ、繁栄は頂点に達しました。

1227年、トレドの町のシンボルである大聖堂の建築に着手し、往時の建築技術の粋を取り入れた様式の、宗教的、文化的建造物が次々と築かれました。今日目にするこの町の遺産は殆どその時代のものです。ブルゴーニュ生まれのカルロス5世もすっかりこの地に魅せられ、レコンキスタ時代の勇敢な武将エル・シッドが12世紀に築いた城跡に宮殿(アルカサール)を建てました。ビサグラ新門のアーチの上に彫られているカルロス5世の紋章は今日のトレドの市章となって引き継がれています。また、1557年にギリシャ生まれのエル・グレコがトレドに移住し、1614年の死に至るまで独特の手法で描いた数々の名画は、後世この町の名を高めました。

パラドールの愛称は、サント・トメ教会の寄進者ドン・ゴンザロ・ルイスの埋葬の伝説に基づき、1586年にグレコが教会内部に描いた『オルガス伯の埋葬』にちなんだものです。『皇帝の丘』に立つパラドールは、薄茶色の瓦葺きで、外壁は日干しレンガの2階建てで取り立てて特色はありません(そんなことはない!)。ロビーは、太い梁が組み合わされたカスティージャ風で、天井は2階まで吹き抜けですがやや低いです(そんなことはありません)。奥にはバルがあり(そうそう)、カウンター席とサロンがあります。さらにトレドの町全体が眺められるバルコニーには外来者の姿が多いです。レストランからは古い家並みが眺められ、あたかも一切の営みが止まったかのような静けさです。殆どの部屋はバルコニー付きで、やや天井が低く(そんなことはありません)こじんまりとしています。特にトレドの街並みに向く旧館にはその傾向が強いようです。グレコが描いた『トレドの風景』のカンバス画を彷彿させる光景を見るために、前もって眺望の良い旧館の部屋と注文をつけるお客さんが多いといいます(絶対そうすべきです)。これに比べ、4階建ての新館は3000ペセタほど割安です。3ケ月前から予約を受け付けますが、どの部屋も年間を通じてほぼ満室とのことです。需要に応じるために隣接地に増築を進めています。宿泊客の70%は外国人で、そのうち日本人は10%を占めています。スペインを訪れる外国の高官がヘリコプターで飛来し、パラドールの丘から対岸のパノラマに見入る状況がテレビで時折報道されます。中曽根元首相もその一人でした。


ロビーに行きますと、隣接するBARはこんなに宿泊客がいるのか!と驚く位の混雑です。どうも宿泊客だけではないようですね。チェックインして部屋に案内して頂きますと、室内は近代的でお風呂にはジャグジーの設備まで整っています。どこもかしこも眩いばかりのピカピカのピカチューです。センスの良いBGMは流れているし、家具・調度品は一流品だし、とにかく言うことはありません。こちらの旧館の部屋には木製のバルコニーが設置されています。外に出てみますと。。。。。。。。。噂には聞いていましたが、トレド市全体がまるで絵画のようにパノラマチックに見えます。暫し、息を呑む光景です。バルコニーには小さなテーブルと椅子が用意されています。よっこいしょ、と椅子に座って魂を奪われたようにトレドの街並みを見続けます。爽やかな風が優しく頬をなでます。もう天国に召された気分です。



これを絶景と云わずして何と云わんや!


そのまま夕食までボーーーッとしておいても良かったのですが、ここトレドのパラドールにはプールがあるそうです。折角ですからちょっとひと泳ぎしてきましょう。プールはパラドールの建物のまん前に設置されています。プールサイドには芝生があり、泳ぎ疲れた人や、甲羅干しをする人や、のんびり本を読んでいる人や、ただビールだけを飲んでいる人や、とにかくいろんなスタイルでパラドールののんびりした時間を楽しんでいます。



その芝生の先には旧市街の一部も見えます。こんな贅沢な場所が他にあるでしょうか?



これで夕方の7時位です。まだまだ夕暮れ時には間がありますね。


ひと泳ぎしたらビールをいちはい。。。グビッ。。。グビグビッ。。。ちゅめたいっ。。。おいちいっ。。。またしても天国に召された気分ですぅ。



ORO DISFRUTE DE UNA CERVEZA UNICA, ELABORADA EXCLUSIVAMENTE PARTIR DE MALTAS ESPECIAEES Y LUPULOS AROMATICOS. LA CALIDAD DE SUS MATERIAS PRIMAS Y LA INCORPORACION DE UN PROCESO DE DOBLE FILTRACION, DAN COMO RESULTADO UNA CERVEZA CON UN SABOR PLENO Y SINGULAR, UN CUERPO Y AMARGOR EQUILIBRADOS Y UN BRILLANTE COLOR DORADO. CRUZCAMPO ORO HARA DISFRUTAR A LOS AMANTES DE LA BUENA CERVEZA.

