中目黒は営団地下鉄日比谷線の始発駅であるとともに東急東横線の駅でもあります。都心に行くにもとても便利で、ハイセンスな代官山と隣り合わせなので若い方にも人気のある街です。駅を出ますとすぐ山手通りにでます。都内でも幹線道路なので、ひっきりなしに車が行き来しています。山手通りの両側にはいろんなお店がひしめいています。パチンコ店が多いのは車の騒音を打ち消すためでしょうか。ちょっと横丁に入ってみます。小さな食堂や飲み屋さんが沢山あります。そのせいか通りを歩くとあちこちからいいにおいがしてきます。そんな中の小さなビルの入り口に『1066 英国レストラン』という看板があります。以前、東京うまいものとかなんとかいうグルメ雑誌でイギリス料理を出すレストランを探したところこの一軒しかみつけることができませんでした。恐らく今でも変わっていないと思います。
イギリス料理というと何を思い出されるでしょうか。本当は英国料理というより、スコットランド料理とかウェールズ料理とかいった方がより特色がでるのではないかと思います。それほどこれらの『国』は文化も食べ物も違うのです。また、『イギリス料理に旨いものなし』というのは大きな誤解だと思います。イギリス人は(精神面は別にして)日本人ほど贅沢な生活はしていません。そういう質素な食事に行き当たれば美味しくないと思うのは当然のことです。要するに美味しいお食事に出会わなかっただけのことです。ちゃんとしたパーティに出れば信じられない位の繊細なお料理に出会えます。そうはいっても、『キドニーパイ』などははっきりいって日本人には合いません。『腎臓』という日本人にはあまり食さない食材のせいもありますが、あれは私には食べられません。焼き鳥にでもしたら美味しいかもしれませんが。私のお勧めは、真夏の日曜日の昼下がりに郊外の原っぱにポツンと建つパブで頂く『Sunday Lunch』です。薄っぺらなローストビーフに大きなじゃがいもが皿の上にのって、その横にヨークシャー・プディングがちょこんと置いてあります。パブの建物の外の草原のテーブルにお料理の皿とビール(それも1パイントのコップになみなみと注がれた)をのせ、じりじりと照り付ける太陽の下でどこまでも平坦な陽炎ゆらめく緑の丘を眺めながらゆっくりと時を過ごせばお食事も最高にすすみます。ローストビーフにビールは最高の取り合わせです。
今日のところは我慢して、駅の反対側の通りに入ってみます。『目黒銀座商店街』とかなんとかかいてあります。略して『Me−Gin』というそうです。なにも無理に略さなくてもいいとおもうのですが。。。『Me−Gin』ではなんのことかわかりませんね。面白いのはどの通りに行ってもこの『Me−Gin』なのです。それはそれとして、このあたりのお店はどこも昔ながらの小さなたたずまいです。通りを間違えたのか、あまりワインを扱っているお店は見当たりません。仕方がないのでそのまま商店街を抜けて住宅地に進みます。普通の個人住宅に加えてアパートなども散見されます。とりたてて豪華な家はありませんが、庶民の生活感が漂っています。
突然、静かな住宅地にけたたましい雀の鳴き声が響きます。軒を見上げるとカラスのような大きな鳥が(恐らく子供の)雀を口にくわえています。そのまわりを(恐らく母親の)雀が必死に飛びまわっています。そのうちにカラスのような鳥は(子供の)雀をくわえたまま飛び去っていきました。勿論(母親の)雀も後を追いかけました。都会の夕暮れの一瞬の出来事でしたが、自然界の生存競争の厳しさというか、可哀相と思ってもどうにもならない自然の摂理にやるせない気分になりました。
また少し歩きますと、お店がぼちぼち見えてきます。祐天寺です。電車では中目黒からほんの1−2分ですが、ゆっくり歩くと20分ほどかかります。祐天寺の駅前にはちょっとしたロータリーがあって、何本かの道が商店街と共に伸びています。駅のすぐ横には東急ストアが入っています。表から見るとあまり奥行きは感じられませんが、中に入ると鰻の根床のように長く(実際に鰻が寝ているのを見た人がいるかどうか知りませんが。。。)、全体とすれば結構な広さです。丁度夕食のお買い物の主婦でしょうか、沢山の食料品を買っていかれます。店内の中ほどにビールの箱が少しですが積み上げられています。ワインもまわりが正方形をした棚に少し置いてあります。国産のワインが多いようです。中には少し値の張るものもありますが、殆どはポピュラーな品々ばかりです。
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。