都立大学・平口豊次郎商店
最近ワインの買い出しに行かなくなったせいか、あれほど溜まっていたワインの買い置きが殆ど底をついてしまいました。平日ではありますが、帰り道にどこかに立ち寄って買っていきましょう。東横線の都立大学駅前に以前から気になっていた酒屋さんがありますのでそこに行ってみましょう。都立大学といっても大学自体はとっくに移転していて、大学のあった場所は空き地になっています(一部都営住宅が建っているようですが)。『大学の近くにはいい酒屋さんがある』とは古今東西共通の格言らしいですが(本当?麻雀屋さんでは?それともラーメン屋さんかな?いや、質屋さん?本屋さんだってば!)、このお店はどうでしょう。。。
都立大学駅前には、東横線の高架と直角に交わるように小さな通りが延びています。この通りの両側にいろんなお店が並んでいるのですが、若い方が多いのかお惣菜屋さんが増えていますね。何故かパチンコ屋さんも目立ちます(そうだ、パチンコ屋さんだぁ!)。改札口を出てこの通りを少し右に行きますと、江戸時代に作られたものかと思われるほど古ぼけた真っ黒な看板を掲げた酒屋さんが見えます。鰻の寝床のような形で、レジは奥にあって気楽に入れます。江戸時代のままに日本酒しか売っていないのでは、と思っていましたらちゃんとワインもありました。しかも、手頃な品が丁寧な解説と一緒に並んでいます。場所がいいせいか、勤め帰りとおぼしき若い方も結構立ち寄られています。住宅地が近いせいか、『何か美味しいワインなーーーい?』という注文も電話で入るようです。すると奥様からバトンタッチされたご主人が、『そうですねぇ、軽くて美味しいワインなら。。。』とそつなく答えておられます。ジミー・マクレガーなら『It’s a deal!』と叫んだでしょうね。
お店のワインを全てチェックしてから安いワインばかし4本を買い込むことにしました。4本も手に提げると結構重たいですね。フーフー言いながら家まで持ち帰り、袋からワインを出してみますと何やら細い紙束が入っています。師走だからでしょうか、来年の『ほろよい味暦』というカレンダーを付けてくれたようです。昔はどの部屋にもこんな貰い物のカレンダーが侘びしく釣り下げられていたものです。このカレンダーには、提供元のお勧めのお酒と洒落たおつまみを月毎に組み合わせて紹介してありました。カレンダーは毎日眺めるものですから、その効果は如何ばかりなことでしょうか?
1月:かれいの煮付け。2月:煎り鶏。3月:スペアリブ・オレンジ風味焼き。4月:ブロッコリーの辛し和え
5月:鰯のマリネ。6月:あおやぎの酢の物。7月:鮎の田楽。8月:豆腐ステーキあんかけ。
9月:卯の花。10月:里芋の煮付け。11月:南瓜の鶏ひきあん。12月:煮奴豆腐
どれも季節感があっていいですね。『ワインのおつまみ暦』があったらなぁ。。。
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (赤) スペイン: LAS LOMAS TEMPRANILLO (1997)
- 『ラス・ロマス テンプラニーリョ』は、深みのある色合いのフルーティで程よいタンニンと余韻を楽しめるバランスの良い中軽口のワインです。
このワインは値札が3回も書き換えられていました。よく在庫切れ寸前の電化製品に『現品限り』の札を貼って店頭に置いてありますが、ワインでしたら古くても問題ありません。温度も湿度も日差しも無頓着に置いてあったのならイケマセンが、このワインは高級な銘柄と一緒に大きな冷蔵ケースに入っていて保存状態は万全です。中軽口とありますがとっても濃い色で美味しそうです。現品限りならもう手に入らないかと思って、つい。。。
[何故か家康の登場]そは、重くあらねど、飲み易き赤なり!苦しゅうないっ、そなたも飲みなはれ。[秀忠]恭悦至極!頂きまするっ。<暫くの沈黙>いやはや結構な和飲でござりまする。[家康]和飲ではござらん!ワインじゃ![鳥居忠勝]仰せごもっとも、’わい(ん)も飲みたてまつらん’[家康]忠義なりっ!
