07.多摩湖コース
『多摩湖コース』は、武蔵村山市三ツ木を起点にして、多摩湖を巡り、西武多摩湖線の武蔵大和駅に至る8.3kmのコースです。
<総合案内板のコース紹介>
このコースは、武蔵村山市内の残堀川と新青梅街道の交差点から野山北公園自転車道を通り、狭山丘陵を多摩湖外周に沿って武蔵大和駅までの約10.2kmの路です。コースの大部分は、狭山丘陵地にあり快適なサイクリングコースとして整備されています。周辺には、丘陵地の自然を生かして作られた野山北公園、東大和緑地、狭山公園などのレクリエーション施設があり多摩湖の美しい眺望とともに家族向けの行楽地にもなっており自然とのふれあいを楽しむには最高のコースです。
<パンフレットのコース紹介>
狭山丘陵を多摩湖畔に沿って歩くコース。狭山公園、東大和公園、狭山緑地といったうっそうたる大森林を間近にひかえ、またコース沿いには“多摩湖自転車道”が整備されている。自転車道が湖の北側へ力−ブする辺りからコースは多摩湖を離れ、大きなカブト虫をあしらったゲイトをくぐる。くぐった先は巨人“大多羅法師”の伝説を残す森。オリエンテーリングの要領で山道風の標識に従い森を抜けると、辺りはもうすっかり農村のたたずまいだ。ここで“野山北公園自転車道”と出会い、あとは新青梅街道まで一直線。ちょっと脇道にそれて野山北公園の一大アスレチック・ゾーン“冒険コース”をめぐるのも楽しい。終点の新青梅街道から交通機関を利用したい方は、一本隣の青梅街道へ。ここでバスが拾える。
さ〜〜〜あ、恐怖の『多摩湖コース』に挑戦です。何で恐怖かって?『羽村コース』でも書きましたが、この『多摩湖コース』にはふたつのきょわぴポイントがあるのです。多摩湖を半周した後でうっそうとした森林の中に入るのですが、おどろおどろしい名前の『大多羅法師の井戸』とか『番太池』を巡るのと、真っ暗な3つのトンネルを抜けなければならないのです。一度行ったことのある人なら何ということもないのでしょうけど、想像でしかイメージできない人にとっては何となくきょわぴのですぅ。。。そういう訳で、少しは散策の人が見込める(つまり、イザという時に助けてもらえるチャンスが見込める)2月13日の日曜日に気合を入れて家を出ます。東京都のパンフレットには、このコースに限って歩く方向が逆向きになっています。つまり、羽村コースの終点である武蔵村山市三ツ木から武蔵大和駅に向かって歩くのではなく、武蔵大和駅から武蔵村山市三ツ木に向かって歩くようになっているのです。それを踏襲する訳ではありませんが、きょわぴところを早めに抜けようと思って私も逆向きに歩くことにしました。今日は真っ暗なトンネルの中でお化けに遭遇しても目くらましで退治できるようなドデカイ懐中電灯と漏水対策用の傘をリュックに入れ、重装備で歩きます。武蔵大和駅を出発したのは10時9分でした。風はなく、ポカポカとした陽射しが心地よい冬晴れのお天気です。順調にいけば、恐怖のスポットは昼過ぎに通過する筈です。先を急ぎましょう。。。(←怖がっているぅ。。。)
長閑な武蔵大和駅から緩やかな坂道を100mほど降りますと、多摩湖自転車道に出ます。右に行けば『多摩湖コース』、左に行けば『狭山・境コース』です。小さな川に架かる隧道橋を渡って多摩湖自転車道に入ります。自転車道に沿って両側に植林がされていて、とても気持ちのよい歩きやすい道路です。日曜日の午前中とあって、散策する人はまばらです。時々サイクリングを楽しむ人たちの自転車が通り過ぎて行きます。緩やかな上り坂になっていることもあって、自転車もゆっくりしたスピードです。『滝山・草花丘陵コース』のようにダンプカーや大型トラックに追いかけられることもなく、のんびりとお散歩が楽しめます。
