14.葛西親水四季の道  

葛西親水四季の道

葛西親水四季の道は、江戸川と中川を結ぶ水上交通路として栄えた「長島川」を水と緑と彫刻のある“四季の道”に整備し、平成元年に総延長2、100メートルの親水緑道として開通したものです。葛西地域を東西に流れる沿川を各地区の特性にあわせて街並に溶け込むように整備しました。遊戯施設のある子ども広場が4ヶ所あり、ユニークな彫刻も各所に点在しています。

コース 踏破記  

今日は江戸川区の「14.葛西親水四季の道」を歩きます。東葛西二丁目の15番地と16番地の間をスタート地点として、旧長島川の水路跡に造成された緑道を南西方向に進み、新長島川親水公園手前の虹の広場通り交点まで歩きます。

スタート地点:東葛西二丁目15番と16番の間

ゴール地点:虹の広場通り交点


東葛西二丁目15番と16番の間をスタート地点として、葛西親水四季の道を歩き始めます。



スタート地点は住宅街の道路の真ん中にありますが、この場所から突然水が湧き出した訳ではなく、かっての長島川は江戸川(現在の旧江戸川)の妙見島西側から分流する江戸川デルタ地帯の派川のひとつでした。旧江戸川から南西方向に流れ、現在の西葛西七丁目の西側で東京湾に注いでいました。その河口周辺は昭和四十年代頃に埋め立て工事が行われ、現在の清新町になっています。埋立てで海への出口を失った長島川河口から先へ延長されたのが新長島川で、その延長は400mほどです。新長島川は新左近川に合流する形になり、新左近川の支流となりました。両河川は埋め立てられ、流路跡の多くは今ではせせらぎや池のある親水公園として整備されています。



緑道は道路の真ん中を中央分離帯のように通っています。



長島川に架かっていた橋の親柱が残されています。昭和初期に現在の葛西橋通りが開通し、長島橋が架けられたそうです。緑道には、他に馬頭橋・九貫橋などの親柱も残されています。



現在、環七と葛西橋通りが交わる長島町交差点の名称は、かて東葛西の北部に位置した長島村に由来します。長島村は、葛西地域の中で最も歴史が古い地区で、江戸川河口には長島湊がありました。



緑道のところどころに彫像が建っています。この彫像には「双会」というタイトルが付けられていて、相対する並列した彫りの2個の石は自然の山河と人間が合体象徴されています。また、2個の対は、お友達・親と子・夫婦の連れ合い・兄弟・姉妹・隣同士行き交う人との触れ合い・人と人との和の賛歌の願いが込められています。作者の川島猛氏は、昭和五年(1930年)に香川県高松市に生まれ、香川県立工業学校(現香川県立高松工芸高等学校)航空機料へ入学し、卒業後に武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)油絵科に入学した異色の経歴を持っています。



九貫橋の親柱が残されています。20年位前に、「東京歴史と文化の散歩道 砂町葛西瑞江コース 古川せせらぎ散歩」で通りましたね。全く記憶に残っていませんが。



現在でも葛西親水四季の道の水路には江戸川から取水された水が流れているそうです。住宅街の中から突然始まった緑道の始点の先には地下の導水管が埋められているんですね。



緑道の脇には何カ所かの公園が設けられています。長島一号公園は、江戸川区役所葛西事務所前の公園で、広いじゃぶじゃぶ池があり、小さな子どもから小中学生まで楽しめます。起伏に富んだ園内は散歩にも最適です。公園の前には「道標・鳩」と題された彫像が建っています。作者の柳原義達氏は、自分の歩いた道に道標を置いておこうとカラスやハトのシリーズを制作しているそうです。田舎道にある道祖神や地蔵様のような親しみ深さある感動を表現しています。ハトは胸を突き出してどこから見ても美しい命をたぎらせています。



長島一号公園の道路を挟んだ向かい側には滝野公園があります。滝野公園は多くの植樹に囲まれた緑溢れる公園で、設備はベンチ・水道・トイレがあります。自販機の設置もありますので、のんびりと休憩することができます。遊具などは設置されていませんが、広場があり憩いの場となっています。



葛西親水四季の道・水と親しむ会は、長年の地域をあげての自然環境を守る活動が評価され、2016年4月に国土交通省の「手づくり郷土賞」を受賞しました。


案内板では、東西と南北が逆に表示されています。


馬頭橋の名前は、この辺りに馬頭観音があったことに由来するそうです。



花壇の間に「コアラ」というタイトルが付いた彫像が建っています。作者の浜田彰三によると、「自然のモデルの形を自然な形で、石の素材感と調和するように表現した」とのことです。



この区間は高低差があるのか、水が勢いよく流れています。



東西線の高架を潜った先の緑道にミニ田んぼが設けられています。

この田んぼを耕して、第七葛西小学校の児童が米作りに挑戦しています。みなさまにも苗の成長がよくわかりますので、温かく応援してあげてください。

                    葛西親水四季の道「水と緑に親しむ会」




囲っただけですが、「ワラビーさんの広場」があります。ワラビーは、オーストラリアの森林地帯や岩の多い地域・半乾燥地の広大な草地・都市近郊の森林地帯など様々な環境に適応し、幅広く分布生息しています。ワラビーは、カンガルーやワラルーよりも小さな種に対して一般的に使われている名称です。カンガルーに比べて後ろ足が小さく尾が短いという特徴を持っています。しかし、後ろ足で跳躍して移動することや育児嚢で子供を育てることなど、基本的な習性はカンガルーと同じです。江戸川区自然動物園でも飼育されているそうです。



緑道の終点に近づいてきました。



緑道の脇にカイノキが植えられています。カイノキ(楷樹・楷の木)は、ウルシ科カイノキ属の落葉高木で、別名クシノキ(孔子の木)とも呼ばれています。カイノキは、直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから、楷書にちなんで名付けられたとされています。別名のクシノキは、山東省曲阜にある孔子の墓所「孔林」に弟子の子貢が植えた木が代々植え継がれていることに由来し、各地の孔子廟にも植えられています。このように孔子と縁が深いことから、「学問の聖木」とされています。かって、科挙の進士に合格したものに楷の笏を送ったことから、その合格祈願木とされていました。



緑道の脇に巨大な石の彫刻があります。作者の岩岡道雄氏のメッセージが添えられています。

閘門へのオマージュ

河が海に合流するこの街には、水門、橋梁、堤防等、人が水を治めようとする構造物が随所にある。海や河の上の、遮るものもない大空と此等が生む空間は、単純明快、直截で力強く美しい。そのような感動を象徴化しました。




葛西親水四季の道の終点です。



ゴール地点の虹の広場通り交点に着きました。



ということで、江戸川区で十四番目のコースである「14.葛西親水四季の道」を歩き終えました。次は江戸川区で十五番目のコースである「15.左近川親水緑道」を歩きます。




戻る