砂町銀座・イオンリカー砂町銀座店





砂町銀座商店街は、テレビのグルメ番組にもよく登場する都内の下町商店街の中でもよく知られた存在です。JR・地下鉄の駅からかなり離れた場所に位置していますので、遠方の買い物客はバスを利用するか、歩くしかありません。入口が明治通りと丸八通りに面しているため、バスは切れ目なく運行しています。お年寄りは高齢者パスを使い、近所の団地住民は歩いてやってきます。砂町銀座商店街で一番賑わうのが激安お魚屋さんの「魚勝」です。市場がお休みの水曜日と日曜日は閉まっていますが、普段の日は開店前から大行列ができます。年末などは三重四重の行列が店先にとぐろを巻いています。お昼の12時にお店が開き、午後の3時頃にはケースの中は殆ど空っぽになるという盛況ぶりです。溢れんばかりのお魚がたったの3時間で売り切れになるのですから、その売れ行きは驚くべきものです。個人のお客さんも結構買いますが、レジでは1万円札が飛び交っていますので飲食店関係の方も多いようです。スーパーでは見かけない珍しい品もあって、眺めるだけでも面白いです。でも、狭い店内では買物籠をぶつけられるのは覚悟しないといけません。お洒落着では絶対に入れません。



私のお勧めは茨城産の大穴子です。巨大で骨もありますが、圧力釜で十分に煮ますと骨は完全に溶けてなくなります。これをどんぶり御飯に山盛りにかけて食べると、超美味しい穴子丼になります。



大穴子3匹を贅沢に使った穴子丼です。ちなみに、お皿の直径は25cm。。。


砂町銀座に多いのは焼鳥屋さんとおでん屋さんです。焼鳥は夏でもつまめますが、おでんはどちらかというと寒い季節に熱燗と一緒に食べたくなりますよね。砂町銀座のおでん屋さんは、おでん種も殆ど手作りです。揚げたてのさつま揚げなんか、そのままでも美味しそうです。



砂町銀座には手作りのお惣菜店が沢山あります。店頭にむき出しでお惣菜を並べているのは昔ながらの光景ですが、私にはちょっと。。。多くのお店は歴史を感じさせる古い木造建屋なのですが、そのなかで割と新しいビルに「あさり御飯」の幟を立てたお店があります。入口の前に小さな台を置き、三角巾をした皺くちゃのおばあさんが愛想よくお客さんの対応をしています。隣にはこれまた皺くちゃのおじいさんが椅子に腰かけて通りを眺めています。おじいさんは商売には一切タッチせず、いかにも浦安の漁師だったという風貌です。あさり御飯とか店頭で殻を外した貝類が小さなパックに詰められ、さして広くない台に並べられています。品物によっては注文を受けてパックに詰めることもあります。お店の建物はちょっと前までボロ屋だったのですが、おばあさんの稼ぎで最近建て替えられたみたいです。いわば、あさり御殿とでもいいますかね。1階は食堂らしき造りになっていますが、カウンターには雑多な荷物が置かれ、営業しているのかどうか定かではありません。そのうちに、あさり御飯を食べてみたいものです。



丸八通りに近いところに、もう一軒の魚屋さんがあります。お魚の種類も多く、どれも激安です。



で、その先にあるのが8月末に開店したワインショップです。日々のつつましやかな食材を買い求めるお年寄りが目立つ下町の商店街にあって、ワインを主体としたお店は異質の空間です。イオンリカーという名前も聞きなれませんね。スーパーのジャスコ系列でしょうか?ちょっと敷居が高そうでしたが、思い切って中に入ってみました。酒屋さんというよりは、食雑貨屋さんのイメージですね。例えて言えば、成城石井と信濃屋とカルディを足して3で割ったような感じといえば当たらずといえども遠からずといったところでしょう。ワインは概ね2千円前後の品を中心にして揃えられています。どうみても下町のお年寄り向きではありませんね。いろいろ目移りしたのですが、中でも「トリエンヌ」という赤ワインに興味を惹かれました。ロマネ・コンティのオーナーとブルゴーニュのトップ生産者デュジャックが手を組み、新天地プロヴァンスに乗り込んで「法律に縛られず、自由にワイン造りをしたい」、「もっと多くの人に飲んでほしい」という夢を実現したのがトリエンヌなのだそうです。デュジャックが使っていた一流の樽を使ったり、収穫量を贅沢に落としたりと、採算を無視して造られたワインという触れ込みです。私にはちょっと高めの価格ですが、これしかないと決めかかったときに目にしたのはレジ前に積まれたワインに付けられた「砂町銀座で第一位のお勧めワイン」というお店のスタッフさん手書きのメモ。こちらはスペインのカヴァですが、私の直感を信じるか、はたまたお店のスタッフさんのセンスを受け入れるか、ハムレットの心境です。でも、ここは専門家のお勧めに従いましょう。。。