緩やかな坂道を登りきったところに狭山公園の入り口があります。狭山公園は多摩湖畔の東側に広がる広大な自然公園で、桜の名所だそうです。お花見や新緑の季節には、お弁当とワインを持参してピクニックに行きたいですね。今日は残念ながら枯れ木のシーズンですので、公園には入らずにそのまま多摩湖に沿って歩きます。雑木林の切れ目からは多摩湖や西武遊園地の大観覧車が遠望できます。多摩湖は東京都の重要な水源であるため、外周はフェンスが厳重に張られています。多摩湖畔には人家などないものと思っていたのですが、道路に沿ってどこまでも家並みが続きます。環境は素晴らしいのですが、交通の便はイマイチのようです。所々で多摩湖が垣間見えますが、自転車道に沿って雑木林が続きます。暫く歩いて行きますと、段々と人家が途絶えてきます。どういう訳か、人里離れたところにホテルが現れます。こんなところにわざわざ宿泊する人がいるのでしょうか。。。更にホテルも途切れた先に、今度は山里の料理屋さんの旗がなびいています。平日限定麦とろ定食が997円也!あんまし安くもなぴけど、麦とろとは魅力的です。なになに、野鳥に川魚とは野趣に富んでいますな。赤ワインと食すれば、多摩湖の名物になりますね。いっそのこと、『ジブエ料理と多摩湖ワインの島山っつ!』と看板を掲げれば、ひわたも飛んで行くんですけどね。。。
ホテルもジブエ料理もなくなって、道路の両側には鬱蒼とした雑木林が続きます。結構車の往来もありますので、きょわぴということはありません。やがて行くてに橋が見えてきます。でも、橋に上る道とそのまま道路に沿って続く道が分かれています。どっちの道を辿るのか迷いますが、どうせなら見晴らしの良い道を。。。と思い、橋の上を歩きます。鹿島橋という人道橋なのですが、これが大間違いのもとになるとは。。。橋からの眺めはさほどのことではありません。多摩湖は木々の枝に隠れて殆ど見えません。橋を渡り終えますと、休息所があります。茅葺っぽい感じの屋根の下には丸太の椅子が置いてあります。自動販売機も何もない自然の休息所ですが、一応水飲み場はありますので喉を潤すことはできます。休息所の下にはトイレもあります。有難いですね。でも冬場は水道管の凍結防止のため蛇口が外されていますので、トイレを使ったらまた休息所に戻って水飲み場で手を洗いましょうね。。。
ここには鹿島台というバス停もあって、とても手入れが行き届いています。道路の反対側には『武蔵野の路』の標識もあって、このまま進めばいいようです。休息所から少し離れたところに村山貯水池の管理事務所とバス停があります。ここから先は自動車専用道路になって、歩行者と自転車は脇の石段を下りて多摩湖に面した土手の歩道を通ります。多摩湖は満々と水をたたえているかと思っていたのですが、土手の周辺は干上がっています。冬の渇水期かとも思いましたが、あとで調べてみますと工事のため今は水を抜いているのだそうです。2009年には元通りに湖面が現れることでしょう。。。なんて思いながら、多摩湖の先に見える西武遊園地の大展望台に見とれつつ、土手を歩きます。土手を歩ききってまた先ほどの道路に出ますと、頭の上に高架の道路が通っています。多摩湖と反対側には、これまた広大な湖面が広がっています。なんだか見晴らしがいいですね。道路脇には『山口貯水池』というバス停があり、西武ドーム方面との表示がされています。はて、西武ドームって多摩湖の反対側にあったのでは?どうもヘンだな。。。と、ようやく気が付いて地図を広げます。『山口貯水池』。。。確かにありますね。。。多摩湖と村山貯水池を分断する堰を越えて。。。えっつ、湖を渡っっちゃったぁ?
さあぁ大変ですぅ。早くも大多羅法師の魔力が進路を捻じ曲げたのでしょうか?地図で確かめますと、先ほどの鹿島台休息所から道が二つに分かれ、一方は西武ドーム方面へ、もう一方は村山貯水池の南岸を通る本来の多摩湖自転車道へつながっているようです。ひ〜〜〜んっつ!1km近くを戻ってまたまた鹿島台休息所に辿り着きます。よくよく見ますと、休息所の先に『つつじ橋』という人道橋があって、その先が二方向に分かれているのです。車やサイクリングの人たちは殆ど右手に行ったので、それが武蔵野の路と勘違いしていたのですが、本当は左手の道に進むんだったんですね!
