小手指・115KITADAYA



昨日は、週刊現代恒例の特集『GW飲み頃ワイン』に紹介された『グッド802』に行って、疲れましたが大変に実りあるワイン・ハンティングが楽しめました。今日も五月晴れのよいお天気!同じく週刊現代に紹介してあった所沢のワイン屋さんを訪れることにします。お店の名前は『115KITADAYA』というのだそうです。八王子の『グッド802』さんは、『ハチ・オー・ジ』をゴロ合わせして802とされたようですが、『115』とは何を意味するのでしょうか?生まれてこのかた、所沢には一度も行ったことがありません。埼玉県の西部にあることだけは確かですが、電車の経路もお店への道順も全く見当がつきません。早速お店に電話して場所を教えて頂きます。

『もしもし、KITADAYAさんでいらっしゃいますかぁ?』
『ハイ、そうですぅ。』
『恐れ入りますが、そちらのお店の場所を教えて頂きたいのですがぁ。。。』
『えーーーっと、どちらからおいででしょうかぁ?』
『東京の方からなんですけどぉ。』
『お車ですかぁ?』
『いえ、電車なんですけど。。。』
『えっ?電車で?(暫し沈黙)それじゃ、西武池袋線か西武新宿線で所沢までいらして、小手指駅の
南口[西友のある出口ですね]を出て真っ直ぐ歩きますと行政道路という大きな道に出ますから、そこを左に曲がって飯能方面に、そうですねぇ1kmか1.5km位でしょうか、歩きますと[本当に歩いていらっしゃるのですかぁ?]”山田うどん”といううどん屋さんとか”とんでん”というお寿司屋さんがあって、そこの信号から直ぐですぅ。でも相当に歩きますよぉ。。。』
『どうもありがとうございました。』

ま、お天気もいいしぃ、お散歩がてら新緑の狭山路をテクテク歩きましょう!とすっかりルンルン気分になってしまいます。外は陽射しもあって暑そうなので、今年初めての半そでシャツにジーパンという格好でいそいそと出かけます。昨日グッド802さんで頂いた小型の傘のことがチラと頭をかすめましたが、このお天気に傘なんてぇ。。。と持って行く気もしません。山手線から西武新宿線へ高田馬場で乗り換えます。ホームに下りた途端に無情にも目の前で本川越行きの急行電車のドアが閉まってしまいます。シマッタ!

次は各駅停車ですのでパス。その次は特急電車ですのでこれもパス。その次の快速急行に乗り込みます。停車する駅は急行よりも多いのですが仕方ありません。祝日のせいか車内は空いています。都心から離れるに従って、窓の外には新緑が広がっていきます。新緑っていいものですね。新たな生命の芽吹きを感じさせてくれます。また、都会に疲れた人間の心を優しくリフレッシュさせてくれます。木々の新緑だけでなく、畑の野菜も何故かホッとした気分にさせてくれます。体が野菜を欲しているのかもしれません。

電車が所沢に近づくにつれ、進行方向にあたる西の空半分が黒い雲に覆われてきました。恐ろしい位に真っ黒です。何だかヤナ予感がします。そうこうするうちに、電車は所沢駅に到着しました。意外と早かったですね。ここで飯能行きの電車に乗り換えて2つ目の駅が小手指になります。電車が小手指に着くちょっと前に、窓ガラスにスッと斜めの水滴が走りました。おんや。。。?続いてまた水滴が。。。電車が小手指駅のホームに入った時には何ともなかったのに、改札口を出て教えられて通り
南口への階段を降りようとしたら突然パラパラッと雨が降ってきました。ヤバイなぁ。。。と思いつつ、階段を降りる僅か数秒の間に超凄まじい豪雨に変身しています。ヒエーーーーーッ、聞いてないよぉ。。。

大変なことになってきました。私だけでなく、電車を降りられた方もあまりの雨脚の強さに呆然としています。勿論、傘を持っている方もおられるのですが、とても傘が役立つような雨ではありません。あっという間に地面には水が川のように流れ、その上に叩きつける雨粒は無数の巨大な水冠を作っています。雨脚はますます強くなり、空には稲光が走ります。もう1時過ぎだし、タクシーでKITADAYAさんに行こうかなと思ったりしますが、2m位しか離れていないタクシー乗り場まで突進するのさえ躊躇されます。ま、通り豪雨だろうから待つしかないか。。。と諦めて段々と増え始めた豪雨難民と共に出口のところに佇みます。雨は益々凶暴化し、ついには天井から滝のように水が漏れてきました。もう雨宿りすらできません。仕方なく、また階段を上って改札口のあるフロアに退避します。北口はどうなっているんだろう?と反対側の出口を見ますとこちらも大変な豪雨です(当たり前か)。。。北口広場の先に何故か
西友が見えます。

