エピローグ
ヨーロッパを車で旅行する場合はミッシェランの地図が必須です。ミッシェランの地図は、本屋さんだけでなくガソリン・スタンドなどでも売られていますので簡単に手に入れることができます。私はスペイン中央部と南部の2枚の地図を買いましたが、市内を除けば殆ど迷うことはありませんでした(地図に慣れてからですけど)。地図を最大限利用するには、地図上に記載されている各種の記号をよく理解しておくことが大事です。地図の中には実にいろんな情報が詰まっているのです。
大都市の町中を走るにはやはりその町専用の地図がないと難しいですね。『地球の歩き方』に漫画チックな地図がありますが、距離感と方向がつかめませんので車の運転にはあまり役立ちません。でも、スペインでは道路網がよく整備されている上に、交通標識が非常に分かりやすいので、ポイントさえ押さえておけば大体目的地に辿り着くことができます。また、今回の旅行で最も役に立ったのはインターネットで公開されている個人のHPです。本やパンフレットに書いてないような生の情報が一番価値があります。私も事前にこのようなHPをチェックしていったおかげで随分と助けられました。
ミッシェランは世界的なタイヤのメーカーですが、この人は交通事故に遭って包帯を巻いているのではなさそうです。。。
今回、『スペインWine&Dineの旅』をレポートするに際して、『地球の歩き方』、観光パンフレット、スペイン関係のHPから一部を掲載させて頂きました。この部分は緑色で表示してありますのでご了承下さい。
さてさて、スペインを離れる日が来ました。ということは、豪華なブレックファストともお別れですね。。。日本に帰ったら、また朝食抜きの寂しい生活に戻ります。毎日食べてきた生ハムとも何時また会えるかも分かりません。ああ、この新鮮なジュースに美味ぴい果物ともお別れ。。。といっても、朝起きてから荷造りなどでバタバタしていましたので、ゆっくり朝ご飯を食べる時間がありません。テーブルに並んだお料理をガアーーーッとお皿に取り、一気にパクつきます。アム・アム、ゴク・ゴク・ゴックン。。。ひえ〜〜〜、もう時間がないよーーー!
いささか節操のない盛り方ですな。。。
一昨日、バロセロナ・プラット空港からホテルまで、日曜日のお昼過ぎということもあってタクシーで僅か20分しかかかりませんでした。今日はウイークデーですし、午前中は道路が混むかもしれません。早めにタクシーを呼んでもらって余裕を持って空港に向かいましょう。殆ど待つこともなくタクシーに乗り込んだのは良かったのですが、案の定ランブラス大通りは大変な渋滞です。普通の通りであればそうでもないのかもしれませんが、ランブラス大通りは真中が遊歩道になっているために車道が極端に狭いのです。そこにゴミ収集車とかお店に商品を運び入れるトラックとかが、あちこちに停車しているために狭い道路がますます狭くなっているのです。そういう訳で、ホテルからコロンブスの塔がある大きなロータリーに抜けるまでに20分程かかってしまいました。ちょっとヒヤヒヤしますね。
コロンブスの塔からは道幅はグーーーンと広くなり、渋滞は殆どありません。ヤレヤレ、これで大丈夫かな?と思いましたら、何時までたっても空港が見えてこないのです。一昨日はタクシー代は2500ペセタ位で済んだのに、今日はメーターがどんどん上がっていきます。スペインのお金を持っていても仕方がないと思っていましたので、手元には4000ペセタ位しかありません。窓の外の景色もそぞろに、メーターを見続けます。タクシーの前方に飛行場のターミナルビルが見えたのは3000ペセタを超えたところでした。ヤレヤレこれで足りたかな。。。タクシーは出発ターミナルの前で停まり、トランクから荷物を出してお金を払おうとしますと、何とメーター以外に500ペセタほど追加チャージを要求されます。迎車代なのか、荷物代なのか、幾ら訊いても分かりません。お財布をひっくり返してもほんの少し現金が足りないのです。どうしましょう。。。
タクシー