右手は地獄の三丁目、左手は大多羅法師の恐怖の森へ。。。
えらいロスをひてひまいまひた。大急ぎで本来の多摩湖自転車道に戻ります。急に自動車もサイクリングの人も少なくなってきます。道路の両側の雑木林はいよいよ深くなり、前にも後ろにも人影は見えません。きょわぴ。。。と思いつつ、歩みを速めます。空にはお天道様が輝いていまひたが、いつのまにかどんよりと曇ってきまひた。おぉ、このまま日が暮れるのかよぉ。。。と心細くなりつつも更に歩いて行きます。そのうちに道路が右側、つまり北側にカーブしてきます。道路の脇に小さな広場があり、ハイキング風の法師達。。。いや、おじさん・おばさん達のグループが一休みしています。おんにゃ、大きな木の板の標識がありますね。ルートでも確認しておこうと標識に近付いてみます。ナント、武蔵野の路の標識でした!よくよく見ますと、武蔵野の路はここで多摩湖自転車道と分かれ、恐怖の森に分け入って行くのだとか。。。ひょいとルートの指し示す方向を見ますと、森林に通じる小道に丸太の杭が立てられていて、『武蔵野の路』と書いてあります。更にその奥には大きなアーチが架けられていて、アーチの上には巨大なカブト虫が止まっています。『かぶと橋』というのだそうです。いよいよ大多羅法師の使いのカブト虫のお出ましのようです。。。
アーチの上に止まったカブト虫が見えますかな?ひかも、二匹も。。。
入り口は簡易舗装がしてあったものの、アーチをくぐりますと山道風の砂利道が続きます。山歩きの好きな方なら何ということもないのでしょうけど、街中の道を歩きなれた人間にはチョト怯みます。落ち葉を踏みしめ、道なりに進みます。熊が出たら満漢全席に出ひてやるっつ!猪が出たら猪鍋にしてやるっつ!キツネが出たらおあげを付けて狐蕎麦にして喰ってやるっつ!狸が出たら狸うどんにするぞ!勇ましいことを思い浮かべながら森に分け入って行きますと、森が途切れて四つ角に出ます。四つ角といっても小道が交差しただけなのですけど、なんとその先には人家があります。地獄に仏とはこのことです(ちょっと意味が違うか?)。人家が近くにあれば、山の中の道といえどもそれほどきょわくはありません。山道風の標識に従って、番太池の方向に進みます。いよいよ、おどろおどろしい森の中に足を踏み入れます。
森といっても、人家の裏山のような風情です。熊や猪は出ないと思いますが、ひわたのきらぴな犬子ちゃんは出そうです。ちょっと入ったところに木の杭で囲まれた窪地が見えます。何でしょうね?『池に物を投げ込まないで下さい』との杭が立てられていますが、池のようには見えません。よくよく見ますと、『大多羅法師の井戸』と書かれた標識があります。ここが恐れていた大多羅法師の潜む井戸だったのですか。。。唯の窪みのようなんですけど。。。
大多羅法師(だいだらぼっち)の井戸
大多羅法師とは伝説上の巨人の名前で、『でぇらぼっち』とか『だいだらぼう』などとも呼ばれています。巨人といっても並大抵の大男ではなく、いたずら半分に山や丘を動かしてしまう、雲をつく大巨人です。この大多羅法師伝説は、関東を中心に東日本一円に広く分布しており、その多くは地形や地名の由来として語り継がれています。藤のツルでこしらえた籠で土を運んでいる時、ツルが切れてこぼれ落ちたのが富士山になったとか、足を滑らした時跳ね上げた土が海に落ちて伊豆七島になったとか、体のバランスをとろうとしてちょいと足の小指をついたのが洗足池だとか、とにかくスケールが荒唐無稽に大きいのです。世田谷の代田はこの巨人の名に由来するといわれ、付近には昔長さ百間に及ぶ右足跡らしき窪地が残っていたといわれています。また代田橋には、橋がないので不自由していた村民のために大多羅法師が木を折り取って橋を突くってやったという民話も残されています。武蔵村山市には、大多羅法師にまつわる話が多く、中藤にある向山と堂山は富士山と同様に藤のツルが切れてこぼれ落ちて出来た山ということになっています。この時、巨人はツルを北に投げ捨てたので山の南側には藤が生えないのだそうです。市内三ヶ所の井戸は大多羅法師の足跡とされています(表示されているのは一ヶ所のみです)。洗足池や代田の例にみる足跡のスケールと比べるとやや違和感のある話ですが、大多羅法師の伝説を残す地域には湧き水を有するものが多く、研究家の間では湧き水出現にまつわる水神信仰との関連が推測されています。大多羅法師の井戸は渇水期にも涸れないことで村民から重宝がられ、現在でも井戸底に水をたたえています。
これなら大多羅法師に投げ込まれても直ぐに這い上がってこれる。。。と少し安心します。更に小道を歩いて行きますと、急に視界が開けてきて人家が並んでいます。なんだ、こんなに人が住んでいるのか。。。と一安心です。人家の手前には小さな池が二つ並んでいます。池の傍らには『番太の池』という標識が立っています。番太という名前からおどろおどろしい昔話を思い出すのであって、単に灌漑池といえばいいのに。。。と少々気抜けがします。
