日比谷公園から銀座の新名所マリオンへ向います。名作『君の名は』で知られる数寄屋橋は、マリオン前広場のはす向になります。今はなき外堀に架かっていました。銀座のシンボル、和光の時計台は昭和7年の生まれです。銀座中央通りの人波は銀ブラ族の往時から今も絶えません。歌舞伎座を過ぎ、築地へと向かいます。
築地といえば魚市場ですね。東京中央卸売市場には、早朝5時から威勢のいいセリの声が飛び交います。江戸前の味を求めて、場外市場に集まる買物客も大勢います。聖路加国際病院の周辺は、エキゾチックな雰囲気が漂うかつての居留地です。対岸の佃島では、近未来的な高層マンションと昔ながらの街並とが不思議なコントラストを見せています。
『銀座佃島コース』は、日比谷公園を起点にして、有楽町・銀座を経て、築地を巡り、月島に至る全長4.0kmの道程です。銀座は昔から高級なお店の立ち並ぶ街並みでしたが、様変わりも最先端です。江戸時代、銀座役所が置かれ、新両替町と呼ばれた銀座は、明治に生まれた煉瓦街によって本格的な繁華街となりました。同時に銀座の南には、汐留と開港場横浜を結ぶ鉄道が開通しました。外堀以西には、新政府の社交場、鹿鳴館と官庁街がひかえ、東の築地居留地には、ミッション系の学校や教会、公使館が建ち並びました。この新しい商人の町は、こうした恵まれた地理的条件にも支えられて、文明開化の象徴、東京の顔となったのです。銀座は煉瓦街建設のきっかけとなった明治の大火を含めて、震災、戦災と3回にわたる災禍を受け、その都度、町の装いも新たに復興を遂げました。数寄屋橋通りに大手百貨店が進出してからは、日本の商業の中心地も様変わりし始めました。銀座に連続する汐留地区の高層ビルの間をゆりかもめが縫うように走る様は、かつて描かれた未来都市を思わせます。一方、佃島は、震災、戦災を免れた幸運の地です。漁師町の独自の伝統と古風な街並みに加え、再開発で登場したリバーシティが隣接する東京の異空間です。
このコースは、次の2つの区間に分かれています。
今日は11月18日です。えっ、何の日ですって?ボジョレー・ヌーボーの解禁日ですよ!酒屋さんの前を通り過ぎれば、普段見かけない、けばけばしい柄のラベルが貼られたワインが並んでいますよね。一昔前のような大騒ぎはありませんが、それでも日本にもすっかり定着した晩秋のイベントになりました。私も例年この日はあちこちのお店を回って、試飲がてら解禁日の様子を見ることを楽しみにしています。今年もいつものコースを回ろうと思っていたのですが、最近入れたインプラントの影響で歯茎が痛く、ワインを飲むどころか食べることもままなりません。今日はお天気も悪いし、お世話になった方のお見舞いのお買い物も兼ねて銀座に行ってみることにします。
『銀座佃島コース』は日比谷公園の北の角が起点なのですが、地図をよく見ていなかったもので桜田門と勘違いしてしまいました。乗り換えの便利な千代田線を使って二重橋前駅で下車して地上に出ます。二重橋がどこにあるのかも知らなかったのですが、皇居外苑に面した地下鉄の出口を真っ直ぐに進みますと正面に見えます。なるほど、テレビなんかで見るそのまんまの風景です。今でも観光のスポットなのか、一見して東京見物の団体さんと思われる老老男女のグループが記念写真に収まっています。おっと、今日は観光客を見に来たのではありません。時刻は12時過ぎです。むむっ、そうすればこの間食べ損なったレストラン和田倉のランチバイキングが食べれるかも。。。と思いましたが、和田倉門とは場所がかなり離れています。空を見上げますと、今にも降り出しそうな雲行きです。ま、銀座にも美味しいランチがあるだろうと、今日のところは諦めることにします。
