グラナダ・アルハンブラ宮殿
アルハンブラ宮殿のチケット
アルハンブラ宮殿の入場チケットの販売は閉館(夏季20:00、冬季:18:00、曜日によって違います)1時間前までとなっています。ただ、1日の入場者数は8千人と限られていて(日曜日は6千人)、夏の観光シーズンに昼頃のんびりと訪れたらもうチケットは完売で入場できないということも多いそうですからご注意下さい。尚、チケットには『Hora xx a xx』と書かれていて、指定された時間帯に王宮に入らなければ無効になります。私のチケットでは、『10:00から10:30の間に王宮に入ること』と書かれています。チケットのお値段は1000ペセタ(600円位)なのですが、自分で買うとなると時間と手間が結構大変なようです。尚、スペインでは入場時にチケットの端っこを手で千切ってしまいます。大雑把というか何というか。。。
さあ、今日は今回のスペイン旅行で最も楽しみにしていたアルハンブラ宮殿を見物(見学?)します。その前に朝食を頂きます。昨夜の豪華なディナーの余韻も覚めやらぬレストランの指定席に座ります。勿論、ヘネラリフェを望む最高の席です。朝の爽やかな空気を胸一杯に吸い、生ハムをお腹一杯食べる。。。これを幸せと云わずして何と表現したらいいのでしょうや?
この席がパラドールのレストランで一番眺めのいい場所です。晴れていれば、の話ですが。。。
今日は何から頂きましょうかね?先ず、生ハムでひょう!チーズでひょう!卵焼きでひょう!そうそう、フレッシュなオレンジジュースでひょう!勿論一皿では終わりませんよ!今日は結構歩きますから、しっかり食べておきませんとね!
そんなに生ハムばかり食べたら喉が渇きますよ。。。
朝食後、荷造りをして隣のホテル・アメリカに移ろうとしますと、フロントで今日もパラドールに泊まれますよ。。。とおっしゃいます。そんならもっと早く言ってよぉ。。。といいたいところですが、まあラッキーと思いましょう。ついでに夜のフラメンコショーの予約を入れてアルハンブラ宮殿に出掛けます。途中、申し訳なかったのですが、ホテル・アメリカに寄って丁重にキャンセルする旨伝えます。ホテル・アメリカも私とはよくよく相性がよくないようです。
パラドールから王宮へは宮殿内の道を通って直接行くことができます。市街地からアルハンブラ宮殿に行くには、大した距離ではありませんが、ゴメレス坂をミニバス(アルハンブラバスと云います)か徒歩で登ることになります。このコースを通ると、最初に『グラナダスの門』に出合います。
グラナダスの門
グラナダの市街地から観光客向けのお土産物屋さんが両側に立ち並ぶゴメレス坂を登りますと、正面に石造りの古びた門が見えます。この門は、カルロス5世宮殿の作者であるペドロ・マチューカの作で、門の上には3つのザクロガ刻まれています。ザクロはスペイン語で『Granada』といいます。なるほど、グラナダとはザクロの意味だったのですね。
折角の由緒ある史跡なのですが、門の手前には巨大なゴミ置き場が無造作に置かれています。ちょうど、トラックの荷台を外したようなものです。最初は、建設用の残土か何かを一時的に保管しているのかなと思ったのですが、どうも単なるゴミ置き場のようです。スペインではゴミの分別収集をやっていないのか、砂とかガラクタとか紙くずとかがゴチャゴチャに混ざっています。このままゴミ捨て場に運んでドーーーンと捨てるようなのですが、本当にそうなのでしょうか?私の思い違いであればいいのですけど。
王宮
グラナダスの門をくぐりますと、道は三方に分かれ、道路の側溝を流れるシエラ・ネバダの涼水の快い響きと共に、アルハンブラの森に吸い込まれます。左側のやや急な坂道を5分位歩きますと(セルベッソを飲んで歩くと辛い)、水飲み場のある広場に出ます。ここを左に曲りますと、正面に『裁きの門』が見えます。馬蹄形のアーチの上にはコーランの五戒を表す5本の指が彫られています。門内部の聖母像はレコンキタス以降のものです。門をくぐり少し右に登りますと、アルヒーベス広場に出ます。この広場の右手にカルロス5世宮殿があり、その横から王宮に入ります。
メスアールの宮殿
王宮に入りますと、梁や壁面にスタッコ装飾が見られます。執政の部屋にふさわしく重厚な作りです。窓やベランダからは、サクロモンテ、アルバイシン、それにグラナダの下町が一望の下に見渡せます。
王宮の中に入りますと、世界中から集まった観光客で室内はごった返しています。昔なら誰もがカメラで写真をパチパチ撮っていたのでしょうが、今では殆どの人がビデオカメラを使っています。それも99%までが日本製です。大したものですね。
アラヤネスの中庭
メスアール宮殿を右に進みますと中庭があり、そこを左に折れますと『アラヤネス(天人花)の中庭』に出ます。この中庭はグラナダの典型的な庭園とされ、水、空気、植物が中庭を囲む建物と美しく調和しています。
アルハンブラ宮殿の特徴は、イスラム風の装飾もさることながら、その美しい造園にあると云っていいでしょう。中庭には池がめぐらされ、草花が咲き乱れています。アラヤネスの中庭はその代表的な存在のようです。
大使の間