ついでにですが、イオンリカーにはネイバーフッドという仕組みが導入されています。登録された近所の飲食店にお店で買ったワインを持ち込めるというのです。ワインと縁のない和食の飲食店でも、気に入ったお料理と専門店にしかないワインが楽しめるといったメリットがあります。持ち込み料は概ね千円で、無料のお店もあります。こういったコラボの形態はこれから広がっていくかもしれませんね。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(カヴァ) スペイン: VICENTE GANDIA EL MIRACLE CAVA BRUT

特に解説はありません。ラベルの右上に何かのコンクールで受賞したのでしょうか、丸いシールが貼ってありました。曰く、「CONCOURS MONDIAL BRUXELLES Medaille d'Or 2010 Gold Medal」。

「エル ミラクレ カヴァ ブリュット」と読みます。「FIZZY/辛口」とありますので、辛口のスパークリングワインのようです。お店のスタッフの方が選んだ「砂町銀座第一位のお勧めワイン」と表示されていました。恐らく、このお店で一番美味しいワインという意味ではなく、コスパ的に一番ということだと思います。このカヴァを造っているのはバレンシア地方にある「VICENTE GANDIA」という会社のようです。このカヴァについては、こんな解説があります。何か嬉しいことがあった時に気軽に祝杯をあげるには丁度いいワインですね。

特に何もお祝いするような日でもなかったのですが、東京秋天といえるような素晴らしい秋晴れだったので、お天気に乾杯ということで飲みました。日の入りの時刻に西の空に雲がかかっていなければ、ダイヤモンド富士が見れたかも。。。それはさておき、シャンパングラスに注いでみますと、意外と色は薄く、殆ど無色といってもいいくらいです。泡もそんなに立ちません。口に含みますと、ちょっと刺激的な炭酸の味がしますが、辛口というほどではありません。甘さが全くないので味が薄いように感じられますが、これは晩秋に飲んだからなのでしょう。暑い時期とか、気分が高揚したお祝いの席で飲んだらもっと違った味がしたのではないかと思います。さて、ロマネコンティのオーナーが造ったという赤ワインとどっちがどっち?

カヴァと一緒に頂いたのは、お店で買ったイベリコ豚のパテとアメリカで人気のチーズ味プレッツェル、それに手作りの柿なますです。イベリコ豚のパテはねっとりとした上質のパテで、やや甘みがあり、辛口のカヴァにはよく合います。プレッツェルはちょっとしたスナック感覚ですが、チーズ味が濃くてこれもカヴァに合います。柿なますでカヴァを飲んだのは私が人類最初の人間ではないかと思います。砂町銀座で一袋100円のなますを3袋買ったら1袋おまけしてくれました。なんで、4袋のなますと今が旬の柿3個を合わせて柿なますにした次第。普通は小鉢で箸休めに食べるものですが、大皿にも入らず、デカボウルになりました(ボウル手前は30cm物差しです)。甘酸っぱいなますとねっとりとした柿のコラボは絶妙のハーモニーでした。















(赤) フランス: TRIENNES LES AURELIENS (2009)

ドメーヌ・ド・トリエンヌは、フランス・ブルゴーニュ地方の卓越したワイン生産者であるドメーヌ・デュジャックと、あのドメーヌ・ド・ラ・ロマネーコンテのオーナ達が中心となり、南フランスのプロヴァンス地方に新たなる可能性を追い求め、築き上げた葡萄園です。ブルゴーニュではピノ・ノワール種やシャルドネ種以外に手にすることのない彼らが、もしカペルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種やシラー種やヴィオニェ種などでワインを造ったら・・・というワイン愛飲家の夢が形になった、従来のヴァン・ド・ペイとは一線を画すワインです。

どうしても前出のカヴァと比べたくて、後日買い求めました。別に、スタッフの方と競う気はありませんが。。。単にこのワインが棚に並べて置かれているだけだったら、私の注意を惹くことはなかったでしょう。また、スタッフの方が手書きされたコメントに「ロマネ・コンティ」の文字が入っていなかったら、手に取ってラベルの解説を読むことはなかったでしょう。初めて見るワインでしたが、この解説に惹かれたのです。裏面の解説には、カベルネ・ソーヴィニヨン種とシラー種が使われていると書いてあります。また、通常は記載されていない「スティルワイン」の表記もあります。これは、発酵させる時に発生する炭酸ガスを除いた非発泡性の通常のワインという意味です。シャンパンやシェリー酒などと区別するための表現です。

私には珍しく高価なワイン(大したことはありませんが)なので、グラン・クルー用のグラスに注ぎます。色は割と濃いですが、それほどでもないですね。最初はあまり香りが引き立ちません。口に含みますと、少しの酸味と渋みが感じられ、結構辛口です。コクは少ないですね。あれっ、こんなもんかと飲み進んでいきますと、段々と香りが引き立ち、渋みとコクが増してきます。ボトルの残り三分の一位になったところで、香りが更に強まってきました。恐らく、デキャンタして1時間位置いて飲んだら、本来の香りとコクが味わえたのかもしれません。今までのプロヴァンス地方のワインとは違った味であることは確かです。私はラングドック・ルーション地方の味に近いと思いますが。。。

















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