上と下の二つの池からなる灌漑用の人工池です。以前は堰堤の下に栓の施された木管が埋設され、排水や止水の調節を行っていました。
番太池の先は四つ角になっていて、武蔵野の路の案内板はあるのですが、どちらの方角に進んだら良いのか良く分かりません。左手には赤坂トンネルという自転車道の入り口が見えます。あれが恐怖のトンネルの入り口かなぁ。。。とは思いましたが、イマイチ自信がありません。運良くおじさんが通りかかりました。『すみませ〜〜〜ん、道を教えて頂きたいのですけどぉ。。。』。おじさんは、『あぁ、私は地元の人間ではないのですけどぉ、何でしょう?』と親切に立ち止まって下さいます。早速パンフレットを見せて恐怖の三連続トンネルへ行く道を訊きます。『あっ、これね。あっちの道を行けばいいんですぅ。。。昔、多摩湖と狭山湖を作るために、その資材運搬のための軽便鉄道(トロッコ)が引かれたそうですが、今はその名残の鉄道跡がサイクリングコースになっているんです。そして、当時の四つのトンネルが整備されて自転車道となっているんです。赤坂トンネルは多摩湖の方に向かうんですよ。』。ナルホド、そうだったのですかぁ。。。赤坂トンネルに入ればとんでもない山の中に出るところでした。。。
教えて頂いた通りに番太池に沿って回りますと、武蔵野の路の標識がデカデカと出ていました。多摩湖まで3.8km、野山北公園まで1.3kmと書いてあります。さあ、最後の難関の恐怖のトンネルに突入します。両脇の雑木林には厳重にフェンスが張られていましたが、自転車道は簡易舗装されていて中心線まで引いてあります。最初は御岳トンネルです。意外にもトンネルの出口が見えています。それに、か細いながらも天井に照明灯が設置してありますのでそんなに怖くはないですね。懐中電灯を取り出すまでもなく、また傘を差すでもなく難なく通り抜けます。ホッ。。。続いて、少しカーブした赤堀トンネルが現れます。カーブしているとはいっても、出口は半分見えています。でも、こちらは大した長さではないようです。道路の両側には人家が建ち並んでいます。ナンダ、山の中の薄気味悪いトンネルと想像していたのですが、村の人たちも行き来する生活道路だったのですね。また少々気が抜けてきます。赤堀トンネルを抜けますと、道路を横切った先に横田トンネルの入り口が見えます。これが三つのトンネルの中では一番長いようです。トンネルの中には人影は見えません。後ろ髪を惹かれないように襟を立て、恐る恐る歩いていきます。天井にはほの暗い蛍光灯があって、懐中電灯なしでも足元は見えます。出口を目指して歩いて行きますと、頭のてっぺんに何やら冷たいものが。。。ひ〜〜〜っつ!せっかく傘を持参してきたのに、差すのを忘れていました。天上を見上げながら漏水を避けて歩きます。と、後ろから淡い光が近付いてきます。ひ〜〜〜っつ!ついに大多羅法師が追いかけてきたかっ!逃げねばねば。。。あれっ、待てよっ?大多羅法師は天を突く大男の筈。こんな小さなトンネルに入れる訳はなぴっ!恐る恐る後ろを振り返りますと、小学生位の女の子が自転車に二人乗りでやって来るところでした。壁に寄って自転車を通します。ひ〜〜〜っつ!ずかはしい。。。
横田トンネルを抜けますと、そこは現実世界に戻ります。出口から直ぐのところに都道59号線が通り、車がひんぱんに走っています。道路の先には小さな公園があって、ベンチなども置かれています。お弁当でも持参していたら一休みしたいところです。ここから野山北公園自転車道という整備されたサイクリングロードが一直線に延びています。ところどころで一般道と交差しますが、とにかく真っ直ぐな道です。両側には桜の並木が続き、お花見の季節にはさぞかしと思われます。ずんずん歩いて、新青梅街道を越え、なおも歩きますと残堀川に出ます。ここで右に折れ、川沿いに歩いて行きますと再び新青梅街道に出会います。この残堀川と新青梅街道が出会う青岸橋東交差点が『多摩湖コース』の終点である武蔵村山市三ツ木になります。時計は13時06分になっています。3時間弱の行程でしたが、なんとか無事に歩き通すことができました。大多羅法師はお昼ご飯を食べていたのでしょうか、それともワインを飲み過ぎてシエスタの最中だったのでしょうか?それはともかくとして、まだ時間がありますのでこれから引き続いて『羽村コース』を歩きます。ひわたもランチが食べたいよぉ。。。シエスタしたいよぉ。。。
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『多摩湖コース』の歩数は16、318歩、所要時間は2時間57分でした。
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