14.杉並コース





『杉並コース』は、西武新宿線の新井薬師前駅を起点にして、新井薬師・高円寺駅・和田堀公園・西永福駅・高井戸駅・烏山寺町を経由し、千歳烏山駅に至る15.9kmに及ぶコースです。新井薬師から南に下って高円寺、高井戸、そして烏山の寺町へ向います。中野・杉並・世田谷と、かつての江戸郊外が住宅地へと変貌していった歴史を訪ねます。コース沿いの三つの川、妙正寺川・善福寺川・神田川は広々とした公園と接し、古代の遺跡も数多くあります。

このコースは、次の4つの区間に分かれています。

  1. 薬師平和の森散歩 (新井薬師前駅−高円寺駅: 3.8km)

    新井薬師の名で親しまれるが梅照院薬王寺です。開基は天正14年(1586年)です。弘法大師作といわれる本尊の薬師如来像は子育薬師、治眼薬師として知られ古くから信仰を集めてきました。毎月8の日は縁日で賑わいます。弥生時代の住居を再現した平和の森公園(中野刑務所跡地)をまわって早稲田通りへ向います。高円寺駅はすぐ近くです。

  2. 社寺遺跡めぐり散歩 (高円寺駅−西永福駅: 5.3km)

    三代将軍家光ゆかりの高円寺から妙法寺まで、青梅街道の南北に広がる寺町を巡ります。青梅街道はもともと江戸近郊の神社・仏閣参詣や遊山の客でにぎわった道です。街道沿いに植えられた杉並木が杉並の地名の起こりとなったと云われています。妙法寺は堀ノ内の厄除け祖師の名で知られる日蓮宗の名刹です。毎月3の日に縁日が出ます。善福寺川沿いの和田堀公園を経て、大宮八幡宮へ向います。途中の大宮遺跡は付近にあった弥生人集落の墓地でした。

  3. 神田川川辺の路散歩 (西永福駅−高井戸駅: 2.8km)

    井の頭線西永福駅からいったん線路を離れ、神田川の上流を遡ります。井の頭池を水源とするこの川は、江戸城下で初めて整備された上水道の神田上水です。堀割として開削された下流の神田川と区別して、戦後まで上水の名で呼ばれてきました。上水沿いのサイクリングロードをめぐり、塚山遺跡で知られる塚山公園へ向います。上水の流れは、井の頭線高井戸駅へと至ります。

  4. 烏山寺町散歩 (高井戸駅−千歳烏山駅: 4.0km)

    高井戸駅から環八通りを下り、中央高速へ向います。高架下をしばらく行くと、やがて大小26もの寺院が密集する烏山の寺町に行き着きます。ほとんどの寺は、震災やその後の区画整理のために、浅草、築地、麻布、芝の辺りから郊外へ移転して来たものです。浮世絵師喜多川歌麿の墓がある専光寺、シベリアからのカモの渡来(1月初め)で名高い高源院などを経て、京王線千歳烏山駅へ至ります。



今日は日曜日です。このところ毎日お散歩していますので、かなり疲れが足に溜まっています。日曜日は安息の日として、家でゆっくりしたいですね。でもこの素晴らしいお天気!出かけない訳にはイカンでしょう。。。で、どこに?長距離なので未だ行く機会のなかった『杉並コース』にしましょう。総行程が16km弱ですから、全部で4時間(歩き)+1時間(ランチ)=5時間が必要です。午後の3時までには終えたいので、出発は10時としましょう。いやいや、コース通りに歩けるとは限りませんので、9時出発としましょう。。。

結局、新井薬師前駅に着いたのは9時13分でした。万歩計をリセットして、いざ出発です。新井薬師前駅から商店街を抜け、驚異的な安さのスーパー丸正を右に折れますと、参道の突き当たりに新井薬師が見えます。今日は28日です。毎月”8”の付く日には市が立つそうですが、時間が早いせいか、残念ながら境内には未だお店が出ていません。線香の煙りを手で招き寄せ、体中にご利益を溜め込みます。これで最近の厄難続きも解消することでしょう。新井薬師を出て、平和の森公園に向います。路地が込み入っているせいか、ちょっとした川に出てしまいました。両岸をコンクリートで固められた典型的な都市河川なのですが、流れている水は澄んでいてとてもきれいです。地図を見ますと、妙正寺川のようです。行政と住民の努力で川の再生が進んでいるのでしょうね。川沿いに歩けば、平和の森公園に辿り着ける筈です。