バロセロナのタクシーは、黒と黄色のツートンカラーをしています。台数も多いのでどこでも拾えます。マドリッドのタクシーと比べますと、法外な料金を請求されたという話もあまりなく信頼できます。空車はフロントガラスに『Lliure』または『Libre』の表示が出ていて、屋根の上に緑のランプが点灯します。基本料金は300ペセタ(180円)で、以後市内を1km走る毎に103ペセタ(市外を走るときや夜間・休日は130ペセタ)が加算されます。この他に、空港への送迎料金は300ペセタ、トランクに入れる荷物1個につき100ペセタの追加料金が必要です。
さあ、困ったなんて腕組みをしている場合ではありません。仕方がないのでターミナル内の両替所に行ってペセタを手に入れなければなりません。これがイザという時になかなか見付からないもので。。。ようやっと両替してタクシー代を払い、エール・フランスのカウンターに行きます。ヤレヤレ未だ充分時間があると思ってチケットをよくよく見ますと、出発時刻は私が思っていたよりも1時間も早いのです。あひゃ、これはイケマセン。即座に手続きを済ませ、2階にある出発ロビーに向かいます。空港内で最後のセルベッソを飲んでゆっくりしようと思っていたのに、もう殆ど時間がありません。大急ぎでお土産用のタバコとチョコレートを買い求め、登場口の横の椅子に座ります。未だ搭乗手続きは始まってなく、なんとか間に合ったようです。
普通であれば、搭乗手続きは出発の30分位前から始まるのですが、何時まで待っても何の動きもありません。今日のフライトは、バロセロナからパリのシャルル・ドゴール空港に着いた後、1時間もしないうちに成田行きの飛行機が出発することになっています。つまり、乗り継ぎに1時間しかない訳です。そのうちにアナウンスがあり、出発が30分ばかし遅れるとのこと。。。大丈夫かなぁ。。。パリへの到着が遅れても、成田行きの飛行機は待っててくれるのかしらんころん。。。飛行機は1時間以上遅れてバロセロナを出発しました。結局、どういう理由で遅れたのかは最後までわかりません(パリの天候が悪いとか何とかだったような気もしますが)。本当であれば乗継便に間に合う訳はないのですが、乗り継ぎのお客さんも何人かいる筈なのでちょっと位は待っててくれるでしょう。。。と楽観的に考え、とりあえず機内食とワインを楽しむことにします。でも遅れたらどうぴまぴょう。。。
パロセロナからパリまでは2時間位ですが、ランチながらお食事は結構いいですね。ワインも2本ゲットしたし。。。
パリに近づきました。10日ぶりですが、お天気はどんよりとしていて何となく晴れやかな気分になれません。ま、乗り継ぎだけだから。。。と気を取り直し、飛行機が到着ゲートに止まるやいなや、手荷物を抱えて脱兎のごとく走り出します。でも、乗継便の搭乗ゲートがよく分かりません。時計を見ますと乗継便の出発時刻はとっくに過ぎています。万が一の可能性を信じてようやっとゲートに辿り付いた時には無常にも成田行きの飛行機は出発した後でした。。。ひえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ、どうぴまぴょう。。。
私の航空券は、いわゆる格安チケットの類ですから本来であれば変更は一切効かない筈です。ま、今回は接続便の遅れが乗り遅れの直接の原因ですから何とかなるかもしれません。エール・フランスの案内所に行ってみますと、早くも長蛇の列ができています。こういう状況でも、日本と違ってカウンターで声高に文句を言う人はいません。皆さん、長い列を作って辛抱強く自分の順番が来るのを待っています。とはいっても、チケットの変更というものは、航空会社にとってもそう簡単な処理ではありません。第一に、代わりの便を探すのが一苦労です。皆さん当然のことながらその日の乗換えを希望されますが、同じルートの便がそんなに飛んでいる訳でもないですし、例え飛んでいたとしても空席は残っていない場合が多いのです。また、一人旅ならまだしも、5−6人の家族連れであれば困難さは一層増します。そういうことで、窓口では1グループを処理するのに最低30分は費やします。中には粘る人もいて、列の後方で待っているのは大変な忍耐が必要です。
あーーー、何時までかかるのだろう。。。といい加減イヤになって、ふと隣の列を見ますとこれがやけに短いのです。これ幸いとばかりに、そちらの列に鞍替えします。よくよく見ますと、床には真っ赤な絨毯が敷いてあります。何でここだけ?とは思いましたが、隣の長蛇の列を眺めつつ2時間程待ちます。そのうちに、この列はビジネス・クラス以上の乗客が対象かな。。。と気が付きましたが、今更列を変える訳にはいきません。こうなったら賭けるしかないですね。やっと自分の番になりました。恐る恐るチケットを差し出します。。。窓口には役職のような感じの男性が座っています。意外にも、何も言われず処理を始めて下さいます。ほーーーっ、助かりました。。。
