新宿・リカー サポート ギギー



夜の新宿はこの世の歓楽をすべて飲み込んでしまう不夜城のようです。特に東口から数分歩いたところに位置する歌舞伎町は昔からありとあらゆる人間の欲望を満たすまさに歓楽街として有名です。バーやクラブは勿論ですが、飲食店の多様さと数も大変なものです。そんな歌舞伎町も太陽も眠たい午前中に歩くと全く別の顔をしています。ネオンに照らされた夜の顔は華やかではあってもどこか不健康な感じを受けますが、朝の顔は太陽のさんさんとした陽光にまぶしそうでお化粧を落したちょっと興ざめな感じです。

そんなことを感じながらどんどん奥の方に歩いていくと比較的大きな通りに出ます。税務署通りというのだそうですが、別に日本中の税務署が並んでいる訳ではありません。きっと通りのどこかに新宿税務署があるのでしょう。この通りを挟んで歌舞伎町の歓楽街は終わり住宅地に変わります。このあたりを歩くとやたらとハングル文字が目につきます。文字だけでなく、話している人達の言葉も韓国語のようです。食堂などでは本格的な韓国料理が味わえますし、食材屋さんでは韓国直輸入の本場の調味料なども手に入ります。

この通りに沿ってなんでも揃うディスカウント店として知られるドンキホーテのお店があります。結構広くて、とにかくありとあらゆる商品が売られています。中には300万円もするブラジル製のかっこいいスポーツカーも売られていました。残念ながらお酒はありません。このドンキホーテを挟んで2軒の酒屋さんがあります。一軒目はここでご紹介する『リカー サポート ギギー』、もう一軒は次にご紹介する『BIG新宿店』です。どちらも比較的こじんまりとした酒屋さんですが世界のワインと銘打ってかなり品揃えは豊富です。

『リカー サポート ギギー』は、新宿職業安定所と通りを挟んだ真向かいにあり、昨年開店したばかりの酒屋さんだそうです。駅からちょっと離れている分、目につきにくいのが残念ですが、よく整理された棚には国別に比較的お手頃なワインが並んでいます。お店のご主人もワイン販売に情熱をもっておられるようです。ついでにといってはなんですが、いままでいろんな酒屋さんをご紹介した中で気がついた、ワインを買いやすいお店の特徴を上げてみたいと思います。

  1. お店が開放的で入りやすいこと。 日本酒やビール、それにウイスキーなどは、お客さんはお店に入る前から買いたい銘柄を決めているケースが多いのではないでしょうか。こういう品物はとにかく現物が安く手に入ればいい訳です。ところが、ワインは欲しい銘柄があっても必ずしもお店にあるとは限りません。従って、ワインを買いに来るお客は何かいいのがあったら買おうと思ってお店に来る訳です。外から見てワインが沢山並べられていて入り口が広ければちょっと覗いてみようかという気になります。

  2. ワインは一定のルールできちんと分類されていること。最近ではちょっとした酒屋さんでも400−500本のワインをお店に置いています。人によっては、生産国に拘りをもっているかもしれませんし、赤/白がはっきりしているかもしれません。あるいは値段の高いワインは最初から除外しているかもしれません。とにかく何らかの規則があればいいのです。

  3. 説明書きを丁寧に。日本語のラベルが貼ってあればかなりワインの性格も分かりますが、フランス語やドイツ語のラベルではお手上げです。銘柄がよく知られているワインはさておき、そうでない品については2−3行でワインの全てが分かる説明があると買いやすいです。

  4. 特色あるワインをストックする。ワインの銘柄は多種多様ですが、意外とどのお店も品揃えは似たりよったりです。珍しい国のワインとか、特色あるラベルとか、話題性のある銘柄とかは値段が高くても、遠くからでもお客は買いにくるのです。今はインターネットの時代ですから、Hanakoに掲載されなくても宣伝の手段はいくらでもあります。

  5. やはり味に自信のあるものを揃える。極端に安いワインにいいものは稀です。安くてもいいものをそろえるのがお店の主人の腕です。お客も最初は安いワインを買いますが、それがよかったら次第に高いワインに移っていきます。最初飲んだワインの印象が悪かったらそれっきりです。よく赤ワインは苦手という方がいますが、あれはきっと最初の一本の選択を誤ったのではないかと思います。そういう意味では、お客がワイン好きになるかどうかは最初の一本にかかっていると言っても過言ではありません。


あくまで個人的な意見です。人によっては全く違うご意見の方もおられるでしょうから、あまり当てにはならないと思いますが。。。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(白) オーストラリア: BIN 222 CHARDONNAY (1994)

柔らかなシャルドネ独特の果実香とフレンチオーク樽の繊細なバニラ香の後、奥深い複雑な味わいが口の中いっぱいに広がります。オードブル、シーフードは勿論、鳥肉や豚肉等にもよく合います。WYNDHAM社で作り出された白ワインです。

お店にある数百本のワインの中で何故かこの一本だけが薄手の紙に包れていました。とても上品な薄い緑色の花柄模様の包装紙で、おまけにリボンまでかけられていましたので中を確かめることなく買いました。なんとなく運命的なめぐり会いの感じがします。ちょっと大げさか。。。

勿体無いとは思いつつ、包装紙をとると黄金色をしたボトルが出てきました。光の加減によってはこのような色になるのも珍しくはありませんが、グラスに注いでもやはり黄金色なのです。シャルドネに色があったかなと思いながら慎重に口に運ぶと、これがなんと梅酒のような果実風味がするのです。そういえば、長年漬け込まれた梅酒もやはり黄金色をしていますが、なにか共通点があるのでしょうか。そんな思いで更に飲み進んでいくと、不思議なことに梅の香りが消え本来のワインの味になってきます。ちょっと辛口ですがなかなか面白い白ワインです。このような味はオーストラリアでしか出せないのではないかと思います。でも何故包装されていたのでしょうか?



(白) オーストラリア: BROWN BROTHERS DRY MUSCAT (1997)

1889年にジョン・フランシス・ブラウンがオーストラリアのヴィクトリア州ミラワで初めてワインを醸造。以来、その技術と伝統は代々ブラウン家に受け継がれ、高品質のバラエタル・ワインを育んできました。今ではブラウン・ブラザーズは、オーストラリアを代表するワイナリーとして世界中で高い評価を得ています。マスカット・アレキサンドリア種を原料とする香り豊かなワインです。マスカットの芳醇な香りとフルーティな風味とが口中に広がり、なおかつ爽やかな酸味と辛口の仕上がりが特徴です。このまま飲んでも美味しく、繊細な和食全般に合わせることができます。良く冷やしてフレッシュさをお楽しみ下さい。中辛でライトボディの白ワインです(白でライトボディというのかな?)。

瓶の色がかなり濃いグリーンでとても爽やかな感じがします。マスカット系のワインは本当にみずみずしく爽やかです。オーストラリア産でマスカット系は珍しいのではないでしょうか。これはお刺し身とピッタリ合うと思います。

この白ワイン自体にはあまり味がなく透明な感じでかつ非常に繊細なので、お刺し身といっても赤身の脂身の強いものより、白身の淡白な高級魚が合うようです。最初うなぎの蒲焼きと、次に鰹のたたきと合わせましたが、ちょっと相性はよくなかったようです。相性がよければこの白ワインの味も非常に引き立つのではないかと思います。なかなかのお勧めです。



ボトルもラベルもなかなかスマートで魅力的です。。。










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