矢向・笠原商店
『矢向』と書いて何と読むのでしょうね?私は今まで『やむかい』と読むのかと思っていましたが、駅名を見ますと『やこう』というのが正しい読み方のようです。矢向はJR川崎駅から南武線に乗って2つ目のローカルな駅ですが、隣りの鹿島田駅周辺ではニューシティ新川崎の高層住宅と対抗するかのように、線路を挟んだ広大な空き地に県の住宅供給公社が建設中の巨大な団地が出現しつつあります。幸いなことかどうか分かりませんが、矢向駅周辺では未だ再開発のうねりに巻き込まれてはいないようです。駅を降りますと、小さな駅前広場にタクシーが所在なさげに駐車しています。広場の先には、道路に沿って矢向商店街がこじんまりと続いています。何となくのんびりとした佇まいです。
矢向商店街は駅を挟んで東西に延びていますが、どちらかと云いますと西口の方がお店は多いようです。駅前広場から直ぐのところに小さなスーパーがあります。大根1本100円、Lサイズのみかんが6個入って298円は安いですね。それに加えて、お店の方からお魚のにおいがしてきます。看板を見上げますと、『うおしち』と書いてあります。『うお』が付くくらいですから、昔はお魚屋さんだったのかもしれません。ちょっと中に入ってみます。鰻の寝床のような奥に細長い建物ですが、ローカルな感じながらも店内にはいろんな食材が溢れています。お値段は、普通のスーパーに比べて概ね3−4割安といったところでしょうか。小ぶりのパックが多いので、いろんな食べ物をちょっとずつ買うのに丁度いいですね。なになに、パックに入ったイカの自家製塩辛が185円(これは甘塩で美味しかったです)、ネギトロが248円(これは脂がのっていて新鮮そのものでした)、サワラの香草漬けが1切れ88円、肉厚の赤魚の干物が198円、鯛入りチクワが78円。。。これは買わないでか!という訳で、例によって脈絡もなしに買い込んでしまいました。安いからといって、どうやって食べるかも考えないで衝動買いするものだから後で食べ方に困るんですよねぇ。。。
商店街の外れに近い(といっても、駅から歩いて2分程ですが。。。)交差点に面して『笠原商店』があります。何と云うこともないような小さな酒屋さんですが、ここのご主人はなかなかのワイン・エヴァンジェリストのようです。何でも、かの有名なSOPEXA(フランス食品振興会)が認定した『コンセイエ(ワイン販売人)』の資格をお持ちだそうです。特に南仏の、それもコート・デュ・ローヌ地方のワインに造詣が深く、インターネットでもかなり知られた名物おじさん(おにいさん?それともおじいさん?)のようです。HPも開設されておりますので、ローヌのワインがお好きな方はここをご覧になって下さい。それと、思いがけぬ発見だったのですが、入口横の冷蔵ケースには私が一時期探し回っていたメイバッハのゼクトも鎮座していました。これはお勧めですよん!
私のお勧めのワインは次の通りです(説明文はラベルから転記しました)。
- (赤) イタリア: NIPOZZANO RISERVA (1995)
- 『ニポッツアーノ キャンティ・ルフィーナ リゼルヴァ』と云います。次の解説があります。
Nipozzano is located in the heart of Chianti Rufina D.O.C.G. area. The pedoclimatic conditions of the microzone and the selected Sangiovese grapes make the great personality of this wine.
イタリア語の解説もあります。
Nipozzano si trova nel cuore del Chianti Rufina D.O.C.G. Le condizioni pedoclimatiche della microzona e le selezionate uve di Sangiovese deteminano la grande personalita del vino.
笠原商店さんは南仏産、特にコート・デュ・ローヌのワインに力を入れておられます。折角ですから一本はその中から選ぼうかなと思ったのですが、シャトーヌフのワインの中に目を引くものはあったものの、なかなか予算に見合うワインが見付かりません。このワインはお正月特別セールということで少し値引きしてありましたが、それでも私が買える上限に近いお値段です。どうしようかな。。。とは思いましたが、DOCGの格付けとリゼルヴァの表示に引かれて買い込んでしまいました。
飲んでみますと結構重い味でした。カベルネ系かなと思ったのですが、サンジョベーゼ種の葡萄から造られているようです。そういえば、円熟した重厚なカベルネの味と比べますと、どこか尖った辛い味が感じられます。『Rufina』という名前の付いたワインは以前にも何回か飲んだことがありますが、割とポピュラーな銘柄なようです。でも、やっぱりコート・ド・ローヌにすべきでしたかね?
- (赤) フランス: CUVEE CASTEJA BORDEAUX (1999)
- 『キュヴェ・カステジャ ボルドー』は、カベルネ・ソーヴィニヨン種とメルロー種が醸し出す豊かな味わいのハーモニーがあり、熟した果実のようなブーケを持っています。カステジャ氏の確かな味覚が選んだ程よい渋味で辛口の高品質のワインです。
もう一本は手頃なプロヴァンスのロゼとかローヌの白とかでも良かったのですが、外は北風ビュービューで余りにも寒かったためか何となく手が出ません。やっぱり冬の季節はアツアツのお料理に赤ワインが合いますね。このワインは入口近くに5種類ほど並んだお買い得ワインの中の1本でしたが、カベルネとメルローの特徴を兼ね備えたボルドーの赤とくれば悪い筈はありません。コート・デュ・ローヌのワインに未練を残しつつ、2本目もボルドーを選んでしまいました。
かなり重そうな予感がしたのですが、カベルネとメルローのブレンドにしてはミディアムっぽいタイプでした。グラスの底まで見えるくらいに明るい色なのですが、やや褐色がかっているところはボルドーの高級ワインと同じです。香りはそんなに強くはありません。嗅覚を最大限に働かせてもかすかに香りを感じる程度です。飲んでみますと、その純粋さが一層感じられます。余計な雑味がない代わりに、コクとか渋みも際立っていないのです。どちらかといいますと、このワインは女性に向いているのかもしれません。そんなにガブ飲みしない女性の意味なのですけど。。。
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