もう早く終わりたい一心で何もリクエストはしません。そうはいっても、出来ればと今夜の成田行きの便を希望しましたが、当然のことながら満席です。仕方なく翌日の昼間の便にします(これでもラッキーでしたが)。ホテルはどうなるのかな?と思ったらエール・フランスが交通費込みで提供してくれるというのです。これまたラッキーと思いましたら、何とホテルはここからパリ市内を挟んで反対側にある国内線専用のオルリ空港の中にあるというのです。パリ市内は?と訊いてみたのですが、『ノン』の一言であえなく却下。。。そんなら自費ででもパリ市内に泊まってまた豪華なディナーを。。。と考えなくはなかったのですが、さすがにそこまで実行に移す気力は残っていませんでした。しょうがない、オルリ空港行きのバス乗り場まで荷物を引きずっていきます。手荷物の中には7本のワインが入っていますが、こういう時にはその重さが特に堪えます。
やっとバス乗り場に辿り着いたら、ここがまた大変な混雑。。。暫く待って大型のバスがきたのですが、団体さんが先に乗り込んで取り残されないのがやっとでした。何人かは乗り切れなくて恨めしそうにバスを見送っていたようでしたが。。。狭い座席に重たい手荷物を抱え込んだおかげで姿勢が保てず、チョー疲れます。バスはパリ市内を通り抜けるのですが、道路は夕方のラッシュアワーで渋滞また渋滞です。もう踏んだり蹴ったりとはこのことです。ドゴール空港からオルリ空港までは70−80kmはあるでしょうか、およそ1時間後にバスはようやくオルリ空港に到着しました。ちゅかれたぴーーー。。。
そこから空港内循環バスに乗って辿り着いたホテルは結構真新しいものの、何の娯楽もない寝るだけの感じです。狭い室内に窮屈な洗面所。。。お風呂は勿論シャワーのみです。夕方の5時過ぎでしたが、部屋にいても何をしようもありません。ビールでも飲みましょうかね。雨が降っていたためか、パリとはいっても結構蒸し暑く体は汗でベタベタです。既に着替えは全て使い尽くしたためにシャワーを浴びる気にもなれません。ホテル内の小さなBARに入ります。ビールを買って席に座り、ふとテレビを観ますと何やら中継をやっています。何だろうと思ってよくよく観ましたら飛行機が燃えています。ひよーーーっ、と字幕を読むとコンコルドがパリ近郊に墜落したと出ています。それで飛行機が遅れたのか。。。と一瞬思いましたが、実際に墜落したのは私がバスに乗っている頃ですからそうでもないようです。BARの中の人もテレビに見入っています。ま、私の飛行機が落ちなかっただけマシか。。。と気を取り直します。
BARには大したおつまみもないので、そうそうビールが飲めるわけではありません。ディナーまでは部屋で休むことにします。ホテルのフロントの前を通りますと、先ほど空港で行列していた人やバスに乗れなかった人がチェックインをしています。このホテルのレストランはとても小さいので、これはきっと混雑するに違いないと早めにディナーを頂くことにします。これは正解でした。レストランがオープンしますと、またたく間に席は埋まり入口にはまたまた長蛇の列ができます。フロントで配られた食事券を差し出しますと、団体専用のテーブルに座るように言われます。自前でもいいのですが、今夜は宿泊客が多いので無理なのでしょう。このディナーを逃しますと、明日ドゴール空港に着くまでまともな食事を頂くチャンスはありません。一応、ビュッフェ・スタイルですのでお料理をガヴァとお皿に盛り付け、大きなガラス製の水差しに入った赤・白のテーブルワインと一緒に頂きます。お料理はマアマアでしたが、このワインはちと。。。
お肉とハムは結構美味しかったですね。