空の半分は晴れていて太陽も顔を出しているのに、相変わらずの豪雨が続きます。そのうちに、パラパラと音がしてきたかと思うと、地面に白い氷の塊が転がっています。氷(ひょう)のようです。ヒョーーーーッ!結局、1時間程でさしもの豪雨も止みました。。。というか、あれ程真っ黒だった雷雲が空から消えてしまったのです。きっと雲全体が雨となって地上に降ったのかもしれません。それまで駅舎の中で息を潜めていた人々が、干ばつの大平原に待望の豪雨が降った後一斉に動き始めた生き物のように外に出ていきます。もう2時になりましたので私もあんまりゆっくりしておれません。行政道路を目指して歩き出します。

小手指の駅前は新しい建物が多く、とても感じのよい街ですね。雨上がりは一段と色彩鮮やかな街並みに見えます。カラータイルの歩道を水溜りを避けながら慎重に歩いていますと、私の前を4−5人の女子高生が横一列になっておしゃべりしながら歩いています。『なあに、この傘!せっかく買ったのに2−3分しか使えなかったわぁ』。そりゃ、そうでしょう。降っている間は傘が役に立たず、止んだらもっと役に立たないのですからね。お小遣いを無駄にしてしまいましたね。。。。とかなんとか思いながら歩いて行きますと、大きな道路に出ます。これが行政道路かぁ、と思いますが何にも標識がないですね。ここを左に曲がって。。。とぉ。それにしても大きな道路です。トラックがぶんぶん走っています。車道にも水溜りがあるのか、歩道を歩いていても水しぶきが飛んできます。20分は歩いたでしょうか、道路標識に『所沢市街』という標識が出ています。ヘンだな?とは思いましたが、そのまま歩いていきますとやがて道路は交差点のところで途切れてしまいます。未だ全面開通はしていないようです。さあて困りました。ここからどう行けばいいのでしょうか?

交差点の脇に大きな倉庫のような建物があり、自動販売機で2人の子供がジュースを買っています。道を聞いてみましょう。

『ねえ、行政道路ってこの道?』
『ギョウセイ道路?』
『飯能ってこの方向?』
『ハンノウ?』

どうも話が噛み合いません。子供達は建物の中に入って誰かに聞いているようです。やがて戻ってきていろいろ教えてくれますが、私がお店の方から聞いた話と合いません。更に建物の中に入って聞こうとしますので、さすがに申し訳なく私も中に入ります。この建物はゲームセンターになっているようです。店長さんとおぼしきニキビ顔のお兄さんが、何で方向違いのところを聞いてくるんだろう?とか思ったのでしょうけど、そこは親切に『あー行ってこう行って』と教えてくれますがどうもよく分かりません。店長さんの説明がまるっきり逆の方角を言っていますので、そのうちに私もひょっとして駅の出口を取り違えたのではないかということに気づきました。
南口でなく、北口と考えると全ての話の辻褄が合います。ハレーーー、こんなところまで来たのにぃまた戻るのかよぉ。。。気を取り直してまた駅まで戻ることにしましたが、ここまで親切に教えて頂いたので何かゲームをやっていこうと思います。

私はインベーダーゲーム以来ゲームセンターに入ったことがありませんので、最近の新しいゲームにはついていけません。麻雀ゲームなら何とか出来るでしょうと、百円硬貨を1枚だけゲーム機に入れて対戦開始です。もう3時近いので、あっという間に敗退し先を急ぎたいのですが、対戦相手のこのゲーム機。。。とても弱いのです。リーチ→ロン、リーチ→ツモ、満貫・ハネ満の連続です。5回程勝ち続け、もうこれ以上やったらKITADAYAさんに行けずに帰らなければというところで試合放棄をしてしまいました。お礼のつもりでゲームをやったのに、結局100円でこんなにねばってしまってはゲームセンターにとってもいい迷惑にしかなりませんでしたね。

また、テクテクと小手指の駅を目指して歩き出します。無駄な歩きは疲れを倍増させます。ひーひーいってようやく駅に辿り着きました。今度は北口に出ます。北口広場にはタクシーが客待ち顔で並んでいます。運転手さんに尋ねてみます。

『あのーーーっ、行政道路ってどちらでしょうか?』
『この道を真っ直ぐ行ったら直ぐ突き当たるよ!』(やっぱしね。。。)
『KITADAYAさんはどちらでしょうか?”山田うどん”と”とんでん”の近くらしいのですが。。。』
『ああ、あるよ。乗りなさい。』

