調布・きたや酒店



京王線沿線屈指の住宅地である調布には、映画の撮影所とか飛行場(ここからは実際に軽飛行機で伊豆諸島へ飛べるらしい)、それに深大寺植物園など見所が多くあります。また、夏には近くの多摩川(降車駅は京王多摩川)河川敷で『調布花火大会』が催されます(昨年花火見物に行きましたが、駅から数分の場所であれほど大規模な花火大会ができるのかと驚きましたし、見物人のマナーの良さには感心しました)。

調布駅には北口と南口がありますが、それぞれ大きなお店を核にして商店街が連なっています。南口をアメリカン・ファミリー保険の本社(?)の方に向かって少し歩くとなにやら美味しそうなにおいがしてきます。ふとまわりを見ると、古ぼけたビルの一階に『1970年創業 Curry House − MANBOW』という丸い看板が目に止まります。ドアを開けて中に入ると、レストランあるいは食堂とは全く異質の内装に驚かされます。ちょうど昔の銀行の建物のように、天井がやけに高く、おまけに照明は丸天井から吊るされた裸電球が一つあるだけなのです。壁は昔の学校の講堂のように殺風景で、当然室内はほの暗くまるでボンベイの裏通りにあるイギリス統治時代の建物を連想させます(行ったことはありませんが)。またメニューもカレー単品で数種類しかありません。

それでもお客さんはいろいろで、家族連れもいれば、いかにもイギリス人らしい外人や、髪を真っ赤に染めた飛んでる女の子もいます。殆どの人は『チキンカレー』を注文します。私もチキンカレーを注文しましたが、よくよくメニューを確かめてみると、激辛口のチキンカレーもあーーーるではありませんか!でも時既に遅し、普通の辛さのカレーを頂きました。近くに座っていたお兄さん達が激辛口のカレーに挑戦していましたが、あえなく敗退したようです。今度行ったら私も挑戦してみましょう!普通のチキンカレーもそれはそれでとても美味しいです。かなり乱暴に切ったトリ肉となんとも不可思議なご飯の味が微妙に絡み合って食べた後も満足感が残ります。外国で食べたインドカレーに近い本物の味です。きっと、ちゃんとしたお店で修業されたコックさんが作られているのではないでしょうか。

で、何の話でしたっけ?そうそうワインに話を戻しましょう。今度は駅の北口に出てみます。調布は住宅地だと思ったら意外に飲み屋さんが多いのです。『調布百店街』とかいう路地に入ると、まるで新宿の夜の雰囲気です。そこを通り抜けると『天神通り商店街 − Tenjin St.』というしゃれた商店街があります。車が通らないのでゆっくりとショッピングができます。カラフルな歩道をぶらぶらと歩いて行くと小さな酒屋さんの前にたどり着きます。酒屋さんというよりワイン屋さんといった方がピッタリするかもしれません。お店は小さいのですが、私が今までに行った中では最もセンスあるお店といっていいでしょう。全体を種類ごとに分かりやすく区切ってあり、またワインごとに丁寧な説明書きがあってとても親切です。小さいお店ながらよーーーく吟味されたワインが並んでおり、しかも結構お買い得です。お店の方も感じがよく、さすがにハイセンスな調布にふさわしいと感心しました。きたや酒店というとちょっとダサイですけど、看板にはちょっとおしゃれに『KITAYA』と書いてあります。是非寄られてみては如何でしょうか?

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(赤) ブルガリア: SAINT TRIFFON CABERNET SAUVIGNON SPECIAL RESERVE (1992)

ブルガリアの中東部、バラ渓谷地域スリヴェン地区産の厳選されたカベルネ・ソーヴィニヨン種ブドウから造られた赤ワインです。アメリカン・オークの樽で約1年熟成し、柔らかくてフルーティなアロマがオークの香りとよく調和しており、豊かなボディの後味も長く続きます。赤身肉やチーズに良く合います。室温(16℃−18℃)でお楽しみ下さい。

『セイント・トリフォン』は、よく見掛けますが、『SPECIAL RESERVE』の付いたものはそうザラにはないでしょう。もともとブルガリアのワインは好きなのですが、スペシャル・レゼルベであれば買わざるを得ません。

一口飲んだ瞬間に選ばれた赤ワインだけが持つあの深ーーーいコクと熟成で使われたであろう樽の木の香りが口一杯に拡がります。そのままでも十分に美味しいのですが、クリームチーズと一緒に頂くと、チーズのとろけるような柔らかさがワインの深いコクと調和して実に絶妙な味わいです。久しぶりに幸福な一時を過ごせました。



(赤) ブルガリア: ROSENTHALER KADARKA

ラベルには何も書いてありませんが、ぶどうでこのように甘い赤ワインができるのかという解説が添えられていました。きっと甘口の赤ワインなのでしょう。

Qualitatsweinとありましたが、これはかなり好き嫌いがでるのではないでしょうか?確かに甘い味もするのですが、赤ワインに期待される甘さとは異質なもののようです。何かのロゼに似たような味がありますが、私にはどうも合わなかったようです。









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