アラヤネスの中庭に面してコマレスの塔があり、その中に『大使の間』があります。正式な接待に使用された部屋で、天井はモカラベスと呼ばれる鐘乳石飾りに埋め尽くされ、首が痛むのも忘れて見とれてしまいます。
この鍾乳石飾りは『二姉妹の間』にあったものかもしれない。。。
非常に立体的な装飾なのですが、写真では平面的に見えてしまいます。しかし素晴らしい技術です。昔ここを訪れた客人は、きっと首にギブスを巻いて帰ったことでしょう。
ライオンの中庭
アラヤネスの中庭から左に進みますと、ライオンの中庭に出ます。周囲にはムハンマド5世時代の124本の大理石柱から成るアーケードがめぐらされ、中央に12頭のライオンに支えられた噴水があります。ここはハーレムとなっていて王以外の男性は立ち入り禁止で、2階の部屋には王の后(きさき)達が住んでいました。
私は番犬かと思いましたが。。。犬なら『ウーノ、ウーノ』と吼えたのでしょうか?(これは比較的高度な駄洒落ですぅ)
アベンセラッヘスの間
ライオンの中庭に面して3つの部屋があります。南側にあるのが『アベンセラッヘスの間』で、王族のアベンセラッヘス家の者がハーレムの女性に近づき首をはねられ、その首は部屋中央の噴水に置かれましたが、首から流れ出す血はライオンの噴水まで届いたということです。中央には『王の間』があります。天井画には10人の王が描かれていますが、イスラム芸術では決して人の顔を表現しませんからこの絵はグラナダ陥落後のキリスト教徒の手になるものと考えられます。アベンセラッヘスの間の向かいにあるのが『二姉妹の間』です。ここの鍾乳石飾りは、宮殿内で最も繊細かつ精密と云われています。
この噴水は何となく澱んでいて、しかも気のせいか中の水もちょっと赤茶けた色をしています。血の色でしょうか?おーーー、こわーーー。。。王宮の各部屋の隅には、どういう訳か必ず椅子が置いてあります。椅子を見ると人間の心理として座りたくなります。別に玉座でも何でもないただの木の椅子なのですが、腰かけると実にゆったりした気分になります。
パルタル庭園
『リンダラハの望楼』を過ぎ、左へ進みますと『アルハンブラ物語』の作者であるワシントン・アービングが原稿執筆に使用したという部屋があります。順路に従い、糸杉の庭を横切ると『休息の部屋』とも呼ばれる浴室があります。その後、『リンダラハ庭園』を通って『パルタル庭園』に出ます。パルタル庭園に出ますと、アラブの陰と官能美の幻惑から一挙に光の世界に引き戻されます(確かに。。。)。庭園の奥の『ダメスの塔』からはダーロ川の谷の奥深く美しい景色とヘネラリフェ(離宮)の白い高雅なたたずまいが見られます。
アルハンブラ宮殿を象徴する美しい庭園です。結構刈り込みがしてあって、人工的な美しさと云えないこともないのですが。。。
ヘネラリフェ(離宮)
『ヘネラリフェ』は王の夏期の別荘でした。13世紀より建設され、花々とシエラ・ネバダの水の饗宴はアラベスク模様に包まれて実に美しい風景です。糸杉や夾竹桃の散歩道は、照りつける光に影を与え、ふんだんに使われる水音がギター曲『アルハンブラの思い出』のトレモロのように、過ぎた日々のささやきを伝えます。
ヘネラリフェからの帰り道、壁に押された格好で2本の古木が並んで立っています。片方は幹の中央部におできのようなコブがあります。未婚の女性の方はこの幹に触れると1年以内に結婚できるのだそうです。既婚の男の人はコブのない木の幹に触れると直ぐに離婚できるのだそうです。してみると、コブのない方の木は男の人たちがあまりに力を込めてゴリゴリ擦ったのでコブが取れてしまったのかもしれません。両方の木に触ったらどうなるのでしょうかね?
おばさーーーん。。。てば!
王宮とヘネラリフェの見物(見学)が終わりますと、ちょうどお昼です。今日も強烈な暑さです。王宮前の広場では、観光客があちこちで休んでいます。日本ならジュースか何かを飲むのでしょうけど、スペインではどこに行ってもセルベッソです。広場の中央の木陰に売店があり、人だかりがしています。『セルベッソ チョウダイッ!』
アルカサバ
ゴメレス坂を登り、『唯ひとり、神だけが勝利者である』と刻まれた『ブドウ酒の門』をくぐると『アルカサバ』への入口になります。アルバイシンの丘を含む城塞都市の最も重要な要塞として9世紀から13世紀にかけて建設されました。順路に従って上へ上へと狭い階段を上ると、『ベラの塔』の頂上に出ます。この塔からの眺望は圧巻です。背景のシエラ・ネバダの峰々とグラナダ市を取り巻く沃野のパノラマには、思わずため息がでます。
アルハンブラ宮殿の帰り道に、宮殿前の広場で派手にデコレーションされた沢山の車を見ました。どうやら今から結婚式があるようです。それにしても、1組ではありません。後から後から花婿さんと花嫁さんがやって来るのです。合同結婚式か。。。とも思いましたが、何にしてもアルハンブラ宮殿で式をあげるなんて素晴らしいですね。きっと花嫁はヘネラリフェの木の幹にお願いしたのでしょう。花婿はこれから絶対にヘネラリフェに行ってはいけませんよ!
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