桜田門の方に向って歩いて行きますと、こんなお天気にもかかわらずジョギングを楽しむ方々が大勢いらっしゃいます。ちょうどお昼休みのせいか、サラリーマン風の若い人もいます。中には必死の形相で走っているおぢいさんもいます。そこまでしなくても。。。と思うのですけどね。桜田門の前で万歩計をリセットします。今日は行程が4kmですから、大した歩数にはならないと思います。お堀端に沿ってゆっくりと歩き出します。日比谷通りの交差点を渡りますと、工事用の仕切りに囲まれた中でブルドーザーが唸りをあげています。以前あったビルは取り壊され、広大な敷地にビルが新築されているようです。未だ基礎工事の段階ですが、平成19年(ナント3年後!)の秋にはペニンシェラ東京ホテルが開業するのだそうです。26階建てらしいですが、この敷地と高さからしますと凄い規模の豪華ホテルになりそうです。それと対照的なのが有楽町のガード下です。ガード下の古びた飲食店街は、夜はサラリーマンの憩いの場となっています。でも、昼間はランチの穴場なのです。中でも、『まんぷく食堂』などはその代表格でしょう。店先に置かれているランチメニューの古びた見本を見ますと、お皿からはみ出しそうな巨大ビーフステーキや鰻一匹が丸ごと乗っかった鰻丼など、ボリューム満点の定食が格安のお値段で並んでいます。歯が丈夫ならステーキにも挑戦してみたいのですが、今日の調子では噛まずに飲み込んでお腹を壊すだけになりそうです。残念ながらランチはパスとします。
銀座に入りますと、ここでもあちこちのお店でランチを競っています。『銀座スエヒロ』のステーキも惹かれます。空瓶ですが、ケースにはフィジャックとかマルゴーとかラトゥールのボトルも飾られています。さすが銀座のレストランですね。四丁目交差点に着いたところで、お見舞いの品を買いに三越にちょっと寄り道をします。ついでにヌーボーの試飲でも。。。とお酒の売り場に顔を出したのですが、按配悪く試飲係りのお姉さんは年配のお客さんの応対中です。なかなか試飲のリクエストができません。試飲は諦めましょう。。。横目で見ていたら、散々試飲したお客さんは白のボジョレーヌーボーを買っていきました。。。
今度は築地を目指して晴海通りを歩いていきます。東銀座駅の手前に『ロテスリー・レカン』というレストランがあります。名前から分かりますように、高級フランス料理店として有名な銀座レカンの姉妹店です。『ロテスリー』とは、『ロースト料理専門店』の意味だそうです。銀座レカンに比べるとぐっとカジュアルな感じですが、ランチメニューを見ますと結構本格的なお料理が頂けるようです。さすがにお散歩のついでに入るといった感じではありませんので、今日のところはパスします。歌舞伎座を経て築地に辿り着きました。いつもなら場外市場でお買い物をするのですが、今日はお天気も心配なので市場巡りは止めておきます。ついでにですが、築地市場の内には雑誌などに紹介されているグルメなお店が幾つかあるのですが、いつも入店待ちの長蛇の列ができているのは2軒のお寿司屋さんだけです。その他のお店は殆ど待たずに入れます。一度は訪れてみる価値はあると思います。
築地本願寺の前を通って古い家並みが続く路地に入っていきます。以前と比べると、マンションが随分増えたような気がします。空襲にも耐えた街並みですが、再開発の波には勝てなかったようです。路地を歩いているうちに、目の前に超高層の建物が現れました。聖路加病院のツインタワーですが、高層階が渡り廊下でつながれています。ツインタワーの原点は今は亡きニューヨークのワールド・トレード・センターですが、このような高層ビルを中廊下でつなぐスタイルは珍しいですね。設計者のオリジナリティと技術力の高さが感じられます。聖路加病院の裏手に回りますと、そこは隅田川です。川沿いに作られた遊歩道を歩きます。桜の季節なら花吹雪に気分も高揚するのでしょうが、パラパラと降りだした晩秋の氷雨に川面を蹴立てて走る貨物船では風情がわきません。佃大橋を渡って終点の月島に向います。佃大橋から歩行者用の階段を下りますと、そこはもう月島です。殺風景な建物が並んでいます。おんや、倉庫風の建物の入り口に華やかな飾りつけがしてあります。以前、前を通ったことがある『スペインクラブ』のようです。
月島にスペインクラブというのも妙な組み合わせですが、入り口に近づいてみます。もう2時近くでしたが、ランチメニューの看板が出ています。結構本場のリッチなコースですが、お手頃なお値段です。よぴっ、今日のランチはこれで決まりっ!と中に入っていきます。お店の中は想像以上に広い空間が広がっています。広い壁一面にスペインワインのボトルを収めた棚が並んでいます。手前のテーブルには本格的なパエリア鍋が幾つも見えます。これは期待できそうです。案内のお姉さんに『ランチを。。。』と言いかけたら、『申し訳ありません。今日のランチは終了しましたぁ。。。』とのこと。残念っ!今回も逃してしまいました。