カディス・BODEGAS SANATORIO
カルモナを出てN−Wに入りますと、20km位走ったところでセビーリャに着きます。昨年はパリからマルセイユまでフランス版新幹線であるTGVに乗って『飲みまくり・食べまくり列車の旅』を楽しみました。今回のスペイン旅行の最初のプランでは、スペイン版新幹線である『AVE(アルタ ベロシダード エスパニューラ)』に乗ってマドリッドからセビーリャまで『Wine&Dine列車の旅』を楽しむ予定でした。結局、風車見たさにマドリッドから車の旅となったのですが、果たしてどちらのルートが良かったのかは分かりません。そんな訳で、せめてセビーリャの町には立ち寄ってみたいなぁ。。。なんてことを思いながら車を走らせていますと、段々と高層アパートや工場が見えてきました。どうやらセビーリャに着いたようです。なかなかの大都市ですね。マドリッドから南下してきたN−Wは、セビーリャの環状道路に沿って大きく向きを変え、コロンブスがアメリカ大陸発見への旅の出航地となった港町カディスに向かいます。そのため、N−Wはセビーリャの町中には入らず、郊外をぐるーーーっと回り込むのです。N−Wが町の中心部を通っていたら、あるいは由緒ある建物なんかに興味を引かれて少しは観光していたかもしれません。ですが、環状道路から見た町の景色にはあまりロマンが感じられません。しかも、残りの日程を考えますと、セビーリャに立ち寄って観光する時間もそんなにありません。ならばここはパスして、もちょっと面白そうなところに寄ることにします。複雑に交差する何本もの道路に迷いながらも、車はやっとA4に入りました。A4は、N−Wとほぼ平行して走っているのですが、どういう訳か地図の上ではこちらの方が太い線で書いてあります。何となく安心感がありますね。
A4に入りますとあたりの風景は一変します。とても緑が豊かなのです。その上、内陸部のように乾燥した暑さというよりかは、地中海が近いせいか少し暑さが和らいでいるような感じがします。セビーリャをパスしましたので、ヘレス・デ・ラ・フロンティーラ(略してヘレスと呼びます)が今日の最初の訪問地になります。ヘレスまで50km位でしょうか。道路はよく舗装されていますし、沿道の景色は綺麗だしで結構のんびりと走ります。ですが。。。眠たいですねぇ。未だ1時間も走っていないのに、もうサービスエリアで休息です。このサービスエリアはいままでと少し違ってイスラム風の雰囲気があります。駐車場には、ワゴン車に家財道具を詰め込んで旅しているらしい一見してアラブ風の一家が見られます。サービスエリアの中にあるお店のお手洗い場には、イスラムのお祈りを捧げる前に足を洗うための流し場があります。それでも、BARに並んだお酒の数々は全く変わりません。。。
紙ナプキンには幽霊みたいな絵が。。。入口の横にもこの像がありました。何のおまじないなのでしょうか?
ちょっと一休みしたら、またヘレスに向かって出発です。もうヘレスまでは大した距離ではありませんので何となく気分も楽になります。ところで、モータースポーツのファンの方であれば、ヘレスと聞いて『シェリー酒』を連想されることはないでしょう。そう、ヘレスはF1やオートバイのレースで有名な『Circuito de Jerez(ヘレス・サーキット)』があるのです!しかも地図で見ますと、A4から僅か10km位の距離です。これは行くしかないですね。A4からA382に出て、片道一車線の道路をトロトロと進みます。サーキットへの標識は直ぐに見つかりました。道路の空き具合からみますと、今日は何もレース関連の行事はないようです。A382からサーキットの入り口までは狭い取り付け道路が設けられています。かなりボロッチイ道ですが、ここを走る人にとってはどうでもいいことなのでしょう。道路の突き当りにはサーキットのゲートがあります。駐車場はどこかにあるのでしょうけど、ここに停めさせて頂きます。
いたってシンプルなゲートです。
門番のおじさんに『入ってもいいですかぁ?』と声をかけますと(実際はジェスチャーだけですが)、簡単にOKしてくれます。日本だとなかなかこうはいきませんね。ゲートを入ったところにサーキットのコース図があります。コースの形状はどこも似ていますね。
案内図の直ぐ先にはタイヤの跡も生々しいコースがあります。ここを幾多の名ドライバーが走り抜けたのかと思うと感慨ひとしおです。コース脇には観覧席もあるのですが、鈴鹿とか富士に比べますと何となくこじんまりしています。
後方から手前に向かって走行するようです。青と白で塗られた壁はタイヤを積んでクッションにしたものです。
更に進みますと、丘の上に例の牛の看板が立っています。あの牛は丘の上の特等席からヘレスの全てのレースを観た訳ですから、世界一幸せな牛だと云えるでしょう。手前にはお馴染みの跳ね馬の彫像があります。フェラーリと何か関係あるのでしょうか?
