- 谷戸川コース
- コース 踏破記
- 遂に秋が到来しました。今日は1ケ月ぶり位の快晴、いや秋晴れです。8月のカンカン照りの夏空もいいですけど、柔らかい日差しに心地よい秋風は快適そのものです。今日は絶好のお散歩日和なのでちょっと遠出しようかと思ったのですが、結局近場の谷戸川を歩くことにしました。私は長いこと東京に住んでいるのですが、谷戸川という川の名前を知ったのはつい最近です。東京の河川を歩くシリーズで荒玉水道道路を歩いた際、偶然立ち寄った笠森公園の案内板を見て谷戸川の存在を知りました。それから気になっていたのですが、どこに源泉があって、どういうルートを流れているのかよく分からなかったのです。川歩きにも慣れてきて、ネットで川の情報を調べるコツもかなり習得しましたので、今回チャレンジしてみようと思います。早速ネットで谷戸川の源泉について検索しましたが、いろいろな情報が溢れていてどれが正しいのかよくわかりません。ま、後は自分の目で見て判断しましょう。
谷戸川
- ウィキペディア
- 谷戸川(やとがわ)は、世田谷区を流れる河川です。祖師ヶ谷大蔵駅周辺から南流し、世田谷区立山野小学校の横を通過し、砧公園を貫流して世田谷区岡本で丸子川に合流します。
- 笠森公園内の世田谷区の案内板
- 公園の下を流れる水路は、岡本静嘉堂の先で丸子川に合流する谷戸川の上流です。谷戸川は、その昔この公園あたりの旧小字(あざ)で、東山野という丘から湧出する泉を水源とする流れでありました。・・・
- いつも参考にさせて頂いている個人のHP@
- 谷戸川は、世田谷区千歳台付近を水源とし、砧公園を経て岡本静嘉堂緑地の脇で六郷用水(この場合、丸子川と称したほうが適しているかも知れない)に合流する4.5kmほどの河川です。谷川や谷頭川といった表記もみられます。その源流は環状八号線脇の成城警察署付近とされます。
- いつも参考にさせて頂いている個人のHPA
- 谷戸川は世田谷区を流れ、全長わずか3.5km(3.4kmという説もあります)のコンパクトな川です。世田谷区千歳台にある環八に面した成城警察署付近に端を発し、環八を一旦東に越えた後、東京都水道局世田谷営業所南部第二支所の横を掠めて再び環八を西に越え、小田急線を潜って南下します。かつて東山野と呼ばれていた区内最高地点(標高53.6m)の高台の下を抜けて砧を貫き、世田谷通りを越えて砧公園を横切っていきます。そして遂には岡本静嘉堂の南端で仙川から分水される丸子川(六郷用水)と合流する河川です。
谷戸川は「やとがわ」と読むんですかぁ。私は今までずっと「たにとがわ」と読むとばかり思っていました。谷戸川の源泉については上記のように諸説ありますが、私が実際に歩いてみて最も妥当だと思われたのは、個人のHPAさんの成城警察署付近に源泉があったという説です。他の説も誤りということではなく、ある時代には水源のひとつであったということかもしれません。ということで、千歳船橋駅から環八に面した成城警察署に向います。
成城警察署の周辺をくまなく調べてみましたが、谷戸川の源泉らしき痕跡はどこにもありません。この先で最初に谷戸川の痕跡が現れるのは笠森公園です。成城警察署から笠森公園までのかっての谷戸川の流れを推理します。この瞬間が源泉のはっきりしない川歩きで一番面白くもあり、楽しくもあります。環八を渡って向かい側にある郵政宿舎の敷地内を探索します。どこにも川の痕跡はありませんね。裏門から出て郵政宿舎のフェンスの反対側を見ますと、環八からひとつ東側に入った道路が真っ直ぐ南方向に延びています。マンホールも下水道の蓋もありませんが、道路の先は荒玉水道道路と環八と千歳通りがトライアングル状に交差する地点に繋がっています。そこから笠森公園までは川筋としてごく自然な感じです。既に成城警察署近辺での谷戸川の川としての機能は失われていますので、流路は完全に埋立てられて道路になってしまったと考えるのが妥当でしょう。つまり、かっての谷戸川は現在の成城警察署付近から、昔は存在しなかった環八を横切って現在の郵政宿舎の敷地内を流れ、右方向に流路を替えながら、トライアングル交差路に向っていたものと思われます。
道路を進みますと、民家に突き当たります。でも、民家の横には草が生い茂った水路跡のようなスペースが延びています。トライアングル交差路から先ほどの民家の方向を眺めて見ますと、ビルの手前に草が生い茂った小さな空き地があります。
振り返って空き地から延びる直線を引いてみますと、水道局の駐車場の脇にあるフェンスで遮られた通路にピッタリと重なります。どうやら、これが谷戸川の水路の跡のようです。
水道局の裏手に回りこんで水路の跡と思われる通路の先を確かめますと、環八に真っ直ぐ延びています。勿論、環八には水路の跡などありませんから、一旦環八を渡って反対側から水路の先を調べてみることにします。