平和の森公園はかっての中野刑務所の跡地に造られたのだそうですが、アップダウンの起伏がうまく取り込まれ、木々が豊かに生い茂り、小道の脇には小さな川も流れています。お散歩にはちょうど良いコースです。公園を出て、早稲田通りに向います。途中の住宅街の一角に、『神州一味噌』の大きな看板が掲げられています。足元には小さな池があって、何匹かの鯉が泳いでいます。神州一味噌を作っている会社の本社・工場のようです。神州の響きから長野あたりに本拠を置く会社だろうと思っていたのですが、東京のしかも中野の住宅地にあるとは思いませんでした。そういえば、先日神州一味噌を買ったっけ。。。

早稲田通りに面して、野方警察署があります。有刺鉄線を張った塀の向こう側には広大な空き地が広がっています。警察関係の施設なのでしょうか?早稲田通りをずんずん進んで行きますと、早稲田通りと環状七号線が立体交差しています。有難いことに、杉並コースの要所要所には必ず『歴史と文化の散歩道』の標識が置かれていますので、初めての方でも道に迷う心配はありません。標識に従って高円寺駅に通じる路地に入りますと、両側にはお店がずらりと並んでいます。商店街がこんなところまで延びているのですね。昔ながらのお店が多いのですが、店先に並べられている品物を見ますと何でも安いですね。さすがに若者の町・高円寺です。若者ではありませんが、私も住みたい町です。

高円寺駅の高架線路下にひしめいている雑多なお店を抜けて、南口のロータリーをぐるりと回ります。未だ11時前のせいか、焼き鳥屋さんの『大将』のシャッターは未だ閉まっています。この間行った時は安かったなぁ。。。と思いながら、『高円寺』を目指します。高円寺駅は誰でも知っていますが、その名前の由来となったお寺の場所は案外と知られていないようです。氷川神社の坂道を下りた先を右手に折れたところに高円寺があります。さすがに三代将軍家光ゆかりのお寺らしく、庭の隅々まで手入れが行き届いています。高円寺を出て、再び環状七号線に出ます。ここから行きかう車の排気ガスを浴びながら、環七に沿って青梅街道まで歩きます。このあたりにはやたらとお寺が多いですね。

青梅街道に架かる歩道橋を渡って更に進みますと、右手に妙法寺に通じる道があります。駐車場の傍にある小さな門の先にはお堂とお墓がありますが、他には何もありません。おかしいな。。。と思って引き返しますと、正門は別のところにあるようです。ぐるりと回って、サミットストアの前に立派な門が建っています。その先の広い境内の奥に本堂があります。今日は数多くの神社仏閣を拝んできましたので、もう充分にご利益が身に付いた筈です。でも、もうひとつ。。。

妙法寺を出て暫く歩き、堀の内交差点を左折すると、善福寺川に通じる一本道に出ます。善福寺川は広大な和田堀公園の中を流れています。やや大きめですが、この川の水もきれいです。川のところどころに石が置いてありますので、小川をせせらぐ如く水音が聞こえます。たっぷりと陽射しを浴びながら、のんびりと歩いていきます。川の向きが西に変わるところで善福寺川から離れます。住宅地をちょっと行った先に、広大な大宮八幡宮に通じる赤い鳥居があります。本来のコースは、ここから方南通りに出て、西永福駅に至ります。でも、ちょうどお昼になりましたので、ちょっとコースを逸れて永福町駅の近くにあるピザの美味しいイタリアンでランチを頂くことにします。住宅地の細い路地をくねくねと曲がりながら、ようやっと永福町駅近くのお店に辿り着くことができました。



お店は12時に開店するのですが、ちょうど12時にもかかわらず既に1組のお客さんが入っています。私が入った後もお客さんが続々と入店してきましたので、地元でも余程人気の高いお店なのでしょう。日曜日ですが、ちゃんとランチメニューが用意されています。パスタコースとピザコースがあって、ピザは何種類かの中から選べるようになっています。私は、こういう場合にはマルゲリータを選びます。とてもシンプルなピザですが、お店の実力が如実に現れるのです。このお店では、本場ナポリから取り寄せたピザ焼き釜を使っています。厨房の真ん中にドーンと据えられた釜は迫力充分で、薪をくべた釜の内部には赤々と炎が立っています。釜がナポリ製なら作る人もナポリから招かれた本職のピザ職人です。フカフカの生地にトマトソースとバジルとモッツァレラチーズをトッピングし、灼熱の釜の中に入れればアツアツのマルゲリータの出来上がりです。とりあえず、お散歩で乾いた喉に冷たい生ビールを流し込みます。落ち着いたところでピザを頂きます。冷えたビールとアツアツのピザはたまりませんね!