仕方がない、タクシーで行きましょう。タクシーは裏道を走ってものの数分もしないうちにKITADAYAさんまで連れて行ってきれました。メーターは基本料金のままです。。。休みの日のせいでしょうか、行政道路はマイカーでとても混んでいます。タクシーが裏道を走る訳です。KITADAYAさんは、ディスカウント店ではありませんが、一応車で来られるお客さんをターゲットにしておられるようです。お店自体は小さいのですが、あちこちに貼紙がしてあり、みるからに拘りの酒屋さんといった感じです。お店の中に入りますと、先ずワインの品揃えの素晴らしさに驚きます。ワインだけでなく、日本酒にも相当力を入れておられるようで、奥には立派なセラーがあってワインと日本酒が半々位並んでいます。さすがに品揃えは確かなようです。週刊現代で紹介されたチリの赤・白のワインは、メモを付して入口の横に並べられていました。結構お値段の張るワインが多いのは本物志向のためでしょう。KITADAYAさんは、元気なお店を紹介するNHKの『おはよう日本』というテレビ番組にも出られたようです。店員の方も20代位の若い方ばかりでしたし、これからも美味しいワインを日本に紹介して頂けるのではないかと大いに期待しています。



さて、お店を出ますとまたポツリポツリと雨が降ってきます。えらい道草を食ったせいで、もう夕方の4時近くになっています。雨も降ってきたし、駅から随分離れていそうなのでタクシーを拾おうかと通りに出てみますが、道路はマイカーで渋滞しタクシーの影も見えません。諦めて歩き出した途端に、『おたる』、『回転寿司』、『全皿100円』。。。という文字が視界に飛び込んできました。ふと視線を上げますと、街道沿いでよく見かけるファミリー・レストランのような建物が見えます。急にお腹が空いてきました。足は自然と階段を上って2階へ。。。中途半端な時間でしたのであまりお客さんは入っていませんでしたが、随分と大きなネタを乗せたお皿がぐるぐる回っています。足りないネタは目の前のマイクに向かって注文してもいいのですが、とにかくいろんな種類のお寿司が回ってきますのでそんな必要はありません。ネタも大きいですが、味もいいですね。どのネタも鮮度抜群の美味しさです。さっきの雷雨の時にこのお店で雨宿りしていたら。。。と少々残念に思いますが仕方ありません。僅か15分位で10皿を積み上げ、満ち足りた気分で帰途につきます。雨は未だパラついています。

今度こそ道草しないで帰りましょう。。。と、ほんの100m程進みますと何やら広い駐車場に車が犇(ひし)めいています。こは如何に?と奥の建物を見ますと、新潟県寺泊港から直送された海産物のマーケットのようです。こんな山奥に。。。と思いましたが、考えてみれば新潟県からは距離的に東京より近い筈と納得します。これは何が何でも立ち寄ってみなければ。。。



店内は相当に広いのですが、近郷近在から買い出しに来られた人達で一杯です。凄まじい買いっぷりですが、お魚の方も次から次へと補充されます。とにかく、ありとあらゆる種類の海産物が揃っていて、しかもどれも激安です。握り寿司の大皿は特に人気があって、一人で何皿も抱えているお客さんもいます。きっと今夜は親類縁者が揃ってお寿司パーティを開かれるのでしょう。




私はつつましやかに雲丹の瓶詰めと何処にでも売っている塩辛を買い込みましたが、この雲丹は北海道産で超美味しかったです。こんなに食生活が豊かな小手指にお住まいの方がうらやましい。。。



結局、KITADAYAさんから小手指駅まで歩いて帰りましたが、そんなに無茶な距離でもありませんでした。出口さえ間違えなければ非常に分かりやすい道のりです。駅前にはハナミズキの素敵な並木道もありますしね。トホホ。。。

私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。

(白) チリ: PIEDRAS ALTAS CHARDONNAY (1997)

Piedras Altas Chardonnay presents a delicate light golden colour. Its aroma, fine and complex, gives off hints of lime, vanilla and roses. Its flavor is exemplary of the variety, lightly mineral and wellbalanced. Serve chilled. (Produced and bottled in Chile by Francisco de Aguirre Vineyards, Coquimbo Region, Limari Valley)