環八船橋交差点に架かる歩道橋を渡って反対側から水路の跡(既に谷戸川と断定している。。。)を望みますと、隣のビルに健康食品の販売で知られる世田谷自然食品の大きな看板が見えました(谷戸川とは関係ないですけど)。で、水路の先を環八を越えて延ばしますと、住宅の路地になっています。マンホールは幾つかありますが、突き当たりは民家になって進めません。
一旦、荒玉水道道路に出て笠森公園に向います。公園には遊具なんかも置いてあって、幼稚園の園児達が遊びに来ていました。今時珍しい旧式の手漕ぎポンプもありますね。
荒玉水道道路を歩いた際に見つけた公園内の案内板を改めて読み直してみます。
谷戸川の由来
公園の下を流れる水路は、岡本静嘉堂の先で丸子川に合流する谷戸川の上流です。谷戸川は、その昔この公園あたりの旧小字(あざ)で、東山野という丘から湧出する泉を水源とする流れでありました。時のうつりかわりと共に、その流れも姿をかえて、現在では山野小学校付近から上流は暗渠化され、それより下流に水面を見ることができます。この公園の井戸は谷戸川の水源を想定して身近に”水”と親しむことを目的に設置しました。
谷戸川は環八の手前から笠森公園まで地下を流れるようになっていたのですね。先ほど突き当たりになっていた民家の方角からすると、ちょうど笠森公園を北東から斜めに進んで、公園の南西端に抜けるように地下水路が造られているように思えます。それを延長すると、荒玉水道道路から分かれた住宅地の道路の脇にコンクリート板で覆われた下水道のような歩道が延びています。
道なりに進みますと、小田急線の高架下を抜けて山野公園の脇に出ます。水路らしき痕跡は公園の敷地には見当たりません。
公園の斜め先には山野小学校の校舎があります。回り込んで校舎の脇に行きましたら、ありました!谷戸川がやっと姿を現しました。流量は少ないですけど、ちゃんと水が流れています。
姿を現したといっても、谷戸川には殆ど側道がありません。山野小学校から先、短い区間には側道がありますが、直ぐに途絶えてしまいます。後は回り道のオンパレードです。
山野小学校の脇を通り抜けた先に谷川(やがわ)橋があります。何気なく通り過ぎたのですが、後で調べてみると谷戸川と深い関わり合いのあることがわかりました。谷川は谷戸川の支流という位置付けですが、元々は谷戸川の下流部にあたり、合流地点から上流部が谷戸川、下流部が谷川と呼ばれ、谷川は野川に注いでいました。しかし、六郷用水ができた際に下流域の谷川は流路を変えられ消滅してしまいました。それで、現在では上流域から丸子川との合流点までの全ての区間が谷戸川となりました。谷川橋の下で谷川から注ぐ開口部があるそうですが、残念ながら見落としてしまいました。
谷戸川は開渠区間と暗渠区間を繰り返し、大蔵保育園に突き当たります。その先には小さな公園があり、端っこに橋の欄干が残されていました。保育園と公園の地下を流れてきた谷戸川が再び姿を現します。
塔之下橋の先から世田谷通りの手前までちょっとした緑道が続いています。
緑道の右手の広場の先に巨大な建物が見えます。NHK技術研究所です。放送機材の研究開発においては日本で唯一の研究所だそうです。PCMデジタル録音機もここで開発されたんですね。
世田谷通りを越えると、再び側道はなくなります。流路も急激に方向を変えたりして、回り道を間違えると、とんでもないところに行ってしまいます。
路地を迂回して谷戸川を探していたら、美術館通りに出ました。ここから先が砧公園の敷地になるようです。標識の隣りには谷戸川が流れ込んでいます。
敷地の境にはフェンスが張り巡らされ、入口はかなり離れたところにあります。公園の中に入って先ほどの標識のところに戻りますと、どこにも川は見当たりません。少し先の方に木々が生い茂った場所があります。近寄ってみますと、ひからびた堀のようなものが見えます。どうやら、谷戸川は美術館通りの手前で地下に潜り、砧公園内で再び開渠になっているようです。
谷戸川は砧公園のド真ん中を南北に縦断して流れているのですが、私が見た範囲では谷戸川には5つの橋が架かっていました。名前不詳の吊り橋・「一の橋」・「二の橋」・「三の橋」・「四の橋」です。吊り橋の両端には段差があって、片方は階段を使わないと橋を渡れません。なので、車椅子は通行不可です。
砧公園内の谷戸川には川沿いの遊歩道はありません。散策コース路を進むしかないので、橋の近くを通る度に橋の中央まで行って川筋を確認します。不思議なことに、公園の途中から谷戸川には水が流れています。この水はどこから流れて来たのでしょうか?それに、谷戸川が公園に潜る手前では結構水が流れていたのですけど、あの水はどこに吸い込まれていったのでしょうか?