ディナーが終わってもホテルには何の娯楽設備もありません。今回の旅を締めくくるにはあまりにも寂しい夜になりました。諦めて部屋に戻り、テレビを観ることにします。相変わらずコンコルド機墜落のニュースを流し続けています。おっと、帰りが一日遅れるということは、もう一日休みを取らないといけないということですね。。。最初に上司にお伺いを立てた時の『一週間チョット』が『きっちり2週間』になってしまいます。『一週間チョット』と『きっちり2週間』は数学的には同値ではありません。仕方ありませんね、お詫びしつつ休暇願いを出さねば。。。ところで、東京の朝9時はパリでは夜中の2時になります。ということは、熟睡してたら電話が出来ないということですね。ということで、寝不足ながら夜中の2時に起きて会社に電話します。『もしもし。。。』、『ハアーーーイ』と秘書さんの明るい声がします。どうやら上司は席を外しておられるようです。『あのーーー、パリからなんですけどぉ、コンコルド機の事故で空港が閉鎖され、飛行機に乗り遅れて明日もお休みを頂くように伝えて欲しいのですけどぉ。。。』。『あぁ、コンコルドの事故ね。こっちでも朝のニュースで大きく報道されていましたよ!』。『バロセロナからの便の出発が遅れて。。。』から話し出すと電話代が大変です。どうやらコンコルド機の事故の一言でつじつまが合ったようです。ヤレヤレ。。。
翌朝は少し寝坊したこともあって、朝食をパスし直ぐにドゴール空港に向かいます。今朝はバスはそんなに混んでいません。
ドゴール空港では昨日のコンコルド機の事故の影響は全く残ってなく、スムーズに成田行きの飛行機に乗り込めました。ドアが閉まり、飛行機は滑走路に向かって進みます。。。と云いたいところですが、何時までたっても動きません。いい加減待ちくたびれた頃に機内アナウンスがあり、どうやら乗客の1人がチェックインはしたものの実際には乗り込まなかったために荷物を出すというのです。満員のジャンボ機に積み込まれた山のような荷物の中から、たった1個の荷物を取り出すのですからこれは大変です。航空会社としては、昨日のコンコルド機の事故の原因も判明していないのに(一説にはテロの噂も報道されていました)、このまま飛行機を飛ばせる訳にはいかないという思いもあったのでしょう。全部の荷物を照合し、問題のないことが確認されたのは出発予定時刻の2時間後でした。疲れるーーーっ。。。
12時間のフライトが14時間になり、おまけに着たきり雀の身であれば惨めさを通り越して、もうどーーーでもいい気持ちになってしまいます。そんな気持ちを救ってくれたのがエール・フランスご自慢のお食事とワイン。。。
それに加えて、最近では機内のキッチンの一部をカーテンで仕切ってミニ・バーと喫煙室にしている飛行機も多いようです。希望すれば、簡単なサンドイッチやカップ・ラーメンを頂くこともでき、狭い機内での息抜きにはもってこいのサービスです。こういうサービスがありますと、別に欲しくはなくてもカップラーメンを食べたくなるのが人情というもの。。。でも、あんまり食べ過ぎますとお腹を壊して大変なことになりますので程々に。。。
いやーーー、楽しかったスペイン旅行も終わり、2時間遅れで飛行機はやっとこさ成田空港に到着しました。どうせ今日は休みだし、ゆっくり帰りましょう。税関に向かう通路を歩いているうちに、顔でも洗おうと洗面所に入り身づくろいをして出てきますと、既に同じ飛行機から降りた乗客は誰もいません。おや、最後になったかな。。。と階段を上がろうとしましたら、何と階段の上には新聞社や雑誌社の記者やカメラマンが20人近く待機しています。一瞬、血の気が引きます。ひやーーーっ、葡萄畑で失敬した葉っぱかネルハの事故のせいで私が国際指名手配されたのでしょうか!でもカメラのフラッシュは光りませんねぇ。。。記者もそっぽを向いています。どうやら、私が逮捕される瞬間を撮りに来たのではないようです。『あのーーー、誰を待ってらっしゃるのですか?』。『トルシエ監督だよ。。。』、『へぇーーー、トルシエ監督が同じ飛行機に!』。。。勿論、監督はファーストクラスに乗ってらしたのでしょうから私が気付く筈もなかったのですが。。。暫くしますと、見覚えのあるトルシエ監督がこちらに向かって歩いてきます。記者やカメラマンがどっと監督を取り囲み質問責めにします(この時期は監督の続投問題のことでもめていたらしい)。おっ、わたちも写真を撮らねば。。。と思いましたが、既にフィルムは使い切ってしまっています。『監督、待って下さーーーい。。。』。
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