週刊現代のワイン評です。

『ピエドラス アルタス シャルドネ』は、新樽熟成による焦がしたような風味や、バニラ、蜂蜜の甘さを感じる、ふくよかで濃厚な白ワインです。軽く冷やすと美味しいです。

週刊現代には、チリのピエドラス・アルタスの赤・白がセットで紹介してありましたが、同じ銘柄のワインを2本買っても面白くないですね。一応週刊現代の顔を立てて赤・白どちらか一方を選ぶことにします。レジの前には、海外のワイナリーで直接買い付けたような拘りのワインが並んでいます。中でもカリフォルニアの赤に引かれます。ならば、チリのピエドラス・アルタスは白にしましょう。

やっぱし、赤の方が良かったかな。。。という気がしないでもないですが、ま、久しぶりのチリの白ワインです。ちょっと独特の香りのするシャルドネを味わいましょう。この独特の香りというのは、いたく表現が難しいですね。今までに飲んだワインの香りの記憶をひもといてみまするに、何やらこれに似ていますね。そう、松ヤニのような香りなのです。シャルドネの味の特徴は、すっきり爽やか、それでいて研ぎ澄まされた奥深い甘み(ワカンナーーーイ)とでも言ったらいいでしょうか。甘みが研ぎ澄まされない段階では松ヤニの香りが残るんです。。。







(赤) カリフォルニア: MONTEVINA CABERNET SAUVIGNON (1997)

The Gold Rush of the 1850's attracted a throng of Italian immigrants to California's Sierra foothills, fostering a vigorous frontier wine industry centered in Amador Country. Today, Amador's warm climate, shallow, granitic soils, and old, hillside vines combine to produce exceptional wines, exemplified by the classic Italian-style reds of Montevina Winery, which also produces this fine California Cabernet Sauvignon.

北田屋さんのように、美味しいワインを手に入れるために努力されている情熱を持った酒屋さんは、直接現地のワイナリーを探し歩いて見つけた隠れた銘醸ワインを手頃な価格で提供されている筈です。レジの前に並べられた『北田屋特選ワイン』は恐らくそういった自信のワインなのでしょう。中でもこのカリフォルニア産の赤ワインは、非常に素晴らしい味を予感させます。

北田屋特選ワイン

このワインは、当店を始めとするワイン・アドバイザーのいる専門店(クラブMV)が、味と品質で選び、生産者から直接輸入したワインです。

たまたま、八王子の『グッド802』さんで頂いたチラシにカリフォルニアワインの産地紹介がありましたので引用させて頂きます。



アメリカでは、全51州のうち43州以上からワインが生産されていますが(本当?)、そのうち約9割がカリフォルニア産で占められています。カリフォルニア州には、A.V.Aと呼ばれる政府公認葡萄栽培地域が125(1999年現在)あり、産地を大きく分けると次の5つになります。

North Coast(ノース・コースト)
銘醸ワインを数多く産み出すことで有名なナパ・ヴァレー/ソノマなどを含む地域です。小規模ながらも近代的な設備を持ち、オーク(樫)の小樽を使って高級ワインを造る『ブティック・ワイナリー』と呼ばれる蔵元が多いことでも知られています。

Central Coast(セントラル・コースト)
霧や寒流の影響で気温が低くなる接太平洋地区と、乾燥し温暖な内陸地区の両方を含むこの地域は、バラエティに富んだワインを数多く産み出します。

Sierra Foothills(シェラ・フットヒルズ)
アメリカ特有の葡萄品種『ジンファンデル』の銘産地。19世紀、ゴールドラッシュによって開発された古い歴史を持つ地区です。

South Coast(サウス・コースト)
古くからのワイン産地。比較的お手軽価格のワインを多く産出します。

Central Valley(セントラル・ヴァレー)
カリフォルニア最大の葡萄産地。大規模なワイナリーが数多く存在し、日常楽しむテーブル・ワインを中心に産み出しています。


週刊現代ワイン特集を信じてチリの赤・白のワインだけにしていたら、何のためにあれだけ苦労して『北田屋さんを訪ねて三千里』の旅をしたのかわかりません。でも、このカリフォルニアの赤に巡り会えたことはその苦労を全て吹き飛ばすに十分な価値があります。カリフォルニアの赤としてはちょっと珍しい味わいの豊かなコクがあります。辛口というよりは、むしろ乾いた感じの深みがあると言った方がいいかもしれません。後々まで余韻の残る素晴らしいワインです。



背景の模様はラベルとは関係ありません。ラベルが透明な上に文字の色が白でそのままでは白夜の白熊状態だったために、CDの箱に貼り付けてスキャンしました。こういった透明なラベルは最近カリフォルニアのワインによく見かけます。アメリカらしい合理的なアイデアですね。










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