三の橋を渡った先に「見えない貯水池」という案内板が立っていました。砧公園の敷地は半端なく広いので、大雨の時に敷地全体に降る雨水は膨大な量になるのでしょう。
見えない貯水池
この公園には、はげしい雨が降った時、たくさんの雨水がいっぺんに「谷戸川 」へ流れこまないように左の図のようなしくみがつくってあります。雨が降りはじめると、雨水は地下につくった施設の中に入ります。この施設には、水を土の中に浸みこませるはたらきがあります。したがって少しの雨であれば、雨水はみんな土の中に浸みこんでしまいます。しかし、たくさんの雨が降ってきた時は、水の浸みこみが間に合わなくなり、雨水はまわりにつくってある土手の内側に貯まり、公園の中が池のようになります。雨がやむと水はゆっくりと時間をかけて少しずつ「谷戸川」に流れていきます。そして貯まった水はいつのまにかなくなってもとのとおりになり、池は消えてしまいます。つまり「見えない貯水池 」というわけです。
四の橋の先で、谷戸川は東名高速道路の土手下に造られたトンネルに流れ込みます。公園西門を出て東名高速道路の上に架けられた公園橋を渡って東名高速の側道を戻るようにして先ほどのトンネルの出口を探します。側道は下り坂になっていて、ちょうど谷底に当たる場所にコンクリートで固められたトンネルの出口が顔を出していました。
ここから先は丸子川との合流地点まで開渠区間が続きます。トンネルの出口に架かる橋は一之橋といい、次に架かる庚申橋を別にして合流地点まで二之橋・三之橋・・・八之橋と続きます。橋の名前を付けるのが面倒だったのでしょうか?
谷戸川が丸子川に合流する手前に岡本静嘉堂緑地があり、谷戸川は緑地の東側の境界に沿って流れます。
岡本静嘉堂緑地案内図
岡本静嘉堂緑地は、国分寺崖線の一画にあり、もとは岩崎家が所有する庭園であったものです。昭和20年頃までは庭園として維持管理がなされていましたが、その後、人の出入りもなく、ほぼ自然状態のままにあったため貴重な自然が残されています。地域の貴重な財産として末永くこの緑地を残し、人々が身近に自然にふれあう場となることをめざしています。
岡本静嘉堂緑地内には人工の川も造られています。この辺りは国分寺崖線、つまりハケになっていますので、崖から湧き出た水が水源となっているのかもしれません。
岡本静嘉堂緑地の南側の境界に沿って丸子川が流れていますが、谷戸川は緑地の東南の角で丸子川に合流します。合流地点にはあまり水は流れていませんね。
ということで、谷戸川の歩きを終えました。途中、側道があまりなく、流路を追うのに難儀しましたが、それはそれで面白かったです。あと、成城警察署から茂森公園までの川筋の跡を推理するのは楽しかったですね。暗渠化された都心の川ほど源泉を探すのは手間がかかるのですが、それが面白いのです。いい歳をして、ヒマに任せて何をくだらないことをしているのだ!と思われるかもしれませんが、いいんですぅ。。。
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