馬と牛、どっちが速い?車が早い!
ヘレスのサーキット場で一番知られているのは、管制塔(?)のてっぺんに飾りつけられた『TIO PEPE』の人形さんでしょう。レースがテレビ中継される時は、最初に必ずこの人形がズームアップされて番組が始まるのだそうです。メーンスタンドは意外に小さいですね。勿体ない気もしますが、観客がそれだけ少ないということでしょうか?スタンドの前はスタートラインになっています(当たり前か)。路面には白いペンキでスタートの位置を示すラインが引いてあります。いまにもフォーミュラーカーの爆音が聞こえてきそうです。コースから壁を隔ててピットがあります。レースの最中は戦場と化しますが、今はピットの扉も閉められて全くの無人です。
スタートラインの手前には、チェッカーフラグを振るボックスがあります。ボックスの中はとても殺風景です。状況に応じてフラグ(旗)を取り替えるための旗立てもあります。普段はなかなか立ち入れない場所です。
ボックスの先にはフィニッシュラインの大きなアーチが架けられています。その根元には表彰台があります。レースの後で入賞者が恒例のシャンパンの掛け合いをするところですね。いや、スペインだとカヴァを掛け合うのでしょうか?それともヘレスではシェリー酒でしょうか?そんなことをしたら体中ベトベトになってしまいます。。。
何と、この表彰台にも入れるのです。ラセン階段を上りますとそこは表彰台です。えーーーっ、うっそう!と言いたくなりますけど本当なのです。真っ赤な絨毯にはあちこちにシミが残っています。何なら台の一番上に立つことも出来ます。シューちゃんもハッキちゃんも立ったであろう真っ赤な絨毯の上で万歳するのはなかなか気持ちのいいものです。今年のスペイン・グランプリでは誰が優勝したっけなぁ。。。シューだったっけなぁ?と想像しながら、これもあれもそれもと写真を散々撮ったのですが、帰国後に『今年のスペイン・グランプリはカタルーニャ・サーキットだった。。。』、と余計なことを言う人がいて折角の高揚した気分が一気にはじけてしまいました。。。どうも、最近ヘレスではF1をやっていないようなのですぅ。。。
何のグランプリだったのでしょうかね?(どうも5月に行われた二輪の世界選手権だったみたい。。。)
門番のおじさんに丁寧にお礼を言ってから再びA382に戻り、A4を経由してヘレスの町中に入ります。ヘレスの町は南国そのものといった感じです。強い日差し、椰子の木の街路樹、鮮やかな色彩の草木、保養地のように美しい建物。。。でも暑いですね。私のヘレスでのお目当ては、シェリー酒のBODEGA(ボデガ:酒造工場)見学。。。いや見物。。。いや試飲です。ヘレスには、ティオ・ペペで有名なゴンザレス・アンド・ピアスを始め、サンデマン、ウィリアムズ・アンド・ハンバート、ジョン・ハーベイなどの世界的に有名なBODEGAがあります。でもやっぱりティオ・ペペですね!町中のあちこちには、『TIO PEPE』の名前を白いペンキで書き込んだシェリー酒の樽が積まれています。それを目印に何回か通行人にティオ・ペペの場所を聞きましたら、どうもこの広場の近くにあるらしいと分かりました。広場に車を停めて探しに行こうとしますと、親切なお兄さんに『そこ停めたらレッカー車で持っていかれるよ!』と注意されます。仕方なく離れた駐車場まで引き返します。そうこうしているうちに、通りの商店が一斉にドアを閉め始めました。あっという間に人々の姿が消え、町はゴーストタウンのようになります。どうやらシエスタの時間になったようです。広場で屋台を広げているおじさんに『ティオ・ペペはどこにありますかぁ?』と聞きますと、『ここにあるよ!』ですって。。。確かに、お酒は売っていますが。。。
ここハワイ?