MAESTROS CERVECEROS DESDE 1904

プールサイドでグビーーーッと飲んだビールです。万博が開催されたセビーリャ産とのことです。


さあ、夕食の時間になりました。パラドールの室内のレストランも素晴らしいのですが、この天気でこの眺望なら外で頂くに限りますね。テラスにはズラリとテーブルが並べられています。ディナータイムは8時30分に始まるのですが、ちょっと出遅れるとご覧のようにテーブルは直ぐに埋まってしまいます。でも、どうやらトレドの街を一望できる谷側のテーブルに座ることができました。



ここからはタホ川がよく見えます。大河というにふさわっしく悠然と流れています。



眺めに気を取られていましたら前菜の写真を撮るのを忘れてしまいました。それ程に素晴らしい眺めなのです。



メインは『骨付き肉のロースト』です。結構アバウトなお料理ですが食べ応えがあります。


ゆったりとした至福の時間が流れていくうちに、さすがに夜の帳が降りてきました。暗くなってきますと、あちこちの建物がライトアップされますので、また一味違った幻想的な夜のトレドの夜景を楽しむことができます。



デザートはお店の方のお勧めで、トレド名物のマサパンです。甘過ぎず、大人の味でとても美味しいです。



デザートには何と言っても、アーモンドと砂糖を練って作ったトレド特産のお菓子『マサパン』がお勧めです。


帰りにちょっとBARでビールを飲んで部屋に戻ります。パラドールの廊下は、人が通るとパッと明かりが灯るシステムになっています。なかなかに凝った設備ですね。



左側が眺望の素晴らしい部屋、右側は駐車場の壁になっています。つまり、片方しか利用していない訳です。


最高の睡眠をとって爽やかに目覚めた後は。。。再び、ジャグジーの朝風呂を使い、豪華な朝食を頂きます。トルデシージャスと同じビュッフェスタイルですが、またまた、生ハムにチーズに卵に。。。勿論フレッシュなジュースも。。。これ以上の幸せはありませんね。トレドのパラドールは最高ですぅ。



さあて、今日はいよいよアランフェス協奏曲で有名なアランフェス宮殿とドン・キ・ホーテの故郷、ラ・マンチャを巡ります。そして今夜の宿はまたしてもパラドール!スペインで一番美しいと云われているマヨール広場で有名なアルマグロのパラドールです。恐らく今日だけで300kmは走らないといけないでしょう。トレドのパラドールに名残を惜しみつつ、坂道を降りていきます。。。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(白) スペイン: HERENCIA 1551 BRUT NATURE CODORNIU

SOLO UVAS RIGUROSAMENTE SELECCIONADAS SON EL ORIGEN DEL MOSTO FLOR QUE, FERMENTADO A BAJA TEMPERATURA, ADQUIERE TODAS SUS CUALIDADES ORGANOLEPTICAS. LA SEGUNDA FERMENTACION EN BOTELLA, PROPIA DEL METODO TRADICIONAL, LE CONFIERE SUS PERSONALES CARACTERISTICAS. EN CADA BOTELLA, CODORNIU RESUME EL COMPROMISO DE CALIDAD DE LA FAMILIA QUE ELABORO EL PRIMER CAVA EN ESPANA EN 1872.

  • COUPAGE: VINOS DE LAS VARIEDADES PARELLADA, XAREL.LO Y CHARDONNAY Y VINO DE RESERVA
  • ASPECTO: AMARILLO DORADO, LIMPIO Y BRILLANTE, CON FINA Y PERSISTENTE BURBUJA.
  • AROMAS: FLORALES Y ELEGANTES.
  • SABOR: ELEGANTE Y SABROSO. REVELA LA PRESENCIA DE LA UVA CHARDONNAY.
  • TEMPERATURA DE SERVICIO: ENTRE 6 Y 8 GRADOS.


フランスでは最初にシャンパンを頂くのでしょうけど、スペインならやはりカヴァですね。作り方はシャンパンと同じなのだそうですが、味はシャンパンに負けない位に美味しく、かつお値段は何分の一かです。『When you are in Spain, do as the Spanish do!』カヴァを頂きましょう。。。

ベテランのウエイトレスさんでしたが、重厚なボトルの栓を鮮やかに抜き、そそとグラスにカヴァを注いで下さいます。真っ白できめこまかな泡!黄金色の液体!さっぱり爽やかな味わい!超素晴らしい景色。。。ひと泳ぎした後の心地よい疲労と相まってまたまた天国に。。。











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