テキサス州 (Texas)


テキサスというとカウボーイに豪快なビーフステーキを連想しますが、実際のところはそうでもないようです。ダラスから35号線をオースチンに向かって車を走らせていると『Cowboy’s Barbeque』という名前のレストランの看板が目にとまりました。丁度昼時でもあり記念にテキサスの分厚いビーフステーキでも食べていこうと思い寄ってみました。中は小さな食堂のような感じでカウボーイ・ハットをかぶった大男達が2−3人小さな皿に盛られた豆と超薄切りのローストビーフを食べていました。なんて小食なのだろうと思いつつ、カウンターに行きケースに入ったビーフの塊をみて『これ下さい』とたのみました。

当然その塊が全部皿にのると思いきや、カウンターの店員さんはそれにナイフを入れてこれまた薄切りのハムの要領で2−3枚を切り取り皿に盛りました。あっけにとられていると、『付け合わせは?』ということで豆にしました。テキサスのカウボーイもこのような慎ましやかな食事をしていたのかと思うと熱いものが込み上げてきました。。。これはテキサスの名誉にかけていいますが、アメリカ中どこにいっても(そんなに回っていませんが)分厚いステーキなぞお目にかかれませんでした。お正月に神棚にお供えする鏡餅を見て、『日本人はなんて大きなお餅を食べるのでしょう!』というのに似ていますね。



オースチン: (Austin)

テキサス州にはダラスとかヒューストンといった大都会がありますが、意外にも州都はオースチン(Austin)という小さな街です。小さいというのはあくまで他の街と比べた上での話ですが。。。私が訪れたのはもう12月に入っていましたが寒いどころか半袖のシャツでも暑い位の真夏のようなお天気でした。後で聞いたらいわゆる『インディアン・サマーデー』だったらしいです。街の南はずれのコロラド川に沿って公園があり、近くにホリディインがありましたのでまだ日は高かったのですが泊まることにしました。ここは今回の旅行で一番居心地のよいホテルで、料金が安い上に9階だったせいかオースチンの街が一望できる素晴らしい眺めでした。



オースチンには全米でも最大級のテキサス大学オースチン校があります。どのあたりに位置するかよく分かりませんが、写真の下の方を走っている35号線の向こうにあるこんもりとしげった森のなかにあるのではないかと思います。オースチン市内は碁盤の目のように整然と区割りされており、建物も非常に真新しくきれいです。街の中心にはテキサス州会議事堂があります。大きさは全米一だそうですが、何事にも大きいのが好きなテキサス人の気質を反映しているようです。

テキサスはメキシコに近いせいか美味しいメキシカンフードを楽しむことができます。ちょっと辛めですがとてもスパイシーで美味しいです。また、6thストリートという一角はオースチンのバーボン・ストリートと呼ばれ、夜になるとすごく賑わうそうです。私は夕方の6時くらいに行ってみましたが、まだ閑散としていました。本格的に賑わうのは8時位からとのことです。

ホテルのバーで巨大なテレビに写し出されているアメフトの試合を見ながらビールを飲んでいると、隣にカウボーイ・ハットが抜群に似合う本物のカウボーイと連れの女性が座りました。私のビールを見て、テキサスに来たんだったらテキーラを飲めといって周りに塩を土手のように盛り上げたグラスを注文してくれました。連れの女性がやめときなさいよとかなんとか言っていたようでしたが、私が一気に飲み干すとえらく気にいってくれて話がはずみました。翌朝ホテルの駐車場で偶然に会いましたが、大声で名前を呼んでお別れの挨拶をしてくれたのには閉口しました。さすがに馬でなく、ちゃんとした車に乗っていました。



オースチンからヒューストンへは今回の旅行で唯一の一般道を通りました。さすがに帰り道になったのかと思うとどっと疲れが出てきました。一般道なのでところどころに信号があり運転が中断するのも辛いところです。とうとう気持ちが悪くなってちょうど見えたタコベルのレストランに入りました。全く食欲はなかったのですが、入った以上は何か頼まなくてはいけないと思いタコスを注文しました。一つ1$ちょっとでしたので2つとコーラにしました。さすがにワインが置いてあっても頼まなかったでしょうね。で、そんな状況の中でもこのタコスは非常に美味しい!思わずペロリと食べてしまいました。日本では食べたことはありませんがやはり本場の味は格別でした。



アメリカ南部で連想する有名な食べ物といえばジャンバラヤとガンボスープではないでしょうか。なんとなくアフリカーナといった雰囲気がしますが、これらは南部の中でもかなり限定された地域で食されていると思っていました。ところが。。。です。テキサスもヒューストンから更に東に行くと本場よりも美味しい味に出会えるのです。

ハイウエイの10号線をひたすら東に向かって走っている間にだんだんと日が暮れてきてどこか泊まるところをと気になり出した頃、『Winnie』という小さな村にさしかかりました。確か828か829の出口だったと思います。インターを下りると人気のない小さなモーテルがあり、食堂すらないとのことです。仕方なく疲れた体にムチ打って車で数分の村の中心(といっても村道のような124号線に沿ってポツリと明かりがある程度の)に行ってみると『AL−T’S SEAFOOD & STEAKHOUSE』というレストランを見つけました。どうせ食べるだけと思って入ってみると、これが村の社交場のようなところなのです。

とりあえずビールを飲んでメニューをしげしげと眺めていたら、私の大好物の『ソフトシェルクラブ』がありました。早速注文してみるとこれが実に美味しい!日本で食べるのと違って結構大きな蟹で揚げ加減といい付け合わせのポテトといい、全く申し分のない味でした。更にメニューをみると何とガンボスープもあるではありませんか。まさかテキサスの片田舎で食せるとは思いませんでした。で。。。このガンボスープがこれまたえもいわれぬ美味しさでした。よくよく地図を見ると、このあたりは『GULF COAST』つまり、メキシコ湾のすぐそばだったのです。どうりで新鮮なお魚を使っていると思いました。

後日談ですが、ニューオルリンズで観光ガイドにのっていたレストランをハシゴしましたが、このレストラン以上の味には出会えませんでした。アメリカ料理は雑だとか言う人もいますが、是非このレストランに行ってみて下さい。その繊細な味には驚かれる筈です。もっともあまりに田舎なので車を使ってもたどり着くのはえらく苦労するでしょうけど。









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