東北沢・やすたに



『Hanako』シリーズ復活の第九弾です。

新宿から小田急線の普通電車に乗ると大抵代々木上原の次の小さな駅で急行とか特急を待ちあわせます。ここが東北沢駅です。通過列車のための線路があるせいか、駅はかなり大きく見えます。駅の外にでるとお店はほとんどありません。駅の端には踏切があり、狭い道ながらもバスが通っています。このバス通りに沿ってこじんまりとした商店街があります。『やすたに』はその中にあります。表からみるとごく普通の酒屋さんです。入り口のところにはビールやお酒が並んでいて、看板にWineの文字がなければそれとは気づかないでしょう。ちょっと変わったところでは、ワインの空瓶がデコレーションとして使われていることです。レストランなどではよく見掛けますが、酒屋さんでは珍しいのではないかと思います。

恐る恐るお店の中に入ると、奥が壁で仕切られていて狭いながらもワインが並べられています。ここのご主人はかなりフランス・ワインに入れ込んでおられるようで、現地に行かれた折りのワイナリーの人達と一緒に撮った写真がそれぞれのワインの解説と共に添えられています。レジ近くにはかなり高価なワインが揃っていて、中には手にとることすらお店の人に断らないといけないものもあります。結構お値打ちなものもあるようです。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(白) フランス: LA VENDANGE DES MOINES (1995)

Vin De Pays Des Alpes Maritimes

Recolte 1995

Quid est quod debui ultra facere vineae meae

Les Moines de l'Abbaye de Lerins se sont etablis sur l'Ile Saint-Honorat a la fin du IVeme Siecle. Ils continuent a y travailler, selon les methodes traditionnelles, l'olivier et la vigne qui sont les cultures les mieux adaptees, depuis la plus Haute Antiquite, dans tout le bassion mediterraneen.

このワインはグループ共同輸入ということで日本語の解説はありません。さっさと仏和辞書を買っていればなんとか日本語でご紹介できたのでしょうけど。。。Hanakoに書かれていた解説によりますと、このワインは地中海のとある島の修道院の僧達が造っている極めて珍しいマニア垂涎のワインらしいです。これまでは門外不出とされ、VIPしか味わえなかった幻のワインだそうですが、今回特別なはからいで輸入されたそうです。きっと素晴らしい味なのでしょう。勿論、ご主人と修道僧(意外と若いハンサムな方達ばかり!(<−修道僧が、です))が一緒に写った写真も添えられていました。私が一本買ったので残りはあと一つ。。。

このボトルのコルク栓はとても柔らかく弾力に富んでいます。ワインの熟成には合っているのかもしれません。修道僧ワインという名前からちょっと神秘的な味を予感していたのですが、ごく普通の白ワインでした。あまり味に華やかさはなく、結構辛口で酸味の強い感じがします。一生懸命味を表現する言葉を探しているうちに気がついたら一本空になっていました。。。

折角のいい白ワインなのでお肴もちょっと贅沢な一品を選んでみました。鱧の湯引きというと夏の京都の代表的な食材ですが、東京なら江戸前の穴子の湯引きに限ります。見た感じは鱧と似ていますが、皮がついている分ほんの少し脂っこさを感じます。穴子のお腹のところを骨切りしてありますので(穴子に骨がどの程度あるか知りませんが)、これを湯引きすることによってふっくらとした食感が得られます。これに酢味噌を和えて頂きます。これが辛口の白ワインにピッタリなのです。鱧もそれはそれで美味しいのですが、穴子の湯引きはまた格別です。穴子は鱧に比べればまだまだ庶民の手にも届きますのでこれはお勧めのお肴だと思います。暑い夏の日に汗をかいて働いた後、お風呂上がりに白ワインと穴子の湯引きがあれば実に幸せな時を過ごせます。是非お試し下さい。













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