美味しそうでしょ!


あっという間に生ビールはお腹に消えてしまいました。ランチですが、次はワインにしましょう。勿論、グラスなんかではありません。カラフェやハーフなんか軟弱です。フルボトルでいきましょう!ワインリストを見ますと、サルディニアの白が良さげです。お値段も手頃ですので、これにしましょう!



名前: セッラ&モスカ ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ
生産地: イタリア・サルデーニャ州
葡萄の品種: ヴェルメンティーノ種
特徴: ヴェルメンティーノ種の白い花の香りと、軽やかでみずみずしく、爽やかな風味が特徴の辛口の白ワインです。
飲んだ感想: 甘口ではありませんが、辛口でもないですね。ま、サッパリした飲みやすい白ワインです。


ピザをパクパク食べていましたら、ワインが余ってしまいました。なにかおつまみが欲しいですね。鱸のムニエルを頼んだら、時間がかかるということで『生ハムとルッコラの盛り合わせ』を勧められました。『じゃあ、それ。。。』と注文し、ワインがなくなると同じ頃に食べ終えたら、鱸のムニエルがテーブルに置かれました。。。思いのほか豪華なメニューになったランチですが、最後はカプチーノで締めます。カプチーノには花模様が施され、スプーンで混ぜるのがもったいないくらいです。いんやぁ、美味しいランチでした。。。



花咲くカプチーノですね。。。


まだまだ先が長いので、食後の余韻をゆっくり楽しむこともなくお店を出ます。井の頭通りを歩いて西永福駅に向います。西永福駅を通り抜けて住宅地を南下しますと、懐かしい神田川に出ます。昔この近くに住んでいた頃、川沿いの緑道をよくジョギングしたものです。相変わらずきれいに手入れされています。はるか先の杉並清掃工場の巨大な煙突を目印にしながら、高井戸駅まで歩きます。このあたりは桜の並木が続きますが、お花見の季節ではありませんので歩いている人はまばらです。顔が火照っているのは午後の陽射しのせいでしょうか、それともワインのせいでしょうか。。。

高井戸で環状八号線に出て、そのまま南下します。本当は、中央高速にぶつかったら右に曲がって烏山寺町を目指すのですが、細い道が入り組んでいますので、そのまま甲州街道まで進みます。甲州街道に出会ったところで右折し、調布方面に向って歩いていきます。午後の太陽が大分傾いて陽射しが頼りなくなった頃に、ようやっと千歳烏山の駅に通じる交差点に出ました。ここから駅まではほんの数分の距離です。そのままお散歩を終えても良かったのですが、やはり烏山寺町をスキップしたらコースの完歩にはならないですね。交差点を駅と反対の方向に歩いていきます。また中央高速の高架をくぐり、寺町を目指します。こんなことなら、神田川を久我山あたりまで行って南下すればよかったと後悔しきりです。

烏山寺町の名前に恥じなく、ここには26もの寺院があるそうです。道の両側は全てお寺といっても過言ではありません。全部にはとても寄れませんので、喜多川歌麿のお墓がある専光寺と鴨の飛来する高院を見ることにします。専光寺の入り口の脇には、喜多川歌麿にちなんだ石碑が建てられています。中に入りますと、お墓の一番手前に年代ものの墓石があります。美人画の歌麿にしては、ちょっと寂しいですね。高源院の王宮風の池には鴨が羽を休めていましたが、未だ時期が早いせいかそんなに数はいなかったようです。でも、今まで存在すら知らなかった烏山寺町の歴史の一端に触れ、改めて東京の奥の深さに感心しました。

また先ほどの道を戻り、千歳烏山の駅に向います。秋の日は釣瓶落しと云うが如く、あたりはすっかり薄暗くなってきました。賑やかな駅前通りを通って、ようやっと千歳烏山駅に辿り着きました。いんやぁ、今日は歩いた歩いた。。。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
万歩計の記録によりますと、『杉並コース』の歩数は、25、795歩でした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−







戻る