1kmは歩いたでしょうか、教会と廃墟となった城址公園の近くでようやく『TIO PEPE』のBODEGAが見つかりました。想像していたよりは結構規模が大きいですね。もう頭の中はシェリー酒の甘い芳醇な匂いで一杯です。『見学コース』の標識に沿って歩きますと、門の隣に受付があります。誰もいませんねぇ。。。どうしたのでしょうか?よくよく掲示を見ますと、午後は2時から5時までお休みとのことです。。。折角ここまで来たのにぃ。。。
今夜の宿が決まっていませんんで、何ぼなんでも5時まで時間を潰す訳にはいきません。見学、いや見物、いや試飲は諦めることにします。緑が映える城址公園を通って戻ろうとしましたら、お兄さんがチラシを配っています。どうやら『TIO PEPE』という名前のレストランの呼び込みのようです。ティオ・ペペの直営店でしょうか?直ぐ近くのようですので、ちょっと休息していきましょう。確かにお店の名前は『TIO PEPE』でしたが、中は普通のBARとレストランでした。。。
悪いときには悪いことが重なるもので、ヘレスからカディスに向かおうとしたら、どういう訳かN−Wのマドリッド方面に向かって走っていました。30分程走ってようやく間違いに気づいて引き返しましたが、ここで1時間のロスです。そのままカディスに行ってホテルを探してもよかったのですが、カディスもセビーリャ同様に大都市で何となくロマンが感じられません。またまたパスして一気にアフリカ大陸への玄関口であるタリファに向かいます。明日はコスタ・デル・ソルでしょうから、今夜はどこか海岸沿いの小さなホテルでゆっくり休みたいものです。。。なんて思いながら車を走らせていましたら、視界の片隅にBODEGAの文字が入りました。300mほど行き過ぎてUターンし、BODEGAに入ります。建物は3棟しかありませんから比較的小さな個人経営のBODEGAのようです。
一番手前の建物にはシェリー酒の直売所と昔使われていたシェリー酒造りの道具が展示されています。その奥には瓶詰め・ラベル貼りのコンベアを収めた部屋や、沢山の樽・瓶は並べられた貯蔵庫があります。こういう場所も普段はなかなか見る機会がないので面白いですね。
左側がラベル貼りの機械、右側が出来上がったシェリー酒の貯蔵庫です。
倉庫の外は一面の葡萄畑です。ここの葡萄の木は結構背が高いですね。見ますと、どの葡萄の木にも、生い茂った葉っぱの下に巨大な房をつけています。収穫は近いようですね。今年の葡萄の出来は如何なものでしょうか?
例によって、葡萄の葉っぱと実を頂戴しました。有難うございます。。。
入り口近くの直売所でワインを買おうとしましたら、ここではシェリー酒しか扱っていないとのこと。。。そんなら私の好きなスウィート・シェリー酒を1本買いましょう。。。その前に試飲をさせて頂きます。あっちが良かったかなぁ。。。それともこっちが良かったかなぁ。。。いや、絶対にこっちかなぁ。。。
この家族連れは全種類を試飲されたようです!もっとも半ダース位は買われたと思いますが。。。
あれあれ、またまた寄り道をしてしまいました。早いとこ今夜のお宿を探さnight、夜になってしまいます。。。
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (シェリー酒) スペイン: VIEJO ARRUMBAO
- Vino oloroso muy viejo de color caoba y sabor semidulce su aroma procedente de solera y antiguas botas de roble le hace ser un vino para disfrutar su degustacion. Un vino para cualquier hora del olio.
直売所にはドライタイプからスウィートタイプまで6種類位の自家製シェリー酒がありました。これは確か甘口タイプのものだったと思います。自分が訪れたBODEGAの名前の入ったオリジナルワインですから何となく飲むのが勿体ないですね。
極端に甘くはありませんが、トローッとした心地よい甘さです。意外といろんなお料理に合います。ワインよりかは日本食に合うのではないでしょうか?
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