- (赤) チリ: LUIS FELIPE EDWARDS CABERNET SAUVIGNON (1996)
- 『ルイス フェリペ エドワルズ カベルネ』といいます。英語の説明文が次のように書いてあります(後半は日本語の表示ラベルがペタリと貼り付けてあり、下の文字を読み取るのにえらく苦労しました)。
The choicest red grapes yield this ruby - red wine, whose bouquet is laden with fruit such as cassis and plums. Its flavour harmonious, full and velvety, lingering pleasantly on the palate. Best served at 16 - 17℃ and goes well with cheese, pasta and meats. To preserve its purity and quality this wine has not been filtered. Any sediment that may appear during storage is due to a natural settling.
チリのワインのラベルには、前に葡萄畑、奥にワイナリーの建物、彼方に山々が連なる絵が多いですね。そしてこのようなデザインのラベルを持つワインは不思議と美味しいのです。それでつい。。。
このチリの赤ワインは、お勧めの一本としてお店でもかなり力を入れていました。ストレートなコクはないものの、確かに印象に残るなかなか味わい深いワインです。お値段も手頃ですし、デイリーワインとして楽しめるのではないでしょうか。
- (赤) スペイン: MASIA PUBILL TINTO
- 『マシア・プビル ティント』は、原産地呼称統制ワイン(D.O.テラアルタ)で、3種類の葡萄(テンプラニーリョ、グルナッシュ、カリニャン)を使用しています。心地よい『タンニン』と果実の風味が感じられるバランスのとれた上品なワインです。
カタルーナ地方のワインのようです。外観は安っぽい感じがしますが、確か酒屋さんでは誉め言葉が並んでいたので、つい。。。
中味もちょっと安っぽい感じですね。スペインワインの魅力は、野生味溢れる濃厚な味とたっぷりとしたコクが楽しめるところにあります。このワインは割と薄めの赤色をしていて、その分味も軽くなっています。重ければいいってもんじゃないですけど、スペインワインに限って言えば、濃さ(重さ)と味わい(複雑さ)は比例するように思います。そう思うのは私だけでしょうか。。。
- (赤) アルゼンチン: TRAPICHE FALLING STAR 2000年記念ワイン MERLOT-MALBEC (1997)
- 『トラピチェ フォーリング・スター 2000年記念ワイン メルロー&マルベック』は、アルゼンチンの高級ワイナリー『トラピチェ』から、完熟した果実の味わいの、やわらかく華やかなワインです。メルローとマルベックという2種類の葡萄の絶妙なハーモニーをお楽しみ下さい。さまざまなお料理に幅広く合います。ミディアムボディで、15−18℃前後が飲み頃です。
このワインは以前に飲んだことがあります(ここをご覧下さい)が、2000年記念のラベルに変わっていたもので、つい。。。
アルゼンチンのワインは、端正で上品な味わいがあります。いわゆる洗練された味なのです。これは恐らく醸造技術の高さと品質管理の良さに起因しているものと思います。特にトラピチェ社のワインは評判も良く、フォーリング・スターは何処の酒屋さんにいっても大抵目立つところに置いてあります。このワインの特徴は、ワイン造りにはポピュラーなメルロー種と、アルゼンチン以外ではあまり使われていないマルベック種をブレンドしている点にあります。これがコクがあって美味しいけど俗っぽくなり勝ちなメルロー種の味を上品な味わいに変えているのではないかと思っています。ホント?
寒くなってきますといよいよフグ(河豚)のシーズンです。子供の頃はフグの皮と内臓をとった骨つきの身を韮とか梅干しと一緒に煮付けにして食べたものです。勿論トラフグなんかではなく地元で獲れた安いフグでしたが、今思えば味は絶品でしたね。フグは煮付けにすると身離れがよく、しかも柔らかいのでご飯(あの頃はワインは飲んでいなかったもので)と良く合いました。先日お店で『フク(フグとは言わないところに拘りが感じられます)の一夜干し』なるものを見つけ、つい懐かしさのあまり買い込んでしまいました。本当は葫を効かせて香ばしく唐揚げにするのが一番美味しいと思うのですけど、焼いてもなかなかの美味です。でも赤ワインならやっぱり唐揚げに限りますね。。。
今年は1999年で千年代最後の年というのでボジョレーヌーボー騒ぎも一段と加熱しました。来年は2000年ということでミレニアム記念ワインが大流行りでしょう。再来年は21世紀の最初の年ということで今度は『21世紀記念ワイン』が売り出されることでしょう。とにかく何でも理屈はつけられるものです。。。
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